【二次創作】個人的に最近思ったこと2つ【2023年8月17日】



①ピクスク情報漏洩事件で思うこと


パスワードの使いまわしをしない等の対策はもちろん、
「自身に関わる重大事案が起こった場合は毅然を対応する」と腹を括る。

先日、大きな事件が起こった。

pictBLand(ピクブラ)
pictSQUARE(ピクスク)
pictSPACE(ピクスペ)

上記サービス(他にも運営サイトがあったようだがこの3つ利用者が多いと思われる)利用者の個人情報が、悪意のある第三者に抜かれてしまった。

私YAYAもピクスク利用経験があったので肝が冷えた。

とりあえず今登録している各サイトやSNSのパスワードを被りがないよう念のため全て変更、二段階認証ももちろん設定した。
とてもとても、めんどくさかった。
脱稿した後の疲れた身体にこの仕打ちである。

昔からごくたまに大きなサイトでも情報漏洩事件は起こっている。

今では皆が利用している某個人通販ができるサービスでも、クレカ情報が抜かれたり等あったのだ。
覚えている人もいるかもしれない。

今後、どこかでまた似たような事件が起こらない保証はない。

私達同人女の生命線といったら、イベント申し込み会社や、通販を委託している会社だ。
疑ってるわけでも貶したいわけでもないが、未来永劫それらの会社が絶対にやらかさないなんて保障はどこにもない。

イベント会場での宅急便搬入でも個人情報がそこで盗まれない保障はない。
ダン箱ごと窃盗にあった、伝票を剥がされ取られた、という話は周囲でも過去数件ほど耳にしたことがある。恐ろしいことだと思う。

「怖くてもうどこのサイトにもアカウント作れないし、イベントも申し込めないよ…」と弱気になる気持はとてもわかる。
私YAYAは小心者なのでそこらの同人女たちより常にビクビクしているからだ。人が恐れないものにまで恐れたりする。

だが、ビビリな気持ちは少し横に置き、それとは別の脳みそ部分を使い冷静になって考えてみた。

「パスワード使いまわしを止める」等は対策できるとして、「情報漏洩しないようにする」対策はユーザー側にはできない。

同人活動をする上でイベントへの申し込み、通販、SNSでの情報発信はせざる得ない。

「もしもの時は毅然と対応」
「何か実害があればすぐに警察」

もうこれしかないのではないだろうか。

自分でできる対策をしたら、あとは運なのだ。
本物の実害(クレカや口座の不正利用、家に頼んでもいない寿司が50人分届く等)があった際、その時に動けばいい。

そして、今回は上記サイトが騒がれたが、巷の普通の通販サイトがやらかさないなんて保障もない。

服の通販から化粧品通販、スポーツジムや整体院や宿泊履歴のある旅館、勤めてる自分の会社、企業側が本当に個人情報をきちんと厳重に扱ってるかどうかなんて極限られた現場担当者でない限りわからない。

とくにオタク関係でもなければIT関係でもない普通の数ある中小企業は情報漏洩しててもそれを言わない可能性すらある。

もしかしたらとっくに自分の個人情報は漏洩しているかもしれない。
ただ実害が出てないだけかもしれないのだ。
そう思ったらかなりの冷や汗脂汗がでる。
だが、自分自身では対処のしようがない。

不安になりビクビク怯えてても同人活動はできないし、通販や旅行も何もできない。

まだ何も起こっていないうちから「漏洩してるかも」とビクビクしていてもしょうがない。

日頃から自衛をし、万が一実害が出たら警察に。
自分ができる範囲外からの被害は、自分ではどうしようもない。もらい事故だ。

ひとつ前のnote記事「【二次創作】個人的に最近思ったこと2つ【2023年8月4日】」に書いたことと酷似してしまうが、不安な気持ちで過敏になりすぎたらそもそも同人誌は出せない。

同人女は一般人よりも心配性や不安症な人が多いと思う。もちろん私YAYAもそこに含まれる。かなりのビビリな自覚がある。

不安な状態は執筆意欲や生産性をガクンと下げる。
これはよろしくない精神状態だ。

まとめると、

自分自身でできるセキュリティ対策を定期的に見直すこと。
不安な気持ちは「自分にできる範囲のことをしたら」すぐ切り替えていくこと。

今回の件をきっかけに、気を引き締めたいと思った。



②部数によってはダウンロード販売の方が利益が少なくなる事実


同人誌にした方が約200部以上ならば利益が大きい。
電子にする方が売上で損をする。これを知らない人は意外と多い?

