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転職活動は仕事を続けながらするべき!!

転職活動をする前にみんなが疑問に思うこと


新たに何かを始めるときに、それに集中したいという理由から
今やっていることをストップし、新しい取り組みのみを行うことがあると思います。
例えばスポーツなどの習い事や勉強、ゲームなど。
転職活動をする際もその方がいいと思う方もいらっしゃると思います。
そこでこちらの記事では、実際転職活動をするなら現職を辞めてから転職をした方がいいのか、
それとも現職を続けながら転職をした方がいいのかについて
私の考えをお伝えしてまいります。

転職活動をするときは現職は続けながら一択

早速結論です。
転職活動を行うのであれば、現職は続けながら行った方がいいです。
転職活動を行う際に、現職を辞めない方がいいと思う理由は大きく2つあります。
1つは、「次の仕事を早く決めなければ!」という焦りから転職活動で大事にしなければならないことを無視してしまう可能性が増大してしまうため。
もう1つは、現職を辞めたとしても現職を辞めた時間を100%転職活動のみに集中することはできないためです。
これらの理由について詳しく説明して行きます。

何に焦る?

まず1つ目の理由について解説していきます。
そもそも焦るとは何に対してでしょうか?
焦るという感情は「不安」の感情です。
不安とは今や過去の出来事ではなく未来に対して起こる感情のことを言います。
転職活動においての焦りは、例えば
「次の仕事は見つかるだろうか」
「収入がなくなったら生活できるだろうか」
「収入がなくなったらどのように生活していこう」
「自分の家族をどのように養っていこうか」
などです。いずれも未来に起こるであろうことに対してどのようにしたら良いかという不安から来る焦りです。

現職を辞めてからのお金の消費のスピードは実際どんな感じ?

では実際に簡単なお金の計算を行い、退職後のお金の消費スピードを予測してみましょう。
今までの仕事の給与の手取りを25万円だとします。
1ヶ月の支出の内訳を
・家賃8万
・携帯代1万
・光熱費+インターネット代1万
・飲食代5万
・買い物代2万
・その他(デート、美容代、娯楽など)3万
だとすると合計で20万円の支出であり、5万円を貯金できます。

しかし退職した後は25万円の手取りはもちろんないため、
毎月20万円の支出-①のみが約束された状態になります。

もし次の職場が決まった際に引越しを伴う際、
・家を探したり転職活動中の移動費5万
・次の家に住むための初期費用40万円
・引越し代15万円
合計で60万円の支出-②となります。

仮に退職するタイミングで100万円の貯金があったとした場合、
100万- ②60万=40万
の残金となります。
そこから毎月20万円の支出-①がありますので
現職を辞めてから2ヶ月後には貯金がなくなります。

転職を始めて1ヶ月や2ヶ月で次の職場が決まる方も当然いらっしゃるかと思いますが、
3ヶ月以上かかる方もいらっしゃるのも事実です。
さらに次の職場が必ず決まるという保証はどこにもありません
これらの理由から、転職活動をする前に現職を辞めることは焦りに繋がってしまうのです。

転職活動で大事にしなければならないことって?

皆さんは転職をする際に「なぜ転職をするのか」を考えるはずです。
勤務地や人間関係や待遇、ワークライフバランス等の改善や
もっと自分の強みを活かせるステージに行きたいと思い、
転職に踏み切ると思います。
転職の目的は、現職では実現することができないことを転職によって実現することです。
しかし先ほど述べた焦りから、本来であれば手に入れたい転職によって手に入る改善が、
早く転職活動を終わらせなければという想いにすり替わり、
「転職活動を終わらせること」が転職活動の目的になってしまう可能性があります。
これは時間とお金と労力を無駄にしてしまうので非常にもったいないことです。

転職活動で大事にしなければならないことを無視してしまう可能性ってどういうこと?

皆さん、妥協効果という言葉をご存知でしょうか?

