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なぜオヤジギャクはコミュニケーションの潤滑油にならないのか?

オヤジギャクはセクハラ、パワハラになるなんて話しもありますが、それでも連発してしまう人もいるオヤジギャグ。
その発言で場の雰囲気が和み、コミュニケーションが円滑になるのなら良いのですが、多くの場合はそうはなりません。

オヤジギャグを発している本人はコミュニケーションの潤滑油にするつもりでも、実際には関係性を錆びつかせているだけなんてこともあります。
なぜそんなことが起きるのか、キーワードは「権威性」です。

そもそもオヤジギャクとは何か?

オヤジギャグの明確な定義はわかりませんが、ここではとりあえず「組織内の役職者や年長者が言うちょっとしたギャグ(大概、おもしろくない)」くらいに考えてください。

なぜ年長者や役職者ほどオヤジギャグを言うのか?

さて、先ほど冒頭で「権威性」というキーワードをお伝えしました。

オヤジギャグの発信側は年長者である自分がちょっとつまらないギャグを言うことにより、権威性を下げることを狙っています。

権威性を下げるというと誤解を招きますが、その心理は「責任あるポジションにある僕ちゃんだけど、実はおちゃめなところもあるでしょ?」という考えでしょう。文字にすると気持ち悪いですね。

つまり、オヤジギャグを発して自ら道化の役割を果たすことでメンバーの緊張をほぐそうという涙ぐましい努力なのです。そのため、オヤジギャグはつまらない、笑えないネタの方が適しているのです。

間違って「うまい!」なんて言われたらオヤジギャグを発する目的から外れてしまいます。

発信側と受信側でズレる認識


では、オヤジギャグを受信する側はどうでしょうか?

受信側にとっては、どれだけつまらないギャグであっても、組織内で権威ある人間を笑うのは憚られます。組織の風通しを良くしたいと思っていても、上長を笑ったために評価を落とされたのではたまったものではありません。

結果的に受信側は「これ、笑っていいのかな?いや、笑わなきゃいけないのかな?」と様子を見るわけです。

オヤジギャグ成功のカギは権威性を捨てきれるかどうか

組織のメンバーが「コミュニケーションを円滑にしたい」と思うのは自然なことです。

組織の長や年長者がそのために自ら道化になることも時には有効な方法の一つだと思います。

ただし、道化になるなら徹底すべきです。ある時は権威をかさに着て、またある時は道化を演じるのでは組織のメンバーは混乱してしまいます。

普段から親近感のある人のギャグなら受け取り方も変わるのでは?

オヤジギャグがコミュニケーションの潤滑油になりにくいのは、結局はオヤジギャグの発信者側が普段は権威をかさに着た人間だからではないでしょうか。

普段からフラットな関係で、コミュニケーションが円滑な状態なら、ちょっとしたギャグで周囲も受け入れてくれるはずです。

同じような「組織内の役職者や年長者が言うちょっとしたギャグ」であったとしても、周囲の受け取り方は変わると思うのです。

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こちらの記事はカイラボのメルマガVol.420(2021年8月11日発行)のコラムの内容を一部編集したものです。

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