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【ロンドン滞在記:2023】自由と多様性とヴィーガンとエンターテイメントと物価高を堪能した1週間

イタリア3ヶ月滞在の合間をぬって、1週間ほどロンドンに行ってきました!

ロンドンは、Rの親友、Rの叔母さん夫婦やいとこ、R姉カップル、そして私の友達カップルが住んでいるところ。私たち自身も、ロンドンで大学生活(私はたった半年ですが)を過ごした思い出の地です。

実は、今年の初めに私自身は仕事の都合でロンドンに1週間滞在していたこともあり、まさか1年に2回もロンドンを訪れることになるとは…(贅沢だけど、1年に1回行ければ十分くらいのテンションです)。

6月と言っても、ヨーロッパはもう夏。
最初にイタリアからロンドンに降り立った時は「さむ!もう無理!」って思うくらい風が冷たく、イタリアとは大違いでしたが、日中や晴れ間があると結構暑い。気候変動の影響を感じざるを得ませんでした。

R叔母がでっかい家を北ロンドンに持っているので、そこにお邪魔させてもらって快適な日々を過ごせました(速いネット、日差したっぷり、静か、椅子もテーブルも快適、なんと言っても蚊がいない!!)。

火曜日:ヴィーガンチャイニーズ with R姉カップル

月曜日に着いて、火曜日の夜はR姉カップルと夜ご飯へ。私のリクエストで今年初めに発掘した最高に美味しいヴィーガンチャイニーズへ。

Northern LineにあるAngel駅から歩いて数分のところにある Tofu Vegan というお店。ロンドン滞在中は、イタリアで滅多に食べられないアジア食(主にカレーや中華)やヴィーガン料理を食べると決めていたのでした。

ここのスパイシーダンプリングが最高。私は焼きそばを食べました!

この醤油味がたまりません

4人でスターター2品と、それぞれがメイン1品を頼んでも60ポンドくらい。どうりで人気なわけです。店員さんたちも全員アジア人(の見た目)なのですが、めちゃくちゃ対応がいい!
昼に行った時は余裕で入れましたが、夜は平日でも予約をお勧めします。私たちは7時半ごろに行って、40分ほど待ちました。

待っている間、近くのタパスで軽く食べてたんですが、まさかのそれだけで50ポンドっていう衝撃。ロンドン、まじで高い。ノンアルコール1杯で8ポンド(現在のレートだと約1,200円)。

日本なら分かるけどイギリスでこの量は少ない!

チップス(いわゆるフライドポテトですが、イギリス英語ではチップスと呼びます)もマジで少量で6ポンド超え。おそろしや。

水曜日:インディアンカレー with R叔母夫婦

写真がないんですが、水曜日の夜は叔母さん夫婦が旅行から帰ってくる日で、夜ご飯は近くのインディアンをテイクアウェイ。やっぱりロンドン。カレーのクオリティがどこもいい。スパイス効いてるし、日本ではなかなか食べられないような味。ナンだけじゃなくチャパティもあるし、最高です。

木曜日:トルコ料理&シェイクスピア with R友と私の友

この日は、R念願のシェイクスピアの『A Midsummer Night's Dream(夏の夜の夢)』観劇の日。Rの親友とも初めて会いました(前回ロンドン行った時には彼とは会えず、他の友達と会いました)。そして、ブリュッセルに住む私の友達とロンドンで合流した日。

シェイクスピアといえば、グローブ座。ここはいまでも、マイクを使わず俳優たちの生の声が観客に届く仕組みになっています。想像していたよりも小さく、実際に俳優たちの顔が見えるくらいのサイズ。

ここのおもしろいところは、立ち見はたったの5ポンド!2時間半もある劇なので私と友達は迷いもなく座る席(25ポンド)を選びましたが、RとR友は迷いもなく、立ち見。これが醍醐味らしいです。

下が立見席。もちろんエアコンもないので、具合悪くなる人もいました。。

お酒や食べ物の持ち込みもOK。このあたりも日本の観劇とは違いますよね。

シェイクスピアを見るのは初めてで、Rと一緒に物語の予習をしていたのでストーリー展開自体は追えましたが、英語が現代英語じゃないので、何言ってるのかさっぱり分からない場面もたくさん。まわりがジョークで笑っていても、日本で育ちシェイクスピアに関心のない私には、まったく笑えず笑

