それさく文庫書影

8/22頃発売「三人孫市」(中公文庫)のISBN情報がアップされました

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 今回は告知です。

 実は、2015年冬に発売された「三人孫市」(中央公論新社)が8/22頃、文庫版となって発売します。
 単行本版はこちら。

 戦国時代の鉄砲使いにして武将、雑賀孫市という人がいます。
 現在の和歌山県北部、当時の地名でいうなら雑賀庄に根を張り活躍した雑賀衆と呼ばれる人々の頭目とされている人物です。ところが、活躍の期間があまりに長いことから、おそらくは世襲名だったとも言われています(戦国期には「雑賀(庄)の孫一」と名乗っていたようで、江戸時代に入ってから「雑賀孫市」という風に「雑賀」が苗字のように機能するようになっていったようです。それはさておき)。

 というわけで、「孫市は三人(+アルファ)いる!」という前振りから始まる雑賀庄の物語が、拙作「三人孫市」でございます。

 ちなみに、単行本からもかなり手を入れています。
 読みやすさを担保するために表現上の手直しは全編にわたって行っておりますし、単行本執筆当時にはどうしても解決しきれなかった「雑賀の鴉信仰(雑賀庄では八咫烏をトーテムのように扱っていたようですが本書における描写はかなり空想が混じっています)」と「阿弥陀信仰」の相克というモチーフは相当強化しました。おかげで、「潰される地方」と「潰す中央」という本作の大事なモチーフが強化されました。
 力弱き者たちの戦国。
 わたしが描きたい戦国の風景が、実は本書が体現してくれております。

 書籍情報は以下に。

「三人孫市」(中公文庫) 2019/8/22頃

ISBN:978-4122067738  予価:¥864-(税込)

内容:ときは戦国、織田・浅井・三好ら大大名がしのぎを削るただ中に、紀州・雑賀庄はあった。彼らに転機をもたらしたのは、八咫烏を祀る夜に蹌踉と現れたひとりの老人。刀月斎を名のる男は、頭領〈雑賀孫市〉を父にもつ三兄弟それぞれに、奇妙な形をした鉄砲を与えたのであった……。
病身を抱えながら鉄砲兵法を編み出す長男・義方、豪放磊落にして武威赫々たる次男・重秀、入神の域に達した狙撃の腕を持ちながら心を閉ざす三男・重朝。兄弟で〈雑賀孫市〉を襲名した彼らは、異なる道を歩み、異なる志を秘めながら戦乱の世を駆け抜ける!

 そしてすみません、まだ書影は公開できません。
 けど、鮮烈な表紙ですので何卒お楽しみに!

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