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『雲州下屋敷の幽霊』(文春文庫)の幕間部分は著者の趣味です

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 『雲州下屋敷の幽霊』(実は単行本である『奇説無惨絵条々』もなんですけど)には、短編の他に短編を繋ぐ「幕間」が存在し、それが各短編を緩やかに繋ぐという構成を取っています。
 なぜこんなことを?
 色んな理由はありますけど、究極的にはわたしの趣味なんですよ。
 書き手のわたしは、あんまり短編を書かない人間です。短編を書いてくれと頼まれることもあまりないですし、わたし個人、長編を書く方が好き、というか、大きなことが出来る分、短編よりも長編のほうが書きごたえがあるんですよ(読者としては結構短編も好きなんですけど)。
 長編の魅力は伏線の多重爆発力なんですよ。
 短編は一つから三つほどの大爆発をどう上手く魅せるかみたいなところがあります。一方長編はいくつもの大爆発や小爆発を連続させていって辺り一帯を焼け野原にするみたいな楽しさがあります……ってこの話、やや剣呑ですが、わたしの中ではこれくらい二者の間に違いがあるのです。
 もちろん短編を書かせていただいた際には「大爆発をどう上手く魅せるか」を考えました。が、本にまとめるとき、「やっぱり長編的な焼け野原感が欲しいなあ~」となり、幕間を作った次第なのです。

 長編が好きすぎるあまり、短編集に無理矢理長編感を出してしまった狂人です。お許しください!

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