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ソフトボール新入部員4か月目で肘投球痛でアイシングしているのに・・/12歳 女子中学生

気になるところ

右肘ー力こぶ(上腕二頭筋停止部付近)にかけて痛み
ソフトボール部、中学1年生で練習を始めて(キャッチボール)4か月程度

投球時に「ズキズキ」とした痛み、他は安静痛や日常生活でも痛みは出ない。



仮説と検証

1)目視から伸長・体重共に小柄で身体が先ず出来ていない、確かに小学生の頃はフットベースボールで鍛えていた、しかし上腕を使う矢状面の動きからの異なるトレーニング他運動は初めて、運動は出来る方なのでと言う過信もあるのでは?(自身の身体に無理をさせる)

2)投球痛のみと言う事で1の条件も加え組織へ無理が来ている。

3)体験期間も4か月と言い本当にイントロダクションだと思える、つまりこれからフォームを作って行く段階、投げ方も決まっていないので投球時肘の下がりが予想できる(顧問の先生にも指摘されている)

4)3の肘下がりがなぜそうなるのか?は「手投げ」と言われる動作から起こるのでは?と予想する。

5)4の理由として胸椎の伸展制限があり、立位で矢状面(横)から前方頭位の傾向があり、実際臥位で頸部の過緊張を認めた(th7-9:第7-9胸椎の屈曲波及で上部胸椎屈曲からのストレートネック傾向)

6)5での伸展制限は特に左胸郭にある事が判明、回旋自動運動で左へ向けず胸骨の向きも右回旋している、鎖骨と肩甲骨は左が足方へ下がり静止時ですでに体幹は右を向いていた。

対して目視から見たら「前ならえ」ポーズを行うと胸の向きの構成上右手が外へ開く、それは使いづらいので肩甲骨を外転させて内に入れていた。

このような右肩のアライメントだと肩の挙上も十分に取りにくく、日常動作では何も問題を起こさないが、投球動作の様な限界的かつスピードを要する動きではリスクになる。



コンディショニング

1)右肘付近と上腕二頭筋停止部の20分アイシングにて先ずは消炎(毎日行う)、それについて現在も時折行うとの事であるが大きな間違いがあった。

ケーキ屋さんでくださる硬くて小さな氷パックを当てていた、これは小さく点当たりで患部への冷却効果はほぼ無いと伝える。

薬局屋さんで完全に固まらないゲル状のものを買いお使いいただく。

2)胸椎伸展エクササイズ→胸椎伸展からの手投げを回避、全身の運動波及を使い投球を行うような身体づくり→当院で行うと仮説でのストレートネックの様な後頚部の緊張が抜けた。

3)体幹右回旋と右肩甲骨外転のハンズオン(手技)と呼吸法を使い外肋間筋のストレッチングにて向きを修正、目視と胸骨の機能上真っすぐ「前ならえ」が出来るようにアライメント修正。

4)食べてもらう肉体作り、ヒトの筋横断面積の肥大は3か月以降に起こると伝える、なので月日が掛かる他フィジカルに栄養を与える必要があり、食が細い場合回数を増やし食べてもらう事をアドバイスした。

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