廉太郎ノオト書影おびあり

毎日小説を読んだら〇〇になる件 2019年11月

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 皆さんは、わたしがこんなエントリを連載していたのを覚えておいででしょうか……?

 毎日のように小説を読み続ける生活を行なった谷津がどうなったのか、というモルモッ……企画でした。念のため言っておくと、これはわたしを対象にした実験でして、吉と出るかそれとも凶と出るかは誰にも分かりません。もしかしたら一年後には作家として大爆死している可能性すらありますが、それすらも一種のエンタメとして楽しんでいただこうという狂企画です。

 実はここで変化がズドンと出たので、そのご報告です。

 2019年11月に至った今、恐らく作家になってから小説千冊を読み終えた格好です。「恐らく」と但し書きをつけたのは、読書記録をつけ始めたのが最近だからにすぎません。確かこんな感じ、というくらいにご理解ください。
 作家となってからの小説読書が(きっと)千冊を超え始めた最近、ギアが変わったな、と感じております。
 読者として見たとき、すごくいろんなものがクリアになってきたというか、色んな本読みの方がおっしゃっていることが腑に落ちるようになってきたというか、とにかく本を読むのが楽しいです。もちろん今でも今のわたしの手に負えない小説は現れてきますが、そんなに多くはありません。ほとんどの本に対して何がしかの楽しさを感じつつ読み終えることができるようになりました。

 そして、作家として……なのですが、なんと、小説を書くのがより難しくなりました!(笑)
 なんて言ったらいいんでしょうか。以前だったら小説の筋は案外半固定化されていて、表現について推敲をすればそれで本になったんですが、今は第一稿からがっつり筋まで直すことが多くなりました。最初は腕が落ちたんではないかと内心ひやひやしていたのですが、どうもそういうことではなさそう。どうも、より物語のルート検索機能が強化されて、「よりよい物語の形」を模索する場面が増えた模様なのです。
 いや、これはよきことです。もっとほかに最適解があるはず、いや、ここにもっと素晴らしい展開が転がっている! それに気付けるか否かは本当に大事なことです。これまでは視野が狭かったがゆえに少ない範囲でしかルート検索できず、そうした意味では小さくまとまっていた今日この頃ですが、読書のおかげで視野が広がって、より複雑な物語を構成することができるようになりました。
 たぶんこれは、小説をたくさん読んだことにより、物語の定跡のようなものをより多く知ることができたからなのではないかと思います。

 やべえ、作家が本を読むと結構効果があるじゃん!
 しかも、数年は有効な武器を手に入れたかもしれない、という根拠なき自信までつきました。
 というわけで、2019年11月現在においては、実験は成功している模様ということでなにとぞ。

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