2023/3/3: まいにち だれかの ひとことを こころに。
孤独はただの寂しさじゃない。
孤独こそ人間が強烈に生きるバネだ。
孤独は充実したものだ。
孤独だからこそ、全人類と結びつき、宇宙に向かってひらいていく。
芸術とか哲学とか思想なんて、みんな孤独の生み出した果実だ。
死に対する恐怖感もそう。
だれだってもっているものさ。
しかしそれを恐怖感だと思っちゃいけない。
人間は、瞬間瞬間に、生命を賭けて生きている。
そういう生き方でなければ、価値がないとぼくは思う。
激しさと冒険。これが大切だ。
ぼくは四十六歳でスキーをはじめた。
スキーにとり憑かれたのは、雪山の斜面をからだ全体を投げ出していくときの、あのブルッとするような衝撃だ。生命を賭けているという身ぶるい。
このむずかしい危険な斜面を滑ったら、
瞬間、転倒して死ぬんじゃないかとゾクゾクした。
生命が燃えあがるような手ごたえを感じたんだ。
こんなふうに危険と対決してこそ、
生きる情熱、喜びを感じ、生命感をつかみ取れる。
ー岡本太郎「自分の運命に楯(たて)を突け」よりー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?