パーフェクトおばあちゃん
大掃除やおせち作りなど
年末はいつも忙しい。
仕事は休みなのに全く休めない。
年始になれば親戚がやってくるし
毎年の事とはいえ
長男の嫁ってつくづく面倒だ。
そんな事を考えながら
大晦日の夜遅くに黒豆を煮ていた。
お節料理は殆ど義母であるおばあちゃんが作ってくれるので
私の担当は筑前煮と黒豆くらい。
なのに心に浮かんでくるのはネガティブな事ばかり。
疲れたな。
面倒だな。
なんで女だけ料理しなきゃいけないんだろ。
ていうか今時おせちなんて買ってもいいのに。
子どもたちもそんなに喜ばないし。
伝統…大事なのかな。よくわからない。
こんなイライラしながら作っても美味しくできないんじゃないかな。
そこからはもう自己嫌悪。
二品作るだけなのに文句しか浮かばない。
私ってダメな母親だなー。
やっぱ田舎の長男の嫁なんて向いてないんだよな。
この先この家を継いでいくとか重すぎるわー。ムリ。
おばあちゃんはすごいなー。
「おばあちゃん」としてはパーフェクトだもんな。
…『パーフェクトおばあちゃん』
そこでふと気付いた。
ああ、そうか。
私のこの重々しいネガティブな自己嫌悪の感情は
私もいずれ『パーフェクトおばあちゃん』になる事を求められている…
ような気がする
という事に起因しているのかも。
「ような気がする」という所がポイントで
別に誰かに言われた訳でもないのだけれど
求められている「ような気がする」のだ。
それはつまり
「パーフェクトおばあちゃん」🟰「長男の嫁としてあるべき姿」である
という認識が他でもない自分の中にあるという事で
この令和の時代にそんな事を感じている自分にびっくりした。
いつからこんな保守的なマインドになっていたんだろう。
保守的な考え方が正しいかどうかという議論はさて置き
…いや、どう考えても私には無理。
無理なものは無理。
ていうか
私がそんな風になれるわけないって
周りはみんな気付いているよね…??
そう思ったら少し気持ちが軽くなった。
自分で自分に変な重荷を背負わせて
1人でイライラして
1人で落ち込んで
バカだなぁ。
そんな事を考えながら作った黒豆も
筑前煮も好評だったので
まず良しとしよう。
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