せっかく作った経営計画書が、書類の山に埋もれてしまう理由
時間をかけて作っても、その後見られることがない経営計画書があります。
なぜそうなってしまうのでしょうか?
■社員に説明していない
作った経営計画書を、社員に説明しているでしょうか?
経営計画書は分業の設計図です。
社長の机の引き出しにしまったままでは、そのうち忘れられてしまいます。
売上や利益の数字を社員に見せたくないというのであれば、
見せられるところまででよいのです。
売上と粗利益(売上総利益)、粗利益率だけでも良いと思います。
「分業の設計図」という、強い目的意識をもって作られた経営計画書であれば、
そもそも数字よりも、
・理念やビジョン
・ターゲットとする顧客
・提供する商品やサービス
・やるべきこと/やらないこと
がはっきり書いてあるはずです。
数字よりも、「なぜ」の部分が重要です。
もし、自社の経営計画書がそうなっていないのであれば、
何のために計画を作ったのか、もう一度見つめてみると良いと思います。
■理念や行動指針ばかり書いてある
経営計画書ならあります、と見せていただくと、理念と社員の行動規範、規則などがズラリと書いてあることがあります。
社員に毎朝、音読させています、と言われることもあります。
そういう意味では、使われているとは言えるかもしれません。
ただ、それで業績は伸びるでしょうか?売上、利益は増えるでしょうか。
もしそうなっていないのだとすると、少し理念に偏りすぎているのかもしれません。
江戸時代の偉人、二宮尊徳はこう言っています。
道徳を忘れた経済は犯罪であり、経済を忘れた道徳は寝言である
理念に偏りすぎると、儲けの部分がおろそかになってしまいますよね。
強い理念を持つことが悪いわけではありません。
会社は利益がないと、継続できません。
どうやって儲けるかを考えることは、避けて通れないのです。
是非、「経済と道徳」のバランスを取ることを考えてみてください。
なお、必要なのは利益ではなくキャッシュです、という人がいます。
間違ってはいませんが、利益がないとキャッシュは生まれませんのでご注意ください。
決算書の利益がキャッシュになるのに、時間差があるということと、
借入金の返済を賄えなえるぐらい利益が出ていないと、潰れますよ、という話です。
■とにかく長い
コンサルタントに作らせた計画書に多いのですが、とにかく分量が多い、というパターンがあります。
見るのがメンドウになる(笑)。
これだと、まったく意味がなくなります。
コンサル側から見ると、目に見えない「サービス」を提供しているので、成果として形にしておきたい、という心理が働きます。
立派なバインダーで装丁されていたりすることもありますね。
しかし、それが行き過ぎると、本棚の飾りになってしまうことがあります。
何度も言いますが、経営計画書は、分業の設計図です。
作ったときにはうまくいきそうでも、実際にやってみると想定外のこと起きる。
そんなこともざらにあります。
その時に、すぐに修正をかけて、もう一度試してみる。
こういうトライアンドエラーを繰り返しながら、精度を上げていくのです。
飾りではなく、業績を改善するための道具として使われないのであれば、時間とお金を使う必要ないですね。
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