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デジタル時代に目指す「まち」の姿とは【暮らしたい未来のまち】

あなたが描く理想のまちはどんなまちでしょうか。

職場に近いところ、家賃が安いところ、便利なところ

理想の家こそあっても、理想のまちの姿を描く人はそれほど多くない気がします。

しかし、これからの時代、「まち」はこれまで以上に重要な存在になると僕は思っています。

少子高齢化問題が目に見える問題として私たちにのしかかるのはこれからであり、この問題を解決するには「まち」が欠かせません。

そして、少子高齢化と合わせて重要な問題が「つながり」です。

人と人とのつながりが希薄化したとよく言われますが、「個」が重視される社会において、人とつながりは今後ますます希薄化してしまう可能性が高いです。

僕は「個」を大切にする今だからこそ、「まち」がより重要になる、「まち」の価値と形を問い直す時代だと思っています。

今日は、これからの日本のまちはどんな方向へ進むべきなのか、どんな役割を果たすべきなのか、「つながり」をテーマに自分なりの未来のまちを描いていきます。

#暮らしたい未来のまち

1 デジタル時代の繋がりとは

人と人とのつながりが希薄になった

現代社会はこのように言われることが多くあります。

プライベートの重視により近所付き合いは薄くなり、その代わりにデジタルでのつながりを求める人が多くなりました。

僕はこの流れが悪いものだとは思いませんが、一方で人とのつながりが不足し苦しむ人、精神的な不調を抱える人が増えたのも事実です。

また、現在の社会情勢はこの流れをさらに加速させ、リアルでの人とのつながりはどんどん薄れてきています。

先進国の中でも「孤独を感じる」と回答する人の割合が一番多い日本において、人とのつながりをどのように再構築していくのかは今後の重要な問題になります。

現在、日本でもDX(デジタルトランスフォーメーション)が進められていますが、人とのつながり、コミュニケーションの分野もDXで解決しようという動きがあります。

みなさんは「どうぶつの森」をやったことがあるでしょうか。

巣篭もり需要とマッチして昨年爆発的に人気の出たどうぶつの森は、自分がなりたい姿を選び、そのアバターになりきって、様々な人と交流することができるゲームです。

現在、ゲームを超えて、どうぶつの森のように「なりたい姿」で「オンライン上」で「いつでも誰とでも」交流できるシステムの開発が進められています。

また、アバターではなく自分の姿をリアルタイムで別空間に投影できるような技術の開発も進んでいます。

このように、世界はデジタルの力でコミュニケーションの問題を解決しようとしているのです。

しかし、果たしてデジタルでのつながりは幸福に繋がるのでしょうか。

SNSが生まれ様々な人と簡単に繋がることができるようになりましたが、一方でSNSのせいで精神的な不調を起こす人が多くいるのも事実です。

僕自身、noteでの皆さんと楽しくつながることができていますが、これはリアルでの人とのつながりがしっかりしているからこそ、ここでも楽しくいられるのだと思っています。

