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自閉症の方々の魅力について語ろう

この記事は、3,854文字です。個人差はありますが、6分〜9分ほどでお読み頂けます。

よこはま発達相談室の佐々木です。4月2日は世界自閉症啓発デーであり、4月2日〜8日までが発達障害啓発週間になっています。この1週間はそれに関連するシリーズでお届けしています。今回は「柔軟な発想で支援を」がテーマです。

新しい視点を教えてくれる存在

今日、どうしても先生たちに聞きたいことがあって。先生たちを見ていると、自閉症の方々、発達障害の方々が本当に好きなんだなって思うんですよね。楽しそうに仕事されているなぁと思っていて。先生たちから見た時の、自閉症の方々の魅力ってなんなんだろうなっていうのをお聞きしたいなと思うんですね。

ぼくなんかは、自分にはない視点を持っていたりとか、新しい価値観に気づかせていただいたりとか。誠実な方も多いし、話をしていても居心地がいいなと思う時もあって、自分にはない魅力をたくさん持っているように思うんですね。宇野先生はいかがですか?昔からキャンプなども一緒にされているじゃないですか。

準備なく結構大きいテーマを(笑)。すごく生き生きとしているなと思うんですよね。自分の信念みたいなものを持っていて、それが魅力だなと思っていて。ぼく自身もそうありたいなと思いますし、そういう考え方でいいんだって自分の中で再確認できるので、すごく助けられているっていうんですかね。(一緒に)居てすごく居心地がいいですし、そういうところが魅力だなと思って。それをもしそうじゃない気持ちが出たときに応援できれば嬉しいなと思いますし、あるいは周りの人たちにも「そういう生き方ってすごくいいよね」って伝えていけるといいなと思ってですね。それで臨床だったり、啓発だったり、そういう仕事をしていて、それがぼくにとってのQOLを上げる一つになっているなと思っています。

宇野先生は、本当に楽しそうに話されますもんね。

元々そういう活動をしていて、(自閉症の方々に)はまっていったというのもあるので。(大学生までは)正直、自閉症のことは、良くも悪くも何も知らなくてですね。偏見もなければ知識もないというまっさらな状態で。子どもたちとキャンプしたり、楽しめる活動があるんだけどと誘ってもらって、行ってみるかと思って。そしたら自閉症のお子さんだったり、ぼくより年上の方々もいましたけど。そこで一緒に活動して、だんだん面白くなってきて。

やっぱり、なぜ?というのが多いんですよね。なんでオウム返しするんだろうとか、なぜこんな動きするんだろうとか、なぜこの時こうなんだろうというのが多くて。ネガティブな気持ちはなくて、純粋にもうちょっと知りたいなって。どうしたらお互いに心地よく過ごせるのかなって。なぜ?という気持ちがあって、だんだんハマっていって、学生の頃に、医療の世界では横浜の方に(専門の)クリニックがあって、そこにいくと色々勉強ができるみたいだという情報を知ってですね、そこから(よこはま発達クリニックに)出入りさせていただいて。

そうすると自分の中の、「こうしたらいいかな」と感じていたことが学問的につながってきて、佐々木正美先生のお話もそうですし、TEACCHの話、ローナ・ウイングの先生のことを内山先生から伺った時も、自分の中で漠然とあった自閉症というのが整理されてですね。学ぶって、自分の頭の中を一度きちっと整理し直して、そして次にその方々とお会いするときにもっと整理してお会いできるなと実感してですね。現場も好きだけれども,あわせて学ぶというのも大事にしていきたいなと思っているのが学生の頃のぼくですね。今もそれをキープできていると嬉しいなと思うんですけれども。すみません、ぼくの体験みたいな話になってしまいましたけど。

魅力を感じながらずっとやってきて、気がついたらアラフィフになって(笑)
ぼくなんか、内山先生、宇野先生には学生の頃から色々なことを教えてもらって、自閉症の方々の魅力に気がつかせていただいて。学問的にも、「こんなやり方もあるんだよ」という技術的なところも教えてもらって。内山先生はいかがですかね?

