見出し画像

漫画「伝説のお母さん」が控えめに言って感動的な良作だった

ネット上で見かけてタイトルだけは知っていた「伝説のお母さん」。Kindle unlimitedの対象になっていたので、ダウンロードして読んでみました。
電車の中kindleで読んでたんですが、ちょっぴりうるっときました。

タイトルと絵の雰囲気からネタ系の漫画かと思っていた(実際、ネタ要素は多い)のですが、ストーリーもメッセージも想像以上に感動モノでした。私は母親を亡くしているので、こういう内容に弱いということを差し引いても感動作です。

ネタバレがないようにストーリーを紹介します。

かつて魔王を封印した伝説の魔法使いが結婚、出産したところに魔王が復活し、王様から魔王討伐の命令がくだります。しかし、伝説の魔法使いは魔王討伐に行くことができません。なぜなら保育園に空きがなく、子どもを預けられないから!


という、なんとも突拍子もない設定から始まります。
ふざけた内容に思えますが、待機児童問題、女性への偏見やプレッシャー、男性の育児参加、時短勤務への圧力、専業主婦の価値や意味などなど、今の日本が抱えている問題を風刺しながら物語が進んでいきます。


仕事柄、企業の経営者や人事担当者とお話しする機会が多い私ですが、ワークライフバランスやダイバーシティ推進はまだまだ企業では進んでいないと感じます。

都心の大企業は少なくとも名目上は進めていますが、地方の中堅企業ともなると昭和の時代感覚のまま止まっている人が人事責任者をやっているなんてことは珍しくありません。やる気はあるけど進んでいないのではなく、必要性すら感じていないのです。

やる気があるけどやり方がわからないならやり方を教えればいいのですが、そもそもの必要性を感じていない状態から必要性を感じてもらうのはなかなか大変です。
必要性を感じない理由は様々です。問題を身近に感じない、自分なりのやり方で過去に成功した、取り組んでもメリットがないと思っているなどなど。さらに、必要性を感じていない人に正論で反論しても無意味なことは多々あります。


そんなときに「伝説のお母さん」はなかなか効果がある気がします。
今の40歳以下の男性の多くは小さいころにRPGにハマった経験があると思うので、漫画内で出てくる言葉の意味やギャグも理解しやすいと思います。

「伝説のお母さん」をワークライフバランス推進の参考図書にした方が、コンサルタントが入ってワークライフバランス推進します!とかよりもよっぽど企業のワークライフバランス推進やダイバーシティ推進に効果があるんじゃないかと思うのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?