私は英語を話すことに不自由はほとんど感じませんが、文化まで自分のものにするのはおそらく不可能。やっぱり現地で育って、現地の文化を肌身で吸収してこそ分かる笑いってありますよね。特に俳優たちが私たちに背を向けて話している時なんて、ほとんど何言ってるかわかりませんでした。

まあこれも経験。座席をはじめ観客たちとのやりとりや反応など、いろいろ日本との違いもあって一経験としてはおもしろかったです。

夜のテムズ川沿い

金曜日:叔母夫婦の手料理 with R姉、Rいとこ

お昼はRの親友の家にランチに行きました。働きつつ、ちょこちょこ会話に参加し夕方はもうウィーケンド。

シェアハウスのリビング。でっかいフラットに6人が住んでますが、広々しているので快適でした
屋上には広いバルコニーも。コンブチャを飲みました!

夜は叔母夫婦は料理好き(だから、家にどでかいキッチンがある)なので、手料理も美味しいんです!そして、R叔母は白人ですが、パートナーはインド系イギリス人なので、料理もいわゆる白人家庭(ポテト、肉)というよりも、さまざまなスパイスを使って、オリエンタルな感じの料理を作ってくれます。

この日もスターターからデザートまで。たらふく食べました。

スターターのナスのグリル焼き。チリやガーリックがあってめちゃくちゃおいしかった。
メインのニョッキとミント、トマト、ヨーグルト
デザートはアプリコットのケーキ

土曜日:タイ料理 with 私の友人家族

この日は、1日ゆっくりしたあと、私のロンドン留学時代に仲良くなったトルコ人の子(K)とその夫(パキスタン系イギリス人)、そして彼らの子どもと一緒にセントラルへ行き、タイ料理を食べました。

ロンドンのいいところはどこのレストレンへ行っても、ベジタリアンやヴィーガンオプションが1、2個あるところ。ここも肉を提供していますが、ベジパッタイもあり、それを注文。油っぽかったですが、味自体はアジアの味なのでよしとしましょう。

友人Kとは、8年来の関係。ロンドン留学時代、彼女はすでにロンドンでトルコ語の先生をしていましたが、英語を伸ばすため私と同じコースに入り、一緒のクラスで学びました。まわりが大学生の留学生ばかりだったなかで、私と彼女はお互い大学卒業後に留学していたこともあって、感覚も近く世代も同じでした。彼女は仕事もあって忙しくしていて、毎週のように遊べたわけではありませんが、空いてる時間に一緒に図書館へ行って勉強したり、カフェしたり、卒業前にはグリニッチに一緒に行きました。

当時、彼女の彼氏だったMとはその時に出会い、一緒に仲良くしていました。二人とも面倒見がよく、不慣れなロンドン生活でたくさん支えてもらいました泣。

私の帰国後、彼らは婚約し、彼らの結婚式には私とRを呼んでくれました。私とRにとっては、その結婚式(イスタンブール)が初めて一緒にする海外旅行。この時に、初めてRからI love youを言われるなど、思い出深い旅行になりました。

数年後の冬にR家族とクリスマスを過ごすためにイギリスに来た時にも、彼らの家に泊めてもらったり、たくさんのいい時間を過ごさせてもらいました。

日曜日:インディアンカレー(昼と夜!)

私の友人がブリュッセルに帰ってしまったので、この日は昼に友人家族(KとM)の家に行き、お昼を一緒に食べることに。土曜日は、短い時間しか話すことができなかったですが、この日はのんびりくつろぎながらいろいろ話しました。

彼らはコロナ禍で出産。今年初めに仕事でロンドンに行った時に初めて彼らの子どもに会うことができました!(Whatsapp越しでしか見たことがなかったので嬉しかった!)そして、今回はRも子どもちゃんに会い、短いながらも楽しく嬉しい再会となりました。

今年初めにたくさん遊んだので、子どもちゃんは私のことを覚えていてくれていたみたい。Rも数時間遊んだあとには、受け入れてもらいました(笑)

昼はもちろんカレー。彼らの食のチョイスはいつも間違いがないので、おいしい!これまた、たらふく食べました笑

そして夜はR叔母と一緒だったのですが、またカレー。でも、カレーは何度食べても飽きません!お店によって味も違うし、種類も違うので、2度楽しむことができて満足。

自由と多様性とヴィーガンとエンターテイメントと物価高

自由:歩きと地下鉄とバスへどこへでも

イタリアのど田舎でしばらく過ごしていたので、歩いて行ける距離にある程度のお店があることのありがたさを味に沁みて感じました。車がなくても、公共交通機関でどこへでも行ける自由さ。地下鉄やバスは、クレジットカードやオイスターカード(PASMOやSuicaと同様のカード)でスワイプしてさくっと乗れます。

珍しく青空!

