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<第1回>どれぐらいの期間で、どれぐらいの利益を獲得したいですか?

割引あり

新NISAが開始されて以降、国内外の株式相場の活況と相まって日本では俄かに投資ブームが盛り上がっていますが、みなさまはどんなスタンスで投資に取り組まれていますか?
小職のnoteでは、小手先のテクニックで利益を得ることよりも、投資や資産運用そのものに関しての説明に重点を置いて解説をさせていただきます。
特に、
「投資未経験なのでゼロから学びたい」
「まだまだ初級者なのでじっくり学びたい」
とお考えの方々のお役に立てるよう、本職では本物のプロ投資家 (生命保険会社・損害保険会社・アセットマネジメント会社・銀行・証券会社・超富裕層など) と20年超の期間にわたり向かい合ってきた私、『ファンドGメンである Nissie(ニッシー)』が可能な限り丁寧にお伝えしていく所存です。

まだるっこしく感じられてしまうかもしれませんが、投資を通じて経済や金融市場の仕組みについても無理なく理解してもらえるよう、
『難しそうなことを面白く学んでいただく』
を最重要事項としています。この姿勢に共感してサブスクライブ(購読)していただけたら、とても嬉しいです。
将来を見据えて投資をしている方々の一助になれれば大変幸甚です。


第1章 まずは心構え

さて、ここでタイトルの質問
「どれぐらいの期間で、どれぐらいの利益を獲得したいですか?」
と聞かれたら、みなさまはどう反応しますか?もしかしたら、多くの人が反射的に
「そりゃもう、短期間にできるだけたくさん!」
と返答するかもしれません。しかし、残念ながら無条件で、もしくはノーリスクで多額の利益を投資から得ることはできません。難しいというより、不可能なのです。
例を挙げると、10%の利益(リターン)を期待できる商品には、10%の損失(ロス)が発生する可能性が内包されていると言えます。さらに言うと、1.5倍(50%の利益)になるかもしれない商品は半分(50%の損失)になる可能性も同じ確率で起きると言えます。正に、<ハイリスク・ハイリターン>なのです。
みなさまには是非とも、
・ハイリスク・ハイリターン
・ミドルリスク・ミドルリターン
・ローリスク・ローリターン
ということを大前提として、投資におけるゴールを設定していただきたく思います。

繰り返しになりますが、大きなリターンを得るには大きなリスクを取らなければなりません。余剰資金に恵まれているために大きなリスクを取れる方や、大きなリスクを取ることに関して当初から腹を括れている方にとっては余計なお世話かもしれませんが、小職がこんなにもしつこくお伝えしている背景には、
「こんなに大損するなら投資なんてしなければよかった!」
「新NISAとかっていう国の陰謀に騙された!」
という顛末に至ることを避けていただきたいという気持ちしかありません。
(さらに言うと、不正確な情報を発信しているマスメディアや有名YouTuberへの不満と、それらに揺さぶられないでもらいたいというお節介もあります。)
そのため、まずはこの第1章にて、リスクとリターンの関係を基にした心構えの重要性を強調しています。
しつこくなりましたが、とても大事なことなので、どうかご理解下さい。

さて、上記のことを踏まえた上で、改めて
「どれぐらいの期間で、どれぐらいの利益を獲得したいですか?」
への回答を仮設定していただけますか。
ここで大切なことは、<どれぐらいの期間で>については1年単位で、<どれぐらいの利益を>については〇〇万円といった金額ではなくパーセンテージでお考え下さい。換言しますと、<年率〇%>という具合に設定してみて下さい。
どうでしょう、少しイメージしやすくなりましたか?

続いて、その仮設定した<年率〇%>に関し、もう一つ、根本的に考慮しなければいけないことがあります。それは物価の上昇率 (インフレ率) です。
日本は長年にわたり、近代では例を見ない超長期のデフレに見舞われて物価がジリジリ下がっていたことから、預貯金等の残高 (名目上の資金) が増えていなくても、モノやサービスを得るための<実質的な資金>が増えていました。
しかしながら、コロナ禍以降の世界的なインフレと、それに加えての急激な円安により、日本は俄かにインフレの波に揺さぶられています。もしインフレ率がゼロ%であれば、あなたの仮設定した<年率〇%>という投資リターンは、名目でも実質でも、そのパーセンテージそのものになります。これについては文字通り受け留めて下さい。
でも考えてみて下さい。もしインフレ率が年率3%だったとしたら、お金の価値が年率3%で低下した(経済用語的には、お金の価値が3%減価した)ことになります。そのため、あなたが年率3%で運用できたとしても、差し引きした投資のパフォーマンス(実質的なリターン)はゼロ%になってしまうのです。
さらに掘り下げますと、インフレが年率3%の環境においては、何らかの形で元々のお金を同じパーセンテージ以上で増やせていないと、あなたのお金は実質的に年率3%で目減りしていることになります。
「えーーーー、そんなこと言われても!」
というのが普通のリアクションだと思います。でもこれが今の日本で起きていることです。
※ 日本における2024年6月時点のインフレ率は概ね2%台後半ですが、2023年には4%を超えていた時もありました。

みなさまには、このようなインフレ率のことも踏まえて<年率〇%>という投資リターンを設定していただきたいのです。具体的には、
<目標とするリターン>=<先程イメージした〇%>+<インフレ率>
ということです。つまり、インフレのことを考慮せずにイメージしていたリターンが年率5%でも、当面のインフレ率が年率3%という場合には、名目上は年率8%のリターンを得られていなければ、<実質的なリターン>が5%とならないのです。ここで登場した<実質的なリターン>というものは、あなたが一番最初に先入観なく頭の中で思い描いたリターンなのではないでしょうか。

このような前提の説明に辟易とされているかもしれませんが、どうしてもお伝えしたかったことは、
『今後、どこに向かって、どれぐらいのスピードで走るのか』
を明確にすることの重要性です。みなさまのお仕事や私生活においても、重要なことではないでしょうか。
特に投資には、主体的要因の<①論理的な判断>や客観的要因の<②運>だけでなく、<③欲との闘い>という要因が結果を大きく左右します。個人投資家における資産運用においては、この<③欲との闘い>が最大の変動要因になるようにすら考えています。
今の時点では、あなたにとって<実質リターン〇%>が最適なのかを分かりかねていらっしゃると思いますので、これから一緒に考えていきませんか?

第2章 『資産配分』について考えたことはありますか?「投資は株のみにあらず」です!

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