「電子は100%営利目的だから二次でやるのはとんでもない」
「同人誌にするのはファン活動!印刷代も旅費もかかってる」

巷では(とくに女性向け同人では)よく言われていることである。

この意見に対して数年前から私YAYAは、

「本気で電子の方が利益が多いと思って言ってるの?」
「みんな本当は同人誌にした方が利益大きいって知ってて、建前の為に知らばっくれてるだけだよね?」

と常に思い続けている。

こんなことTwitter(X)ではとてもじゃないけど言えない。
このnoteであっても記事にし発信することを控えていた。

私YAYAが紙の同人誌で二次創作をし続けてるのは、二次創作ルールだの著作権だのそっちの理由ではなく、「電子販売よりも同人誌にした方が利益が大きい」からである。

もちろん「女性の世界で人と違う珍しいことをして晒しあげられたくない」という理由もあるが。

実際、同人誌販売とダウンロード販売、比較した人はどのくらいいるだろうか。

今回は以下、その数字の内訳を箇条書きにする。

とある有名印刷所の入稿価格で「36ページB5表紙カラー本文モノクロ500円」で売った場合と、同じ内容を電子販売サイトDLsiteで販売した場合とで比較をした。
DLsiteでの販売価格500円の卸値は250円である。

【100部売れた場合】
オフセット印刷…総売上5万-印刷代33520円=1万6480円
オンデマ印刷…総売上5万-印刷代26090円=2万3910円
ダウンロード販売…250×100部=売上2万5千円

【200部売れた場合】
オフセット印刷…総売上10万-印刷代43080円=5万6920円
オンデマ印刷…総売上10万-印刷代40090円=5万9910円
ダウンロード販売…250×200部=売上5万円

【300部売れた場合】
オフセット印刷…総売上15万-印刷代50250円=9万9750円
オンデマ印刷…※オフセットの方が安くなるので省略
ダウンロード販売…250×300部=売上7万5千円

【500部売れた場合】
オフセット印刷…総売上25万-印刷代67390円=18万2610円
オンデマ印刷…※オフセットの方が安くなるので省略
ダウンロード販売…250×500部=売上12万5千円

【1000部売れた場合】
オフセット印刷…総売上50万-印刷代116010円=38万3990円
オンデマ印刷…※オフセットの方が安くなるので省略
ダウンロード販売…250×1000部=売上25万円

【1500部売れた場合】
オフセット印刷…総売上75万-印刷代156990円=59万3010円
オンデマ印刷…※オフセットの方が安くなるので省略
ダウンロード販売…250×1500部=売上37万5千円

また、ここでは取り上げなかったがBOOTHでの電子販売は男性向けでも控えているサークルが多い様子だ。

BOOTHについては部数によって「事業者の名称・連絡先の開示義務」に該当する恐れからだと考えられる。
ちなみにこれは本の販売でも該当するので、BOOTHを利用している人は理解し「儲けが出すぎないよう」注意が必要だ。


どうだっただろうか。

「印刷代」「イベント参加費」「旅費」を差し引いても、ある程度の部数以上なら同人誌を配布した方がお金が残るな…と思った人は多いと思う。

そしてこの例にした印刷価格は某大手印刷所の価格なので、調べればさらに安い印刷所も複数ある。

経費がかかるから二次創作同人誌はお目こぼしをされてて電子は駄目という理屈、なんだか通らないかも?と上の数字を見て思わないだろうか。

中堅以上の規模のサークルが、電子販売をしていない理由はこれだとほぼ確信している。

旬ジャンルや、ある程度書ける/描けるサークルならば総部数300部や500部以上、場合によっては1000部以上常時配布しているはずだ。

私YAYAの個人的な意見は、

・少部数しか元々売れないジャンル/CP
・少部数しか元々売れないサークル
・かなりの遠方に住んでいる(旅費がかかる)

そんな人のためにダウンロード販売はあっても良いと思っている。
綺麗ごと抜きに、利益がほんの少しでも入ることで人間は執筆熱意が出るものだからだ。

また、とある出版関係のyoube動画を見ていたところ、版元(公式)が気にするのは紙か電子かではなく「どのくらい売上をあげているか」「公式の邪魔になる創作活動(子供キャラや子供読者が多い作品での二次エロ等)」が問題になるらしい。
もちろんこれは出版社にもよるだろうし、その出版社の中でも担当者の性格にもよると思う。
昔は某出版社の作品は二次創作禁止だったはずが、今や一大ジャンルになってる…という光景も見ていることだと思う。時代によって公式側のルールも変わりゆくのだろう。

数万にいくかいかないかの小さな利益を上げてる人を叩くくらいなら、紙の本を出してる旬ジャンルサークル達はどうなる?大手/中堅サークルはどうなる?という話である。

「ダウンロード販売はデータ販売ってことでしょ?無限に売れ続けるわけだから得でしょ」

女性向け二次創作には旬が存在する。
ずっとそのジャンルが継続的/安定的に売れ続けることは同人誌でも電子でもあり得ない。
ダウンロード販売サイトを見ても販売数100以下でストップしているサークルが男性向け女性向け両方でたくさんいるのが現実だ。
(ちなみにたくさん売れているジャンルを調べたところ男性向け女性向けともにオリジナルだった)

