信長様はもういない書影

本に集中できないあなたの障壁は○○かもしれない

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 Twitterで読書芸人を名乗って活動している関係で(そして小説家という肩書もあって)「どうやったらたくさん本を読めるようになりますか」というご質問をいただくことがあります。
 うーん、たくさん本を読むことにはあんまり意味はないんですが、結局のところはたくさん本を読むためには時間が必要で、わたしは基本、寝ても覚めても仕事をしているか本を読んでます。ただ、たくさん時間を用意しても、集中力がもたないのでは本は読み切れません。そんなわけで、「集中できる環境づくりですかねえ」という話をしているのですが、すると多くの方が、
「じゃあ、どうやって集中しているんですか」
と切実に聞いてこられます。

 実は最近、そうしたご相談を聞いているうちに、あることに気づいたんですよ。皆さんに集中力がないわけではなくて、実は皆さんの集中力のメモリが、ある文明の利器によって少しずつ、けれど着実に削られているということに……。

 皆さん、ケータイ、何らかの形で使っておられますよね。
 中にはTwitterやFB、LINEなんかのアプリを導入して、コミュニケーションや会話を楽しんでおられたりしますよね。あるいは、スマホゲームでめちゃくちゃ遊んでませんか?
 もしかして、本を読む際に必要な集中と、現代のスマホとは相性が悪いんじゃないかというのがわたしの私見なのです。

 どういうことか。
 スマホからもたらされる情報の多くは、1~5分ほどの短期的な集中力を必要とするものです。それに対し、本は(毎日一章読むとしても)30分~数時間の集中を必要とします。つまるところ、スマホという便利な道具によって短期的な集中は得意になったけど、数時間も集中するみたいな長期的な集中が衰えてしまっているのではないかというのがわたしの観察です。
 さらにスマホは振動音でわたしたちに手招きをしてきます。Twitterで反応が来たよ、FBのメッセンジャーにコメントが来たよ、noteでコメントがついたよ、友達申請が来たよ……。本を読んでいても、ブーブーなるとつい手を伸ばしたくなり、一分程度の時間でちょいと反応してしまいがちです。けれども、そうすることで、長期的な集中はぶち壊しになっています。

 そのことに気づいたのは二年前。それからわたしはこんな対応を取ることにしました。

①本を読むときにはPCの前に座らない
②本を読む際には離れたところにスマホを置く
③スマホを触らない時間を作り、その際に本を読む

 実はこれ、最初にやってみるとかなり苦痛なのですが、始めてひと月くらい経つと、スマホを触らない時間がむしろ待ち遠しくなります。

 これ、なんでもデジタルデトックスなどと呼ぶそうで、中には完全にデジタル世界をシャットアウトする方もいるみたいですが、わたしのライフスタイルではそうはいきませんので、一日数時間、外界との接触を止めて日々を送っております。

 もしかして、本が読めないと悩んでいる方は、あまりにスマホとの距離が近すぎて、長期的な集中のできない環境になっているのかもしれませんよ~。もしお悩みの方はお試しあれ。 

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