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大学院での奨学金

 大学院に進学するか就職するかという選択肢を考える場合,大学院進学のお金について課題を抱えており進学を断念する場合があります。大進学によって得られる学びやメリットを比較するとともに,学院で実際にかかるお金,支出だけでなく,奨学金について知って検討してみてはどうでしょうか。


大学と大学院での奨学金の大きな違い

 大学4年間の奨学金と大学院2年間(あるいは博士)の奨学金の大きな違いは,親の収入の影響です。大学生は未成年のため(場合が多く),親の年収により奨学金を受給できるかどうかなど条件が変化します。一方で大学院の場合は,成人しているので自身の収入により受給できるかどうかの条件が変化します。十分収入があるのであれば,そもそも奨学金の検討は必須ではないかもしれません。収入が不足している場合は,大学院生なら多くの場合奨学金が受給できるといえます。なお,民間の奨学金では大学院であっても親の年収制限があります。

1.大学院での奨学金について説明する理由

 なぜこんなことを大学教員が説明するかというと,大学院では,優先事項として 研究>遊び>お金を稼ぐためだけのバイト と考えているからです。学生時代のバイトは社会経験として体験する以外の理由で行う場合は優先度は低いと考えています。そして,今日明日のお金よりも可能ならば5年,10年などのキャリアプラン,長期的視点をもって集中して勉学に励んで欲しいからです。これは個人の考え方もあるので,奨学金を利用してまで大学院に進学することは必須ではないです。しかし多くの会社,あるいは仕事で大学院卒のほうが生涯年収が高い傾向にあることは事実です。大学院卒を採用で優先する企業もあります。自分の希望する進路に対して,どちらが有利か考える際に奨学金も含めて検討できるとより可能性が広がるかもしれません。
 

2 日本学生支援機構の奨学金

 修士課程でもっとも重要な奨学金の1つが日本学生支援機構の奨学金,特に第一種奨学金(月9万円,無利子)について知っておく必要があると思います。まず,そもそも無利子な点が重要です。2年間で無利子で216万円をかりられます。さらに大学院での成績(業績)が優秀な場合,全額あるいは半額の返還免除制度があります。還免除者は大学院からの推薦候補者の中から選ばれます.同じ専攻内などのくくりで競われることが多いです。修士2年生の1月ごろに,大学院内で申請者の募集があります。修士時代の投稿論文や国際会議などが評価されます。つまり,頑張って成果をあげると奨学金は返還しなくてよいか半額の返還でよいということです。具体的にどの程度の業績があれば返還免除になるかは所属する大学院や専攻により大きくことなるため,ここに書いてみ意味がないです。そのため,自身が所属する研究室の先生や先輩に,過去の返還免除者がどの程度の業績であったか質問してみると良いでしょう。

3 民間奨学金

 民間の奨学金は様々あります。基本的には返却が必要ないものをオススメします。複数の奨学金と同時にもらってよいものと, 1年に1件のみしか貰えないものがあります.複数応募可能で,採択された奨学金の中から一番自分に都合のよい組み合わせを受けて,他を辞退することも可能です(他の迷惑にならないように,はやめに辞退を)
 民間奨学金はそこまで倍率が高くないです。その理由の1つは,存在がわかりづらく,そもそも申請している人が少ないためです。倍率が1.1倍なんてこともよくあります。民間奨学金は,どのようなものがあるか,その学生にどの奨学金が対応するか(むいているか,採択されやすいか)調べるのは大変手間です。しかし,教員や大学から個別に紹介されることは稀だと思います。また申請期間がB4の3月~M1の5,6月などの短い期間に限られている場合が多く,気づいた際には申請期間が終わっている場合もあります。特に気を付ける必要があるのが,民間奨学金において大学が取りまとめて提出するタイプです。奨学金の締め切りより前に学内の締め切りがあります。例えば奨学金の締め切りが5月20日で,学内締め切りが4月5日など,大きくズレある場合があり,出しそびれの主たる要因になります。くれぐれも確認を!

4. 大学院独自の各種奨学金

 大学独自の奨学金が設けられている場合があります。基本は貸与のみです。基本的には成績が優秀な学生を対象としています。GPAでほぼ決まる場合が多いです。特に修士1年の奨学金は,学部時代の成績で決まる場合も多く,事前に対策しておく必要があるといえます。

5.おわりに

 大学院での奨学金について簡単にまとめました。個別の内容や申請方法は,各大学院の窓口や奨学金の資料で確認してください。とても親切に説明資料がある大学と,掲示板の片隅に資料が小さく掲示されるだけの大学など温度差はありますが,どの大学からも日本学生支援機構も民間の奨学金もチャレンジできるので,金銭的理由で大学院を諦める前に事前に調べてみるとよいかもしれません。少しでも参考になれば幸いです。

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