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MarkIIの鼓動

 前回初心者に向けてカメラを買えという記事を書いてから1年以上経過していたので久々に投稿してみることにした。今回はCANONの新型ミラーレスカメラEOSM6MarkIIを購入したのでそのレビューである。

EOSM3

 EOSM6MarkII入る前に、まずは今まで使ってきたEOSM3をおさらいする。

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 EOSM3は2015年3月26日に発売されたミラーレスである。それまでのMシリーズと言えば激遅オートフォーカスで有名な純然たるお散歩カメラであり、それでも風が吹いて花が振れるとピントが合わせられない産廃モノであった。

 そこにやってきたM3はダイヤルを過不足なく揃え、オートフォーカスも我慢できなくもないという割合バランスの取れたモデルであり、キャノンお得意の温かみのある絵作りも功を奏し、市場で一定の位置を占めることに成功した。特に激安パンケーキレンズのEF-M22mmやお手軽高性能広角レンズEF-M11-22mmとの組み合わせが人気であり、普及を後押しした。

 しかしながら、まだまだ他メーカーと渡り合うには小粒でもあった。一例を上げれば、約一年前の2014年3月14日ソニーが発売したα6000は、ファインダーや秒間10コマ以上の連射、素早いオートフォーカスなどを併せ持ち、2019年でも未だにロングセラーを続ける怪物であった。富士フィルムやオリンパスなどのメーカーも特にミラーレスに力を入れており、M3の力は未だエントリークラスの粋をでないものだったのである。

 その後、2016年から2017年にかけてEOSM5、EOSM6といった上位機種が現れるに従って、旧式化したM3は5万円程度でカメラを始められるお手軽キットとして認知されていった。自分がM3を手に入れたのもその流れであった。

EOSM6とEOS KISS M

 2017年初頭に発表されたM6は前述したα6000等に脅かされつつも、オートフォーカスを特に力を入れて更新したお陰で定番カメラの仲間入りを果たすことができた。レンズ数の不足という向かい風はあったものの、弱点を克服したM6は老舗CANONのポテンシャルを発揮し、橋頭堡を築くことに成功。

 2018年初頭に続いたEOSKISSMは極めて良好な売れ行きを示し年間販売台数1位を獲得。オリンパスやソニーから一般家庭用カメラの地位を奪還することに成功した。

 そして満を持して登場したのがEOSM6MarkIIである。

EOSM6MarkII

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Mシリーズは次のように分類される。

1.高級モデルのM5系列

2.中級モデルのM3-M6系列

3.初級モデルのM1-M2-M10-M100-M200系列

4.番外というか未だ立ち位置のわからないKISSM

 名前からするとM6MarkIIは2番の中級モデルに見えるがそれは違う。どちらかといえば"M5の後継機種からファインダーを取り外したもの"である。

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 画像はM3とM6MarkIIを並べたものである。比較すれば一目瞭然であるが、想像以上にM6MarkIIは大きい。横幅は1cmほど伸び、グリップも深いものに変更されている。露出ダイヤルはより多目的に使えるように進化し、シャッターボタンも地味に角度が急になり、上からではなく前側から挟み込むように押す形に近い。より大型のレンズでもしっかり対応するという覚悟の現れである。

 スペック面での進歩も大きい。オートフォーカスに難があったM3とはピント合わせの速さはもちろんのこと、その追随性検知力はもはや別物である。例えばM3は暗所に弱く、薄暗い居酒屋などですら迷う場面があった。しかし今や真っ暗な夜道で見かけた猫などでも確実に検出、即座にピント調整、逃げ出してもサーボAFで離さない。ただ暗所ノイズ耐性自体はM6比で画素数が上がったためにトントンといったところ。ISOは6400ぐらいであらが見えるので過信は禁物である。

 前述したとおり画素数が3250万画素になり、トリミング耐性は向上している。データ量の増加はC-RAWで抑え込むという方針のようだが、容量が削減できても現像にかかる時間は削減できないのでパソコンに掛かる負担は増える。妥協してjpeg撮って出しやパソコンのリプレースを検討も視野に入る。

 他にもUSB-Cに対応したことからデータの受け渡し・充電も簡略化されたが、PD対応アダプタでないと充電できないのは要検討。どんなアダプタでも一応低速充電はできるようにしてほしかった。

EOSM6MarkIIに求めたもの

 今回M3からの切り替えではあったが、画質の向上は目的ではなかった。導入にあたって最も重視したのはオールラウンダーであることである。

 ・風景でも人物でもスポーツでも一台でこなせること

 ・屋内でも屋外でもピントが合うこと

 ・一眼レフではなし得ない可搬性を持つこと

 これらを一言で言えば"チャンスを逃さないこと"である。

 ・ピントが合わなければシャッターは切れない

 ・せっかくシャッターが切れてもノイズが入れば台無し

 ・そもそも持ち運べなければ存在しないのと変わらない

 M6MarkIIは同時発表されたスポーツ向け一眼レフ90Dと同等のセンサー・エンジンを積み、多くの一眼レフを超える性能を持っている。

 あらゆる場面でピントを合わせられ、プレ連射機能で一瞬一瞬を逃さない。にもかかわらずレンズを含めたシステム全体のサイズは極めてコンパクト。必要となれば旧来の大型レンズに換装することも可能である。

 弱点がないわけでもない。ソニーは相変わらずより高いスペックで市場を席巻しているし、オリンパスも可搬性では一段上。同じCANONでもEOSRシリーズのような将来性の高いシステムが立ち上げられている。レンズの数もまだまだ少ない。

 しかし、それを補って余りあるオールラウンダー性、全てを過不足なく揃えられるということ、それがEOSRにもないM6MarkIIの最大の武器なのだ。

おまけ

 余談ながら、ガンダムの中で一番デザインのバランスが取れて格好いいのはガンダムMarkIIだと思う。初代のように合体ロボ的なデザインでもなく、ゼータやダブルゼータのような変形メカでもない。ファンネルのような凄い兵器が積まれてるわけでもなく、ライフルやサーベル、バズーカといったオーソドックスな兵装。ザクやスコープドックのようなミリタリーの極北でもなく、子供向けのトリコロールカラーでもない。あらゆる意味で"丁度いい"さじ加減なのが多分良いのだろう。

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MarkIIでMarkIIを撮るという洒落のためにこの記事を書きました サーモン

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