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「恐竜超伝説2 劇場版ダーウィンが来た!」:NHKの人気動物ドキュメンタリー第5弾。恐竜シリーズとしては第2弾だが、前作よりすごく考えされる深みがある作品!

<あらすじ>
6600万年前の超巨大大陸ゴンドワナ。40m近くにも達した超巨大植物食恐竜プエルタサウルスや10mの巨大肉食恐竜マイプ、ツノ恐竜カルノタウルスなどの巨大恐竜たちが、生き残りをかけて死闘を繰り広げていた。しかし、突然の巨大隕石衝突により、火災や寒冷化など未曽有の大災害に見舞われる。そんな過酷な世界でも、たくましく生き抜く恐竜たちの姿があった……。

KINENOTEより

評価:★★★☆
(五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低)

NHKの人気動物ドキュメンタリー「ダーウィンが来た!」。もともとNHKでは2006年から放送されている(主に子ども向け)動物ドキュメンタリーで、今まで動物版で3本、恐竜版で2本、劇場公開されています。話はちょっとそれますが、僕はNHKの動物ドキュメンタリーといえば「生き物地球紀行」(1992年~2001年)がすごく大好きな番組で、ちょうど放送開始のくらいが中学生くらいでちょうど進路に悩んでいた時で、好きな教科が理科だったので理系専門コースがある高校にいくか、工業高専にいくかのときに、「生き物地球紀行」で動物とか、生物とかに関わるのもいいなーと思ってよく見てました。結局、生物とかは関係ない高専に行くことになるのですが、それでも動物とか、それこそ小学生のときに好きだった恐竜とかは未だに好きなので、生涯学習として生物をこれから学ぶのも最近よいかなと思ったりしています。「生き物地球紀行」が確か月曜の20時とかからやっていましたが、その後を継いだ「地球!ふしぎ大自然」、そして「ダーウィンが来た!」になってきて今では日曜の19時30分からの放送で、NHKクルーの映像だけではなく、同じ動物ドキュメンタリーで定評がある英BBCとの共同での番組製作をされているとかで結構豪華になってきています。

と、本作の感想に戻ると、ちょうど同じく恐竜を取り上げた前作「恐竜超伝説 劇場版ダーウィンが来た!」(2020年)に比べると格段に良かったなという印象でした。前作と同じく最新の恐竜研究に基づいて、数々の恐竜をCGで表現しながら恐竜たちの生きている姿を浮き彫りにしていくのですが、単純な恐竜紹介に徹していた前作に対し、本作は(よく取り上げられている素材ではあるものの)6500万年前の大絶滅前後で、どう恐竜たちがサバイブしていったかを描いている分だけ1つの線になっているのが面白かったです。もちろん、隕石衝突説も大絶滅の1つの仮説にすぎないのですが、それがあったとして大きく変わった地球環境の中で恐竜たちが生き残るためにどう適応していったかが(仮説のところが多いとはいえ)すごく興味深かったです。映画の中で明確なメッセージはなかったものの、僕の想像では恐竜は今の鳥の祖先だったとして、今の渡り鳥たちが行う”渡り”は、実はこの時代の恐竜たちが環境に適用しようと各地を動き回った遺伝子が残っているのではないかと観ていて思いました。最新の恐竜研究の結果を盛り込みながら、そういう考えさせる作品になっていることが前作より深みを与える作品になっているのです。

それにしても、僕が子どもの頃に比べ、180度といっても変わっていて、深化し続けているのが恐竜研究の分野。昔は、恐竜は爬虫類の祖先であり、描かれる恐竜像も、どこか日本のゴジラのような怪獣の延長で描かれることが多かったのを考えると、今はすごく違った世界感になっているのが驚き。一部の恐竜たちを除き、ほぼ鳥類の祖先に位置づけが変更され、羽毛があり、(見た目の色とかはほとんど想像とはいえ)今のカラフルな鳥たちの容貌がほぼ反映されています。だからこそ、現代の鳥たちが行う不思議な習性などは、ほぼ昔の恐竜たちの生き方につながってきているといっても過言ではないし、(先ほどの考察のように)逆に恐竜研究が今の鳥たちの行動を解析することにもつながってくる。絶滅はしているけど、今でも息づく恐竜たちの姿に大人になってもメロメロの自分がいたりします。

<鑑賞劇場>MOVIX京都


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