多様性:自分は何者にでもなれるし、何者でもない

ロンドンといえば、多様性の街。今年初めに久しぶりに訪れた時にも感じましたが、ロンドンにいると、いい意味で自分が何者でもない感覚を持てます。日本人でもないし、女性でもないし、ただ地下鉄に乗ってる人。街を歩いてる人。自分の存在を意識しなくなるくらい、みんなそれぞれ。

イタリアのど田舎にいると東アジア人の私の存在がとても浮きますが、ロンドンはたくさんの言語と文化で溢れています。英語を聞く機会の方が少ないと感じるくらい、ヨーロッパの他言語やアフリカの言語、アジアの言語など、そこらじゅうで聞こえます。また、英語を喋っていてもみんなそれぞれのアクセントがあったり。

ヴィーガン:どこへ行ってもベジ・ヴィーガンオプションがある幸せ

食べ物に関しても、中華からレバノン、エチオピア、カリビアン、日本、韓国、メキシコ、スペイン、フランスやイタリア、もちろんインドやパキスタン、トルコ料理などなど。そこらじゅうにいろんな国の食べ物が食べれるお店があります(食材が買えるお店も)。そして、ヴィーガンレストランも豊富。日本ではまだまだヴィーガンやベジタリアン専門のレストランへ行かないと食べられませんが、ロンドンはステーキハウスとかじゃない限り、バーガーショップやパブでもベジ・ヴィーガンオプションがあり、メニューにきちんと「V」マークがついているので、すぐ分かります。レストラン難民にならずにすむし、肉を食べる友達とも事前リサーチなしでふらっと気に入ったお店に入れる気軽さ。生きづらさが少し解消されます。

エンターテイメント:ミュージカル、劇、映画、コンサート、コメディ、美術館。街中がエンタメ!

街のいたるところにリーフレットやポスターが貼ってあります。ロンドンはNYにならんでミュージカルも豊富。過去、ロンドンで『Wicked』や『Once』『Book of Mormon』など見たことがあります。チケットも当時は60ポンド程度でした。今回はシェイクスピアを見ましたが、監督によってはより現代に合わせた設定にしたり、より古典的にしたり違いがあるようで、何度も同じ作品を見ても、監督が違うと中身も結構違うようです。そして、キャスティングも多様でした。まず、私たちが見た回は女性が多かったし、女性同士のカップル(元のシェイクスピアの設定ではもちろん男女)もあったし、背の小さい人白人以外の人種もたくさん出演していました。

ロンドンは美術館も豊富です。そして、政府が文化を支援していることもあって、多くの美術館は入場無料。私はVictoria&Albert Museumがお気に入りで、何度か訪れました。無料だからこそ、行きたい時に何度も行けますよね。

独立系映画館も多く、リリースから時間の経った名作を見れたり、メジャーではない映画を見られたり。もちろん持ち込み可能なので、食べ物や飲み物は堂々と持参してOK。日本と違って映画館によって料金が違うようで、ファンシーな映画館とそうでない映画館があるそうです(笑)

イギリスでは、スタンドアップコメディが人気ですが、これまたいろんなパブでチラシを見かけました。コメディの劇場やパブなど、いろんなところを舞台に、コメディアンたちが日々人々に笑いを届けています。風刺も文化の一部なので、社会や政権批判だったり、ジェンダーについて批判したり、ここも日本とは違いますよね。何人か好きなコメディアンはいるのですが、まだ見に行ったことがないので、いつかぜひ行きたい!と思っています。

物価高:すべてが高い

思い返せば、毎日のように出歩いたり、外食したりの1週間でした。あっというまに200ポンドは余裕で使うはめに。イタリアもそうですが、外食が高い!1回で2,000円くらいは飛んでいきます。。

普段、ほぼ外食をしない私とRにとっては痛手でしたが、もう割り切って使う始末(笑)

