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「権利主張は義務を果たしてから言いなさい」がいまどきの社員に通用しない理由

モンスター社員という言葉があります。
文字通り、モンスターのように自分の主張ばかり通そうとする社員のことです。

そんな社員に対して「権利主張は義務を果たしてから言いなさい」なんて言っちゃっている経営者や管理職、少なくないですね。
でも、ほぼ無意味です。
そんな薄っぺらい言葉で改心しません。むしろ、モンスターではない一般の社員が不満を抱く可能性すらある危険な言葉です。

「じゃぁ、会社はきっちり全部の義務を果たしているんですか?」
こう言われてしまったら、反論できなくなる会社が多いからです。
むしろ、「権利主張は義務を果たしてから言いなさい」と言っちゃうような会社は高確率で、本来の義務を果たしていないというのが私の持論です。

企業の義務を果たしていないというのは、つまり、コンプライアンス違反がある会社ということです。
例えばこんなケースが当てはまります。
 ・有給休暇の取得申請の際、理由を聞いてくる
 ・残業時間を1分単位で支払っていない
 ・退職後の同業他社への転職を禁止している
 ・退職代行を使用しての退職を禁止している

やっている企業、少なくないですよね。
でも、実際はこれらは違法または企業が実行(または禁止)する根拠がありません。
完全に企業側の都合で社員の行動を制限しているわけです。

以前は労働関係の法律に詳しい社員というのは人事など一部に限られていましたが、今はネットで検索すればいくらでもわかる時代です。
さらに、SNSには企業がよくやっている禁止行為が紹介されています。
必然的に、企業が義務を果たしていないことに社員も気付きます。
そうなれば「権利主張は義務を果たしてから言いなさい」と言っても説得力がありません。だって、企業側が義務を果たしていないんですから。

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