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方法論ありきではなく目の前の方を見て

1696文字あります。個人差はありますが、3分〜4分程でお読みいただけます。

よこはま発達相談室の佐々木です。
今回は「みんなで考える発達障害支援」というオンラインサロン内で配信している動画の紹介です。note版のオンラインサロンはコラムだけですが、Facebook版では毎月初めにゲストをお招きして1時間ほど対談をしており、その動画と音声をサロン内で限定配信しています。ただ、全体の数分程は無料版としてYouTubeで公開しており(ページの一番下にリンクを載せておきます)、今回は無料版の動画のテキストを残していきたいと思います。

なお、今月のゲストは自閉症eサービスの真船亮さんです。

職場(チーム)で大切なことは?

真船亮さん(自閉症eサービス)

それぞれの職場の方針もあると思うけれども、職場の中で役割分担をしていくことが大切かなと思います。

全部を一人で担うのではなく、頼れる仲間がいること、任せることができることも重要です。

抱え込み過ぎずに役割分担していくことが、支援者でも親御さんでも大切で、それがチームとしてうまくいく支援になっていくと思います。

そういう職場ばかりでないけれども、その場合にはどうすれば?

自分一人ですすめて、チームとしての方針がバラバラだと厳しい。

「じゃあ何からならできるか?」
それも含めてよりベターなものはなんだろう?とそこまで考えることが大切です。

「やってよ」と思うこともたくさんあるし、難しいこともあると思うけど、相手には相手の考えがある。

グーとグーでぶつかっていても話が進まないので、自分がパーになったり、チョキになったりしながら柔軟にやっていくことが大切じゃないでしょうか。

支援の中で誤解されていると感じることは?

見通しは安心につながるし、コミュニケーション支援も大事。でも方法論が先走ってしまうと本質が変わってきてしまう。

なんで見通しを伝えるかというと、安心できるように。時間の予測や先のことを組み立てることが苦手な方が多い。また、一つ変わると崩れてしまう方もいる。だからこそ、見通しが大切なんだけれども、考えて伝えないといけないと現場ではすごく思う。

例えば、明日の外出が中止になりますというのがあったとします。普段はスケジュールで中止が受け入れることができていても、楽しみな外出となると受け入れ難いこともある。ご家族と外出する場合もあるし、そのなると人も違う、場面も違う、時間的なずれもある。その中で伝えても本質が伝わらないことがある。なので、事前に絵カードを作って写真で中止を伝えて、この日に行けますと伝えてもうまくいかないことがある。

少し労力がかかるかもしれないけれども、一緒にお店まで行って「今日は閉館ですね」と見ればわかるし、納得する人もいる。そうではなく、違うことをしている、違うことを考えている状況で、いきなり「明日中止です」と伝えられても、処理が追いつかない。そもそも情報量が多すぎて拾えないことも多々ある。
 
だからこそ、中止を伝える、見通しを伝えるという時には、
・どういう理解の仕方をしていて
・どれくらいの情報なら伝えても大丈夫そうか

それら把握して伝えていかないと、先の予定だけを伝えても、より不安になるし、よりパニックになることもあるんじゃないかなと思います。もちろんその場で見通しを伝えた方が落ち着くことも多いけど、全員がそうじゃない。誰が、どうやって、どの場面で、どんな言葉がけがいいのかを考え必要があるんじゃないかなと思います。

例えば、「新しい仕事しよう」は嫌だけれども、「お手伝いして」ならいいよという人もいたりします。

伝え方一つで違うし、簡単に伝えた方が受け入れられることもある。方法論や知識に縛られすぎるのではなく、目の前の利用者さんをちゃんと見て、対応を考えていくことが大切です。

以上が、無料版になります。
真船さんとの対談のフルバージョンは「みんなで考える発達障害支援」の中で配信しております。ご関心ある方は下記より詳細をご確認ください。

真船さん、今回はお忙しい中貴重なお話をありがとうございました!

よこはま発達相談室
佐々木康栄


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