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プロジェクトの推進を阻む原因

こんにちは。「エールラボえひめ」ディレクターの泉谷昇です。
令和4年度も残りわずかとなりました。昨年6月にディレクターに着任してからこれまで、エールラボえひめでは40以上のプロジェクトが立ち上がりました。
と、言うことは「プロジェクトを立ち上げる動機(≒課題)」も40以上あったということになります。
 
「エールラボえひめ」では、プロジェクトの立ち上げ→加速化→ゴールまでを支援しています。現在、多くのプロジェクトが継続中ですが加速しているものもあれば鈍化、もしくは停滞しているものもあります。
そこで、私がこれまで各地で携わってきた経験から【プロジェクト(≒地域づくり)の推進を阻む原因】を挙げ、その対処法を紹介します。
「エールラボえひめ」の最終目的は【プロジェクトの自走】です、少しでも参考になれば幸いです。
 
【プロジェクト(≒地域づくり)の推進を阻む原因】で最も多い3つを挙げます。

プロジェクト(≒地域づくり)の推進を阻む原因

(1)仲間がいない

状況事例→活動を始めたい、加速したいが仲間、協力者がいない。どこにいるのか分からない。
課題事例→仲間や協力者がいないとプロジェクトは動かず加速せず、結果、目的を達成できない。
解決策例→一方的に仲間や協力者を求めるのではなく、先ずは自ら「誰かの仲間、協力者」になり、きっかけを作る。
ポイント→「誰かの仲間、協力者」になる際は、自分のプロジェクトに関係する活動がその後にも繋がるのでいい。

(2)活動資金がない

状況事例→プロジェクトの推進には「買う、借りる、依頼など」お金が必要な場面が多いが調達できていない。
課題事例→お金が不足すると、言い出しっぺの責任などから自己負担で身銭を切って消耗し、頓挫してしまう。
解決策例→寄付、会費、自主事業、委託、助成/補助という「お金の性質」を知れば資金調達はできる。
ポイント→どれほどのお金が必要で、どのように調達するか?の検討と組合せを間違えないようにする。

(3)時間がない

状況事例→地域の課題改善にプロジェクトを立ち上げたが、日々の忙しさに追われて、動かせていない。
課題事例→仲間・協力者も集まってくれたものの、進捗がないと不安感が増して熱が冷める、目的が達成できない。
解決策例→短い時間(例:30分)でも定期的(例:毎週)なルーティンワーク(例:情報共有)として組み込む。
ポイント→課題に気づく人の多くは地域への感度がいいので忙しい。“時間は創るもの”と意識しないと流れてしまう。
 
いかがでしょうか?実は私にも心当たりがある事柄で、陥りがちな罠とも思っています。
現状は条件や環境が整っていないことが当たり前と思います。
しかしながら、解決・改善策は必ずありますので、その糸口として自身のプロジェクトと照らし合わせてみてください。
 
そして、全体を見た時に【動機は明瞭なのにゴール設定が不明瞭】と感じたプロジェクトがありました。
この場合のゴールとは「解決・改善された地域」ですが、実はゴール設定は意外と難しいです。その理由は【未来を描いている】からで、誰にも明日のことはわかりません。
しかし、描いたのは解決・改善された地域であり、現在から未来へ確度を高めることはできます。

不確定要素の多いゴール設定を少しでも実現性のあるゴールにするために必要なポイントを2つ紹介します。

不確定要素の多いゴール設定を少しでも実現性のあるゴールにするために必要なポイント

(1)そのプロジェクトの受益者(ターゲット)は誰か?

誰の為のプロジェクトか?具体的な受益者の顔は見えていますか?と問います。性別や年齢層、ステータスではありません。具体的な人(達)で、その人(達)の笑顔や行動変容などを成功の条件とすることでプロジェクトは解像度が高くなり、ゴールはより鮮明化します。
ですから「どうして、このプロジェクトを私は立ち上げたのか?」と振り返り、動機のきっかけとなった事柄の解像度をあげてください。

(2)バックキャスティングというゴールから逆引き

ゴールが描けたなら、そのゴールへ“向かう(進む)”のが一般的な取り組み方ですが、別の方法としてゴールからの逆引き(バックキャスティング)もあります。
私はこのバックキャスティングを好んで活用しています。その理由は【工程(過程)に無駄がなく効率的】だからです。
ゴールからスタートへ一直線に工程を逆算することで各工程が達成しなければ“その先”へ進めない現実性があります。
 
いかがだったでしょうか?少しでも参考になったのなら幸いです。
では最後に「私自身が地域の課題」について思っていることを記します。
 
私は2002年に愛媛県に移住しました。
その際「愛媛の魅力を発信したい!」と思い、その手段として「フィルム・コミッション」という映画・映像作品を通して愛媛の魅力発信をしています。
20年以上、色々な作品に携わり県内外で話題になることも多くなった愛媛県と思いますが、時々感じるのは「無関心」という手強い意識(≒課題)です。
 
そして、この「無関心」は「想像力不足」が起因と分かりました。とはいえ、想像力不足の取り組みには無限の手法があり、終わりもありません。
そこでお願いです。どうか、地域や社会の“あるべき姿”を想像していただき、自分ができることは何か?それはプロジェクトを立ち上げることではなく「見守る」も協力や応援の一部です。
愛媛を昨日よりも今日、今日よりも明日と良くしていくには、一部の人ではなく全員で意識を醸成することが求められていると思います。
 
令和4年度エールラボえひめディレクター
泉谷昇

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