デジタルでのつながりは、リアルでのつながりが安定しているからこそ成り立つものではないでしょうか。

つまり、つながりの希薄化の解決策をデジタルに求めても、それは新たな孤独を生み出すだけではないのかと思うのです。

デジタルでいつでもつながれる時代だからこそ、リアルでつながる場所を真剣に考える必要がある。

そして僕は、そんなリアルなつながりを導くのは、新しい「まち」の機能なのではないかと思っています。

人を幸せに導く、新たなつながりを促進するまち

そんな未来のまちの姿を考えていきます。

2 未来型のコミュニティとは

デジタルのコミュニケーションはリアルでのつながりがあってこそ。
だからリアルでのつながりを再構築しなければならない。

人とのつながりが希薄化した現代において、どうすれば人とのつながりを取り戻せるでしょうか。

昔のように、地域のコミュニティ機能を復活させて、地域によってつながりを回復させるべきだ。

そのような考えもあるとは思いますが、やはりここまで「個」が大切にされる現代において、従来型のコミュニティに戻るのは現実的ではないです。

また、「個」を重視する流れは仕事にも影響してきており、「職場」というコミュニティ機能も今後ますます失われていく可能性が高いです。

「個」を重視すれば、それと同時につながりも薄れていく

どうすれば、私たちは孤独から逃れることができるのでしょうか。

僕が思う一つの解決策が、デジタルに近いつながりの場を現実に作ること、そしてその機能を「まち」が担うことです。

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デジタルでのつながりの特徴ってなんでしょうか。

僕は「誰とでもつながれる」「趣味嗜好でのつながり」「弱いつながりを広げられる」この3つじゃないかと思います。

この3つの特徴を持つ「まち」を作ることができれば、リアルでの新しいつながりができるのではないかと思うのです。

1つ1つは弱いけれども、個人を大切にできるのに暖かい、そんな未来型のコミュニティになるのではないでしょうか。

とはいえあまりにも抽象的ですよね。

僕自身まだ具体化しきれていないところもあるのですが、1つのヒントが僕の故郷、豊田市にあると思っています。

3 遊べるまち豊田に見る未来型コミュニティ

僕は愛知県豊田市の出身です。

豊田市といえばトヨタ自動車、車のまちですが、全国の幸福度ランキングで3回連続1位(中核市)になるなど、住民の幸福度が高いまちでもあります。

そんな豊田市が近年進めているのが、「あそべるとよたプロジェクト」です。

これは、中心市街地を「生活するまち、働くまち」から「あそべる(楽しめる)まち」への転換を目指したプロジェクトです。

卓球台を置いてみたり、ビルだった一角を芝生にしてみたり、まちの中心地を交流の拠点として整備しているんです。

僕自身今は豊田市から離れてしまったのですが、帰るたびに変わるふるさとの中心地は、訪れるたびにワクワクした気持ちになるのを覚えています。

豊田市

僕はこの豊田市の姿こそが、未来型のコミュニティ、未来型のまちのヒントになると思っています。

これまでの日本は「経済成長」の旗印のもと、様々なところで効率性が追求されてきました。

しかし、社会が成熟するにつれ、必ずしも成長を求めないSDGsを始めとした価値観が生まれてきています。

そんな現代では、まちも「効率」ではなく「幸福」を求める姿に変化してもいいと思うのです。

これまでであれば、まちの中心は効率性を重視し「商業の中心」「住居の中心」として整備されてきました。

それを、人々の幸福のためにつながりの拠点として整備する。

そしてまちの中心に置かれたつながりの拠点は、これまでの地域コミュニティと比べ、開放的で、多くの人とつながれて、自分の趣味にあったつながりを生み出せる可能性に満ちています。

人とのつながりと幸福を生み出すまち
これが僕の思う、「暮らしたい未来のまち」の姿です。

4 まとめ〜目指すべきまちの姿〜

デジタルでなんでもできる今だからこそ、リアルでのつながりが重要。
そして、リアルのつながりを生み出すのは新しい「まち」の姿である。

そんな考えのもと、僕が思う暮らしたいまちの姿について書いてきました。

少子高齢化問題が進む中、経済的な価値を生み出さないまちの中心地を生み出すことは非現実的ではないかという意見もあると思います。

たしかに、少子高齢化問題は自治体の財政を圧迫し、大きな変革を生み出すことは難しくなってきます。

しかし、今回描いたまちの姿は高齢者にもフィットするものです。

実際に豊田市では、この遊べるまちの一角に高齢者用のマンションを整備しており、高齢者が歩いて暮らせる生活圏としても活用しています。

少子高齢化問題は、まちに変革を促します。

どちらにせよ、まちの姿を変えなければいけならないなら、高齢者だけでなく、多くの人にとって幸福なまちの姿を描くべきだと僕は思うのです。

繰り返しになりますが、「経済」を重視する時代は終わりつつあります。

持続可能で、住む人の幸福をもたらすまちづくりへ

未来への責任を持つ世代として、今後のまちの姿、日本の姿をこれからも真剣に考え、行動していきたいなと思います。

暮らしたい未来のまちの

さて、本日は「暮らしたいまち」のテーマのもと「つながり」を求めたまちづくりについて考えてきました。

#暮らしたい未来のまち  コンテストが発表された時、公務員としてこの問題を真剣に考えるべきだと思い、自分の思う未来のまちの姿をずっと考えてきました。

曖昧だった自分の考えを少しだけ前身させることのできたこのコンテストにはとても感謝しております。

そして、僕の考える未来のまちにここまでお付き合いいただきありがとうございました!

また別のnoteでも出会えることを心待ちにしております。


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