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寂しさにある豊かさってきっと。

「季節外れの雪が降ってる。」

ファストファッションブランドのお洋服屋さんから、不意になごり雪のカバーが聞こえてきて、涙腺が緩んだ。

仲良くしていた大学生の子が卒業するのでギフトを探して、ショッピングセンターをウロウロと。

春になっていく季節をとどめるように雪が降る。その情景に、感情移入をしてしまう。

人と人との関係にも終わりってあるんだよなぁ。
距離や時間って思っているよりも正直だ。
そのままで居られる事なんて何も無いんだよなぁ。

ショッピングセンターのベンチに座り
聞こえてくるなごり雪をぼんやりと聞いていた。

いつか忘れてしまうその関わりの中。
雪がそっと溶けてゆくように。
儚くて綺麗な情景。

そんな情景を曲に出来るってすごいなぁと思う。音楽ってすごい。

見えないものなのに心の景色にすんなりと溶け込んでゆく。
そうやって人の心にできた隙間にそっと寄り添う。
寂しさにある豊かさってきっとそういうものなんだろうなぁと考える。

心って感情を知って創られてゆくんだよなぁ。だから人を大切に想えるほど、心は、豊かになってゆくんだと思う。
そういう風に思っていたい。 
そういう風に暮らしていたい。

ショッピングセンターのベンチが
汽車を待つ雪景色のホームになる。

「ふざけすぎた季節のあとで。今春が来て君は綺麗になった。去年よりずっと綺麗になった。」

明るいメロディのバラード。
その哀愁が寄り添う。
人間ってそんな風に色んな色合いで生きてる。

君だけがもってるそんな季節に。
魅力は、きっと宿っていくのだろう。

そんな風に
人と人は、出逢うのだと思うのです。








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