あの頃より美しく見える空の話。
窓越しに、ふと空を見上げて
心が少し軽くなった気がした。
それからぼんやりと雲の流れを見ていた。
家の契約更新の為郵便局へ。
この家に来た日の事を振り返りながら自転車を漕ぐ。
町を眺めていると
卒業式を終えたばかりの学生が溢れていた春の日。
校門の上に登って
証書を片手にポーズを決める女子高生達。
それを今日だけは仕方ないかって感じでにこやかにスマホで写真を撮る親御さん達。
そんな瞬間に柔らかくギュッと心を掴まれた気がした。
思えば遠くにきたもんだ。
往年のヒットソングが頭の中を駆けていく。
学生だったのって前世の事のよう。
そんな風に振り返る。
これからの人生の事をあの当時何も知らなかったなぁ。なんて思い出す。
思っているよりも予想外で
うまくいかない。
甘いピントで、物事を見ていたなぁと思う。
世の中は、自分の足で歩く時にやっと世の中になる。
でもどうしてだろ。
あの頃より空は、美しくみえるようになったんだ。
自然の豊かさが心に沁みる。
三水に心に沁みると書く。
遥か昔からこの世界の秘密のそのヒントは、ずっと隠されていたんだ。
そんな事を考える。
これからも続いていくあなたと私。
何処で何が起こるかわからないけれど
今ここにある事の豊かさを何度だって
感じられる心でいたいなぁと思う。
おめでとう。と、そっと呟き自転車を漕ぐ。
世界は、どんどんその美しさをあなたに魅せてくれますよ。
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