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20240202_ストーナーと、読書

・昨日の夜、彼が体調が悪くなり22時前にはベッドに入ったので、私も寝る支度をして目を瞑るとこまではしたんだけど全然寝れなかった。だからリビングに戻って本を読みました。

・最近毎日日付変わるまでパルワールドしてたからね、そもそもそれで体調崩したのかも。それか板チョコひとり1枚食べたからか、久しぶりにジム行ったからか、彼はそのあとピザまで食べたからか、全部かもしれない。

・読書すきではあるんだけど、本を読もう!と思って読むことがあまりない。得意ではないのかもしれない。嫌いとかではなく、本当に文字通り得意ではない。

・移動時間とか隙間時間とか待ち時間がいちばんいい。たぶん最高の暇つぶしなので、他にできることがあんまりないよ〜というときがベストではあるんだろうなと思う。家で何してもいいときに本を読むのは若干贅沢というか。

・関連して、前に会社のプレゼン?で読んだ本をいくつか紹介したとき、「会話の引き出しが多い理由はこの読書の幅だったんですね」と後輩に言われてびっくりしたことがあった。

・前提として、TPO的に意識して幅広いジャンルからいろいろ選んで挙げたし、そもそも後輩も気遣って感想言ってくれたのはわかっている、けど、言葉を選ばずにいうなら全然しっくり来なかった。

・まず第一に絶対私は会話の引き出しは多くない。たぶんだけど、いろんな本を読むから会話の引き出しが多いのではなく、いろんな本を読むような浅い好奇心を持つタイプなので、どんな話題にでも大体ある程度の興味をもって話を聞く、という感じだと思う。

・あと、私の読書は特にそういう風に役に立ったりはしていない。そういう読書をしていない。純粋に文章を読んでいるだけという気持ちがある。その証拠にというか、読後感がほんのり残るかどうかくらいで、内容はすぐにほぼ忘れる。

・役に立つというとアレだけど、血肉になるような読書をする人はすごい。単純に勉強として読む人もそうだし、小説でもエッセイでも、そこから何かを得られる人は、それは本当に尊敬する。わかんない、それこそが読書だったらすいません。

・私の読書もどきはマジでBGMのように音楽を聞いているのに近い。流れているだけという感じ。活字が頭を通過するだけ。もちろん言葉を知るとか知識を得ることもあるし、なんとなく心に引っかかる表現に出会うこともある。でもそれだってたまたま聞いたBGMでも稀にあるからな。

・まあとにかく褒められるような読書をしていないので、その後輩の言っていることはよくわかんねえなあと思ったから、思ったのに?、なんか記憶に残っている。

・だからひとりで夜更かしして、本を、しかもハードカバーの小説を読むぞ!となったらちょっと緊張してしまった。

・それでとうとう、ストーナーを読了した。夜中3時。なんだかんだで3時間以上没頭した。おなかがすいていたけど歯磨きもしたあとだし、水だけをめちゃくちゃ飲みながら。

・こういう、ハードカバーの長編小説を最後に読んだのはいつかわからない。しかも翻訳されたものなんて、自分にとって不安だらけだったけど、とにかく読むのは全然大変ではなかった。

・読む前からわかっていた通り、大したことは起こらない1人の人間の人生の話だった。一瞬のことをすごく丁寧に描写したり、大事そうなイベントをあっさりと書き飛ばすようなところは、翻訳モノらしさと同時にリアリティというか親密さも感じた。

・解説にもあったが、全体が暗い。著者は、このストーナーはたいていの人より幸せだというけど、それは人間は実はみんな幸せ論的な不自然さを感じる。悲しさはわかった。美しさはどうかな、不思議な読みやすさという点で小説としてのすごさは感じた。訳のすごさかもしれないけど。大したことが起こらない、それも1人のただの一生を飽きずに読ませ続けるのは文章としてのなんらかがとても優れている証拠ではあるはず。

・ただ時代も国も違う私が理解するための教養や経験がなさすぎるんだろうなと思った。こういう評価の高いものに触れたとき、感動を分かれずにちょっと落ち込む。その落ち込む暗さと、この本の暗さはなんだか似ている。

・単純に、オモコロ原宿さんのおすすめの本を実際に買ってみたこと(池袋のジュンク堂で、コメントがある帯付きのものを!)、ハードカバーの長編小説を久しぶりに読んだこと、長い文章を丁寧に時間をかけて(ほぼ今日一気に読んだけど、一応読み始めから1か月くらい経っている)、なかなかやらないひとりの夜更かしをして読んだこと、が、内容よりも自分へ何かを与えたような気がする。

・死ぬときのことを、死んでいない人が書くのすごいなと思う。初めてそういうシチュエーションを読んだかもしれないな。著者が本当に死ぬとき、あ、違ったわと思ったりするのかな。

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