妥協効果(compromise effect)とは、選択肢の組み合わせの中において、極端な選択肢よりも中庸な選択肢の方が魅力的に感じられるという現象である(「妥協効果に及ぼす時間的距離の影響」著者 鈴木修司、引用 北海学園大学経営論集, 8(3/4): 11-18、発行日 2011-03-25)

例えばご飯を選ぶ際に、
1000円、800円、500円のものがあった際に
800円のものに魅力を感じそれを選んでしまうというものです。

これを転職活動に当てはめて考えてみましょう。
転職において大事にしたいことランキングを
1位:ワークライフバランス-①=5点
2位:勤務地-②=3点
3位:年収-③=1点

とします。
つまり一番内定をもらいたい会社の条件は上の3つの条件をその優先順位で叶えることができるかどうかです。

転職をするうえでその会社に備わっているものの
1位を2倍、2位を1.5倍、3位を1倍
かけるものとします。

一番最初に内定をもらった会社に備わっている条件が上から

1位:勤務地-②=3点×2
2位:ワークライフバランス-①=5点×1.5
3位:年収-③=1点×1
→3点×2+5点×1.5+1点×1=合計14.5

次に内定をもらった会社に備わっている条件が上から

1位:年収-③=1点×2
2位:ワークライフバランス-①=5点×1.5
3位:勤務地-②=3点×1
→1点×2+5点×1.5+3点×1=合計12.5

なお理想の条件は

1位:ワークライフバランス-①=5点×2
2位:勤務地-②=3点×1.5
3位:年収-③=1点×1
→5点×2+3点×1.5+1点×1=合計15.5点

です。

しかし先ほど述べたように、未来に対する焦りの感情から「早く次の仕事をしなければ」という目的のすり替えと妥協効果により
最初に内定をもらった会社に転職を決めてしまう可能性があるということが言えるのです。
本来であれば転職で実現したかった改善を妥協することになるので
これも非常にもったいないことです。
以上が現職を続けながら転職活動をしたほうがいい理由の1つです。

なぜ転職活動にのみ集中することができないのか?

次にもう一つの理由の、
現職を辞めたとしても現職を辞めた時間を100%転職活動のみに集中することはできないということについて解説をしていきます。

一日の中で何か選択肢を迫られ決断をしなければならないことが多いと
脳が疲れるという話があります。

コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授が、著書『選択の科学』でウィルパワーに関する実験を紹介しています。あるスーパーの試食コーナーに、24種類のジャムをそろえた週末と、6種類のジャムをそろえた週末の売り上げを比較しました。すると、ジャムの種類が多い週末のほうが多くのお客さんが立ち寄ったものの、最終的にジャムを購入したお客さんの数は、種類が少なかった週末のほうが10倍ほど多かったのだとか。(「STUDY HACKER」https://studyhacker.net/heighten-concentration、Yuko、2019年8月27日-①)

上記は商売における選択肢と脳の関係を表した一例です。

人は選択肢が多いと、ウィルパワーを消費してしまいます。スティーブ・ジョブズ氏は、洋服選びに決断のエネルギーを使わないために毎日同じ服を着ていたことで有名です。ジョブズ氏は、意識的にウィルパワーの消費を防いでいたのかもしれませんね。(同上①)

こちらのお話は有名かと思います。

さて、それらを踏まえた上で仕事がある場合とない場合で
1日の中で何に時間を費やすかを簡単な表にまとめました。

スクリーンショット 2022-01-25 17.13.07

上は仕事がある場合のグラフであり、
下が仕事がない場合のグラフです。

スクリーンショット 2022-01-25 17.13.15

その他の時間をどのように使うかは人によって変わると思いますが、
少なくともその他の時間に多くのことを考え、
やるやらないを決めるという工数は発生します。
そしてやると判断した場合、徐々に脳は疲れていき集中力が削られていきます。
さらに、退職後の転職活動はその他の時間が多いため、
「まだ時間あるし後で転職について考えよう」であったり、
「明日でいっか」と言って、転職活動を後回しにしてしまうかもしれません。
そのような意味で今まで仕事に8時間を費やしてきた時間を、
100%転職活動に費やすことはほとんど不可能なのです。

もちろん仕事をしているときは転職活動はできませんし、疲れます。
しかしほとんどの場合、細かな業務内容は日々変わるかもしれませんが、
ルーティンワークも多いことも事実です。
朝起きて歯を磨くかどうかを考え「んー、今日は磨かなくていいや」と判断する人が少ないのと同じように、
仕事中も無意識的に当たり前のことを毎日やっていることがあるため、
そういったことは脳への負担は少ないかと思います。


以上のことから、
もし転職活動をするのであれば、
現職を続けたまま活動をすることをお勧めします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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