【天狼院書店初心者短編2020年2月コース受講者向け】④いっそのことストーリーが思いつかなかったら
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【注意】
こちらのエントリは、天狼院書店さんで開催中の「短編小説100枚を二ヶ月で書いてみる」講座参加者の方向けのエッセイです。参加していない皆様にもなにがしかに気づきがあるかもしれませんが、このエッセイは基本的に「初心者の方が小説を書き切る」という目的設定をした講座に向けたものでありますので、中級者、上級者の方がご覧の際にはそうした点をご注意の上ご覧ください。
【注意ここまで】
はい、天狼院書店さんの講座にご参加の皆様、来週にはなんと講義の第二回目です。もちろん二回目の講座までにプロットができていなくてもいいですし、この講座は提出をお願いしておらず、あくまで「最後まで書き切る」ことを目標にしているので、講座の日までにできていなくても何の問題もありません。ただ、二回目は実際の執筆のやり方が中心になるので、できることなら書きたい小説の中身を決めておいていただけると前のめりに話を聞くことができるんじゃないかなーと思います。
というわけで、まだプロットが手についてないあなたに、とんでもない裏技をお教えしちゃおうと思います。
実は、
①面白い主人公
②面白いシーン
③面白い世界観
この三つのいずれかが思いついていれば、あとはこれに、
その面白い何かが成立する一日
を逐一想像してやり、
不要なものを削る
ことで、実はストーリーができちゃいます。
これ、①の面白い主人公である場合が一番わかりやすいのですが、要は、面白い主人公の周りに起こりうることをひたすら朝から晩まで、一日のスパンで考えるんです。ここでのポイントは、「主人公にとって特別な一日」を考えてやることです。
②の面白いシーンの場合、それが起こった時間を考えた後、その前後12時間を想像してやるイメージです。
③の面白い世界観の場合、その世界観の中ではどういう一日が起こるのだろう? と想像してみるのです。
そうやって考えていくうちに、「こういうことが起こりそうだ」と思い浮かんだらシメたものです。
そうしたら今度は、必要なさそうなところを削っていきます。
たとえば、朝起きてトイレに行ってご飯を食べて……みたいなシーンは優先度が低いことが多いです(作品にもよりますが)。一日の行動のうち、「お話として映える」シーンは意外に少ないので、「こういうことが起こりそうだ」という「事態」に関係ない部分は削り、十個くらい残しましょう。そしてそれを並べれば、プロットは出来ています。
実を言うと、皆さんの一日も、そうやって「編集」してやることによってメリハリのある「作品」を作ることができます。たとえば、あなたの一日のうち、ご飯を作って食べるところだけ抜き出せば、もしかしたらグルメものになるかもしれません。運動しているシーンだけ抜き出せばスポーツものにもできます。ゲームしているシーンだけ抜き出せば……。そう、実は、「編集」をかましてやるだけで、現実はぐっとストーリーになってゆくのです。
これは極論に近い物言いになってしまいますが――。実は小説は省略によって成り立っているものです。お話の中心に置きたい「出来事」の因果律に関係のない要素を捨て、逆に必要なものを浮かび上がらせる作業が必要になります。
もし、どうしてもお話が思い浮かばない、という方は、こういう手もありますよということで。
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