谷津の絵師ものについてまとめてみた
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作家を八年もやっていると、なんとなくネタが被ってきたり、同時代を扱うことが出てきたりして、蓄積が生まれてきます。特に作風がバラエティ豊かと称されるわたしも例外でなく……。
その中で、わたしの表看板である「絵師もの」なんかはかなり分厚くなってきた感じがあります。
純粋な絵師ものは、
『洛中洛外画狂伝』『安土唐獅子画狂伝』(狩野永徳が主役)
『おもちゃ絵芳藤』(歌川芳藤が主役)
『絵ことば又兵衛』(岩佐又兵衛が主役)
と実は四作しかないのですが、
『蔦屋』
『奇説無惨絵条々』
の二作では、絵師が登場したり、絵師の時代環境に筆を割いたりしているので、事実上、上記二作は絵師ものです。
その上で時代を区分してみると、
安土桃山期
『洛中洛外画狂伝』『安土桃山画狂伝』『絵ことば又兵衛』
江戸初期
『絵ことば又兵衛』
江戸後期
『蔦屋』
幕末明治期
『おもちゃ絵芳藤』『奇説無惨絵条々』
という感じになっています。
わたしとしては、安土桃山時代の『桃山絵師大乱』(勝手に名前をつけています)の辺りのことはもっと書きたいんですよね。狩野派や長谷川派の動向が楽しいですし、まだわたしが書いていないある人物の行動などなど、見せ場が一杯あります。企画が通り次第、書いていきたいなあと考えています。
そういう意味では、『桃山絵師大乱』の余波である江戸初期の絵画も扱ってみたくあります。この時期のことを扱うと、途端に江戸後期の絵のことが立体的に見えてくるようになるので……。
江戸後期もそろそろ書きたいなあと思っているのですが、ここは色々な意味で難しいところなので(なにせ小説分野的にも学問的にも蓄積のある浮世絵を扱うことになるので)慎重にならざるを得ないのですが、ちょっと今、誰にも言わずに練っているネタがあります。
そして幕末明治期。ここは絶対に面白い。色んな切り口を模索しているところですが、近代化に際した人々の苦闘、超書きたい。
実は、今ゴーサインが出ている企画には絵師ものは含まれていないのです。そのため、今、こうしてプレゼンをしている次第なのです!
我ながら腹黒い!
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