そうですね。本当に最初の頃はね、本から入ったので。精神分析的な本から入って、「そういう子どもたちがいるんだ」と思って。梅ヶ丘病院、今はなくなったけどね。当時の専門病院に行って、実際の自閉症の子を見たり、中根晃先生の本を読んだりしていると、自閉症のことが誤解されているなって、母親が悪いとかね。でも実際に見ていくと、一つは誤解されているのでお母さんが不当に責められていてひどいと思ったのが一点と、なんでこの子は喋れないのに文字が読めるんだろうとかね、なんか不思議だなと思って。それが興味関心の始まりですね。

TEACCHに行ってからは、構造化とか視覚支援とかすると行動がまとまったりするので、薬とかは効果ないけど、こんなに構造化っていうのは効果がある子には効果あるんだって。典型的な自閉症の子にはハマっていくわけですよ。やりがいというか、反応がいいのが楽しかったですね。それで、だんだんと高機能の方が臨床に増えてくると、「そういう見方もあるんだ」「こういう風に見えているんだ」というのが、まぁいい意味で面白い。それで話していると、「そんな風に見えるんだ」と楽しくなって。そういう意味では楽しい時間も持てるし、それがあんまり世間に理解されていないので、高機能の人もそうでない人もやっぱ誤解されている人が多いから、その誤解をなんとかしなきゃっていう使命感でもないけど、誤解されているのも嫌だから発信しようと思った。あと一緒にいると楽しいし、手応えがあって、それが面白さかもしれないね。

いつの日か啓発デーがいらなくなることを目指して

やっぱり内山先生も、宇野先生も「知りたい」というのがあったんですね。
ぼくなんかは、先生たちに比べるとまだまだ知識だけじゃなくて、経験もないですけど、わからないことが本当に多いなと思っていて。ここまで話をさせていただきましたけど、全部自分ができているかと言われれば疑問だなと思うし、自分の中でやってきたことが、(当事者の方やご家族、支援者の方を)傷つけてしまっただろうなと思うこともあって。

これは正解があるわけではないので、面白いなと思う、もっと知りたいな思う部分もあったり、一方で、余計なことをしちゃってないかなとか、(関わることで)かえって嫌な思いをさせていないかなとか、怖さもあって。だから、そこがいつも支援者としては気をつけないといけないと思うところでもあるし、難しいなと思うところでもあるんですけど。それもまた「いやいや、そういう考え方じゃなくて、こんな見方をがあるんだよ」と教えてくれるは当事者の方々やご家族で。ぼくらは、立場が違うだけで、人としての優劣があるわけじゃないじゃないですか。立場が違うだけで、人としての価値が違うということは全くないと思いますから、そこはフェアに、そして学ばせていただきながら、その中でぼくらが何か少しでもお役に立てることがあればと思って、ここまでやってきました。これからも、我々のグループとしても、そうした思いで皆さんと一緒に考えながらやっていきたいなと思っています。

ぼくらとしては、啓発デーだからこういう発信しようというわけではなくて、一つのきっかけではありますけど。この1年を通じて、できる発信、色々な取り組みをしていきたいと思っています。

児童発達支援(よこはま発達サポートルーム)だったり、あるいは仲間を作るコミュニティだったり、そして普段の臨床はもちろんですけど、色々な形で日本の自閉症の支援に貢献できればと思っています!最後、内山先生締めの言葉を!

自閉症啓発デーにあわせて、自閉症協会で「Happy with Autism」というTシャツを作っています。締めの言葉?挨拶は苦手なんだけど(笑)

啓発デーがいつかいらなくなる日がくるといいなと思っています。本当に。でも、今はまだまだ必要なので、臨床はもちろんだけれども、啓発、研究、どうすればいい支援ができるのかというのを勉強していきたいなと思っています。こうした仕事は始まりはあるけれども、終わりはないので。ぼくはアラセブンティで、アラエイティになっていきますけど(笑)、30代、40代、50代、色々な人たちが続いてくれるといいなと思っています。ありがとうございました。

以上で、この啓発週間シリーズは終了となります。
最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました!

これからも、我々のグループとして、日々の臨床はもちろん、啓発のための発信活動もしていきたいと思っておりますので、これからもどうぞ宜しくお願い致します!

よこはま発達相談室
佐々木康栄

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