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薬膳ってなんなんだ

やわるしすの単発セミナーはいつも「薬膳ってどういうイメージですか?」から始まります。

「なんかよくわからない根っこや枝や葉っぱ、木の実とか、へびとか入ったスープやお粥で、美味しくない」のが薬膳だというような答えが返ってくることが多いです。仕方ないです。そういう料理に「薬膳料理」と銘打ってお店で出されていますから。

ここで疑問に思ってほしいのは、「薬膳料理」という名前です。

「イタリア料理」「フランス料理」「中国料理」

「伝統料理」「創作料理」

ここに並びそうな雰囲気ですよね、薬膳料理って。ということは、薬膳料理というジャンルがあるのかなと思ってしまっても仕方ないですね。

薬膳は料理のジャンル名ではありませんし、調理法の名前でもありません。薬膳という単語と並び立つのは漢方です。ある人の状態に対して、方剤を処方するか食膳を施膳するかの違いがある、ということになります。もしくは、鍼灸もそうです。

この人の今のこのバランスの崩れ方には、方剤ならこれ、薬膳ならこれ、鍼灸ならこういうやり方、というように単発なり組み合わせなりして使って、バランスを元に戻すんです。

この時、その人のバランスの崩れ方を見分ける方法があり、それが「中医学」です。基礎理論体系があり、各科の各論があります。それに基づいて人を観て、それに基づいて施す方法やツールを決めます。本当は方剤(いわゆる漢方薬)も薬膳も鍼灸もできて、一番いい組み合わせで紹介できるのがいいですが、中々この三つともを極めるのは難しいなあと痛感します。

お察しのいいかたは、ここまでで分かったと思います。つまり、「薬膳を学びたい!」と思ったら中医学基礎理論を学ぶ必要があります。漢方を学ぶのと同じように。この理論体系は、基礎の基礎の「言葉で表現できる部分」は単純です。が、その内実、目に見えない、言葉にできない部分は奥が深すぎて、「分かった!」と「分からない…」の循環を日々繰り返すことになります。面白いと思える人にはとてつもなく面白く、ハマります。


中医学理論に基づいて、

その人の心身の状態のバランスを観て、

それを調整できる食材を選び、

作ったご飯を美味しくいただく

バランスが大きく崩れていたら、生薬を使う事もあるよ


それが薬膳だと、やわるしすでは定義しています。また、師匠から受け継いだ「美味しくなければ薬膳ではない」という考えも大事にしています。

そして、「食べちゃだめなもの」はその時々であるにはあるけれど、最終的には何でも食べられる(何を食べてもバランスが崩れない)体を手に入れることを目指します。季節の変化にもすぐに対応できるような体を作っていくのです。そのために陰陽五行論を学びます。

めちゃくちゃ壮大な論理展開の結果、「大根食べて」とかなるわけで、最終段階は全く威厳がない!のですが、日々の生活の中で自分でできるバランス調整方法でもあります。

この「日々自分でできる」というのがとても大事だと、やわるしすは考えています。崩れにくい体ならば、スーパーで売っている「普通の食材」で十分薬膳になります。その状態を目指しましょう。


たおやかに つねひごろ

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