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瓦解していく世界の中で。(2020年5月20日(水))
効率性を競い合う世界で中心を誇っていた都市が急速に瓦解している今、辺境の民としての我々も、「数字で比較してマウントを取ってみせる(あるいは数字で媚びてみせる)」世界から明確に距離を置いて、
それに代わり、やりとりの心地よさだったり安心感だったりといった、主観的信頼感(「縁」)を判断基準とする交易のありようへ舵を切らねばと、そのようなことを考え始めていた。
客観的公平性や参入機会の拡大といったことをある意味で捨てることにより、金や数字で人を殴ることを絶対に許さない「一見さんお断り(へんな人を紹介する人もお断り)」的路線をつくってしまおうと、私は決意していた。
部屋でそんなことを考えていると、ダナの「ユキ、ちょっと来て」と呼ぶ声が聞こえた。部屋を出てどうしたの?と問う私にダナは「お手紙よ」と封筒を渡した。
世界の中心がいまや誰に目にも明らかなほどの瓦解を始める、その前夜とでも言うべきタイミングで書き残していた、私の原点を語る小冊子の原稿が、制作をお願いしていた方から届いたのだ。