「いや配布できる数って事前にはわからないでしょ?印刷代でマイナスになるかもしれないし」

数回イベント参加/同人誌発行すれば自分の売れる数は解る。

そしてそれは逆に「配布数をごまかすことも紙の本ならできる」ということでもある。
要は売上の数字を少なく確定申告で書けるということだ。
「本当は500部売れたけどそのうち50部は友達にタダであげたことにしよう…」こういうちょろまかしだ。
(これは悪質な誤魔化し方法なので問題だと思っている。確定申告の帳簿だけは自衛の為にも正確にすべきと考えている)

同人誌の場合は確定申告時に「売れてる数」を誤魔化しやすいが、電子になると販売サイトで数を正確に把握される為(源泉徴収もされるらしい)そうはいかない。
ダウンロード販売は脱税も防げるのでは、と考えている。

そして長年問題になっている同人誌転売も防げる。
電子版はWEB転載されるじゃん、という疑問を私YAYAは持っていたが、今回調べた結果どうやら電子販売サイト側に連絡することで問題あるサイトは対処してくれるらしい。
サイト側の利益にも関わることなので一緒に戦ってくれるということなのか、と感じた。

ここまでをまとめると、要は

「ダウンロード販売したところで本人に入る利益は同人誌より少ないんだしほっといてあげなよ」
「売れれば売れるだけ同人誌よりも損する計算になるんだから、むしろ電子販売は儲けを捨ててるやり方でしょ」

と思うのだ。

もちろん、この私YAYAの意見には異論もたくさんあるだろう。

「じゃあYAYAさん表でもダウンロード販売推奨って言いなよ!」

と言われてしまうかもしれない。

女性向け同人で活動している以上、恐ろしくてそんなこと言えないというのがチキンな自分の正直な気持ちだ。
大衆意見と違うことを女性向け同人の世界でおおっぴらに言う気は無い。目立つことはしない。

このnoteだからこそ表で言えない本音を書いている。
表では言えないが、どうしてもこの売上数字の比較を発信をしたかったのだ。

そして自分は同人誌にした方が利益が大きいのでダウンロード販売をする予定はない。
電子にしたところで損しかないからだ。

お金の面だけでダウンロード販売のサークルを叩くのであれば、旬ジャンルサークル達や大手/中堅サークルはどうなるの?小規模サークルの電子叩いて叩く相手違くないか?という内容の発信である。

なんだか自分で自分の首を絞めている記事内容になってしまったが…。

私YAYAはこれからも「二次創作だからダウンロード販売は私はしないよ」と自衛と建前の為に表では言い続けるし、売上数字についての真意もこのnote以外の場所では隠して過ごすだろう。



なぜ今回こんなに電子販売に対し突っ込んだことを書いたのかというと、現在私YAYAが密かにハマっている超マイナージャンルで本当に書き手/描き手が完全皆無だから、という考えが発端である。

Twitter(X)で検索したところ、過去1年でそのジャンルに興味を持っている人は1人2人だけ存在した。

だが仮に彼らが紙の同人誌を出したところで買い手人口はいない。
(書こう/描こうという会話もしていなかった)
買い手がいたとしても私YAYAを含め世界に10人いるかどうかではなかろうか。なにせ誰もそのCPはおろかジャンルのことすらつぶやいていない…。pixivでの更新もそのジャンルはここ数年ない状態だ。

この状況だと「よし同人誌を出してみよう」なんて通常ならないし、なったとしてもコピー本である。
そういう真の限界集落ジャンル(廃村と言ってもいい)のためにも電子はあっていいのに、と思ったのだ。

とても個人的な、我欲である。理解している。

「それならYAYAさん自分で書いて/描いて電子こっそりやりなよ」と言われるかもしれないが、副業で同人をやっている守銭奴YAYAなので電子であっても10部に行くかどうかのジャンルではやはり活動する気にはならないし、ならなかった。文章/絵からの本垢バレも怖い。長く同人活動をしたいのでリスクのあることには手は出さない。
今活動しているそこそこ大きなジャンルで手堅く活動継続し、時間も割いていきたいのだ。活動中のジャンルに愛がなくなっているわけではなし、妄想もまだまだできる。

小規模サークル/小規模ジャンルの電子販売は本当はとても応援したい。買いには行きたい。
だが表ではそれは言わず「私は電子配布しないよ二次創作だから電子はだめでしょー」としゃあしゃあと言う。なんということだ、私は二枚舌である。

そんな懺悔とわがまま、自己嫌悪から、本と電子の売上比較を今回ここに書いてみた。

男性向けだったら二次創作でもたくさん電子配布しているんだな…いいな、買えるんだな、と人知れず羨ましいと思っている、自分勝手な私YAYAであった。


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