信長様はもういない書影

GetNaviWebさんで「戦争」に関する本を選書しました

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 今日は告知です。
 毎月の選書のお仕事です。
 GetNaviWebさんで、「戦争」縛りの選書をしました!

 今回は何気に「忘却される歴史」みたいなものが裏テーマになった感もありますね。
 それはさておき。
 わたしたち小説家は平和な世に咲く草花だと思っております。もちろん、戦争前夜に世論をたきつけることで咲く大輪の花もありますが、いざ戦争が起こればそうした花も、よほどのことをしないと萎れていくことになります。
 綺麗ごとや観念でない、これがわたしの戦争反対の理由です。

 そして、今回の選書でご紹介できなかった本を一冊。

 めちゃくちゃ有名な作品(ノーベル文学賞受賞作家の主著)であること、『独ソ戦』と内容がかぶってしまうことなどからご紹介しそびれてしまったのですが、対独戦争に関わったソ連女性たちの証言を集めた文学作品です。
 戦争によって生活がぶち壊され、女性性すらも厳しく制限された中、多感な時期を戦場やその銃後で生きざるを得なかった女性たちの証言に著者が心から寄り添うことによって、ルポとはまた違う文学作品として成立した名著であると思います(注:実は谷津、本書のスタイルはルポとしては踏み込み過ぎていると考えています。だからこそ文学作品としているのですが、そのことによって本作を貶めているつもりはさらさらなく、むしろ本書はわたしのいう「文学作品」だからこそ燦然と輝いていると確信しています)。
 戦争がもたらすもの、その傷を生々しく知ることのできる一冊であると思います。今回の選書からは外しましたが、おすすめの一冊です。

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