ロンドンはインフレの影響やロシア・ウクライナ戦争によるエネルギー危機の影響をもろに受けているようで、電気代がものすごくあがったり、物価がとにかく高くなっているみたい。旅行者としてはあまり実感しませんでしたが、実際、バスの料金(ロンドンは数ポンドでどこまででも乗れます)や地下鉄の料金が上がっていました。K&M夫婦は持ち家なのですが、ローンがすごいことになっている・・・と嘆いていたり、R姉カップルはつい最近部屋を借りたのですが、借りる部屋を探すのも一苦労(高いし空きがない)なんだそうです。

いいところだけじゃない、ロンドン

以前にロンドンに暮らして以来、天気や環境の悪さによってもう一生暮らすことはないだろう、と思っていましたが、今回の滞在でも改めてその気持ちに変化がないことが分かりました。

ロンドンは大気汚染がひどく、実際に街に繰り出した日は鼻の中がまっくろになります(たぶん、東京都心も一緒)。息を吸うのがつらい…。道にもゴミがたくさん落ちているし、街中にあるゴミ箱には分別されずに無造作に放り込まれたゴミに溢れている・・・。

車や大型バスやトラックもそこらじゅうに走っているし、パトカーや救急車の数も、半端ないです。そして、これらの緊急車両たちは、ものすごい音を立て、日本じゃ考えられないスピードで走り去っていくのです。。いくら大都会の東京でも、こんなにたくさんのパトカーや救急車を見かけたことがありません…。

人々のイライラ度も高く、よくクラクションを鳴らしています。歩行者やサイクリストと車のドライバーが小競り合いをしていたり、車がおかしなスピードで走るせいで野生動物が轢かれて道端に横たわっていたり。

お金がないと、めちゃくちゃ小さい部屋にかなりの額を払わざるをえないくらい、土地の値段が上がっているらしい(これは東京でも同じかな)。

ホームレスもたくさん見かけました。それも、若い世代からお年寄りのホームレスまで。電車内で小銭を集めているホームレスもいます。事実なのか偏見なのか、私には定かではありませんが、多くのホームレスはドラッグやアルコールの問題を抱えていて、お金をあげてもそれらに使ってしまうので、お金をあげるべきではない、ということを聞いたことがあります。

私もお金をあげる勇気もなく、無視していたのですが、そんな自分も嫌になります。無視して素通りする人々を見るのもつらいし、ホームレスなどの社会問題を気にかけているのに何もしない自分もとても嫌になります(BIG ISSUEを買うことくらいしか…)。こんな貧困と富の格差があからさまな街に暮らすことは、私にはできません泣。

イタリアのど田舎にはホームレスはいなく、国としてもイギリスと比べて全体的に経済的格差は少ないようです(R談)。もちろんトスカーナのど田舎なので、ホリデーハウスを所有するヨーロッパ人たちはいるし、彼らはいい身なりでいい車に乗って、夏しか訪れないどでかい家を維持するお金も持っている人たちですが、だからといって格差が目に見えるほどではありません。

総論:住むならイタリアのど田舎?ロンドン?

社会課題が多い分、解決したいと願う市民や解決を推し進める団体の数も多いのがロンドンです。レストランの支払いに少し上乗せして寄付できたり、チャリティショップ(市民が洋服や小物を寄付して、そこの売上がチャリティの運営費になる仕組み)がどこにでもあったり。そういう活動に触れる機会が多いのはロンドンのいいところでもあります。

私たちはそういう豊富なエンタメ&利便性の高い暮らしから降りた身なので、ロンドンや東京は暮らすのではなく、訪れるくらいで十分、という結論です。

イタリアのど田舎は、私たちの日本での暮らしよりはるかに田舎ですが、大自然へのアクセスがいいこと、空気がきれいなこと、広々していること、地元の季節野菜が安く手に入れられること、鳥と緑と青空に囲まれた生活ができること、など、私たちのQOLにとってより重要な要素に溢れています。

以前は、多様性にあふれた暮らしが恋しくなったりもしましたが、今回の滞在で改めて、人生において大切にしていることが何なのか、実感できました。

長くなりましたが、以上でロンドン滞在期は終了です!

ロンドンから帰ってきて数日経っているのですが、バタバタしていた全然まともに書けませんでしたが、これからまだ1ヶ月ほどイタリア滞在がつづきますので、気の向くままに現地の暮らしを届けていこうと思います。
(と言っても、今日からR父が私たちに会いにイタリア来る&私の家族も来週末にはイタリアへ来るので忙しくなること確実ではありますが…)

よろしかったらお付き合いくださいませ。






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