ヘッジホッグ=サンの話


ツイッターでも時々呟いてたけど、ヘッジホッグ=サンについての考察をまとめたいと思う。

まずヘッジホッグ=サンとはニンジャスレイヤー第2部エピソード、ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘルで出てきたアデプトハッカーニンジャで、ぶっちゃけやられ役である。

こいつをことさらピックアップする必要があるのか、と我ながら疑問に思うが、まあ世の中にはアルバトロス=サンについて延々と語っている方もいるので別に構わないだろう。

こいつがヘッジホッグ=サン


魔術師然としたフードを被りつつ重度のサイバネを思わせる昆虫めいた目つき、ハリネズミという名前からは針を物理的に活用するアルマジロ=サン改善みたいなものがまず浮かぶが、それを裏切る電子戦用のアンテナというギミックも興味をそそる。


だが今回彼をピックアップしたのはその特殊性からではなくその一般性、彼が平凡なハッカーであり魔術師、ジツ使いだからである。

ヘッジホッグ=サンが平凡であるからこそ、よく観察することで忍殺世界における魔術とは、ジツとは何かということがわかってくる。

ジツ型ニンジャの他聞にもれずカラテは弱い


彼の戦闘スタイルはシンカンセンの防衛システムをハッキングして攻撃させることである。これはニンジャスレイヤーに限らずサイバーパンクものに良くあるハッカーではあるが、忍殺においては特にジツ、魔術と同一視されている節がある。

要するにヘッジホッグ=サンはRPGで言う所の魔法使い、ウィザードであり、彼の防衛システムハッキングは攻撃魔法、その場にいる精霊なりと契約して魔術を行使するような行為なのだ。


そして特筆すべきは彼がシンカンセンのジェットエンジンをハックして炎を噴射させるという大技を出した時に、サイバー車掌を経由して行い、その度に車掌が減っていくことである。



これはヘッジホッグ=サンのジツがシンカンセン全体という「世界」と結びついている証であり、また車掌というモータルの命を「資源」として扱っていることを意味する。これは自分のカラテ以上の力を行使できるというジツの特徴であり、その際に足りないカラテ・リソースを外部から主にモータルの命という形で持ってくる、というニンジャスレイヤー全体に存在しているルールを示すものである。これは四部で主題となっているエメツ、アンコクトンという資源に通じる概念であるだろう。

また、ヘッジホッグ=サンの場合はシンカンセンの防衛システムハッキングという形をとっているが、結果として火が出ればそれは「カトン・ジツ」であり、その過程がどうであろうと問われない、ということも仄めかしている。モータルにとって正体不明の人間以上の存在が全て「ニンジャ」であるように、原理が不明であってもあるプロセスの結果火が出現するのであればそれは「カトン・ジツ」なのである。

 そして、ジツが資源を消費する行為である以上、考えなしに使っているとそのうち尽きるものであり、そうなると世界全体がロクなことにならなくなる、ということも示しているのだ。




ていうか記事書いてて気づいたんだけど、強引なハッキングで外からの観測にノイズが入る、ってこれ今四部でゾーイ=サンがやってることなんじゃないかな・・・





スシッ!スシヲ、クダサイ!