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【日常の気付き】新生リーダーに必要な素質

 先日の日経新聞の文化論に、とても心に刺さった記事がありました。記事そのものは、コロナ禍の新たな思想について識者に聞くという趣旨でしたが、ダイバーシティ、VUCAの今、新生のリーダー像に必要な要素がずばり書かれていると思いましたので、ここにメモ致します。


自らの弱さ知り他人思う 批評家・若松英輔氏: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 この2年、我々はマスクをし、不急不要の外出は避け、同じ生き方を強いられました。不自由な生活の中でもエッセンシャルワーカーの方々は我々の生活を支えて下さり、誰かに支えられて我々の社会生活が成り立っているのだという事に、改めて深い尊敬と感謝の意を感じずにはいられませんでした。  私も実際、人々が殺到するスーパーで品出しをしていらっしゃる方が、自分の親と同じくらいの年齢の方で、一生懸命に品出しをしてくださっている様子を見た時は、本当に心が痛かったし、何か社会の仕組みがおかしいのではないか?とさえ思った程です。コロナは我々の価値観をガラリと変え、社会の問題までも明確に示しました。

若松氏によると、これまでの幸せは、「所有、権力、地位、家・・・」何かを所有する事で成り立ち、外から自分がどう見えるか?どう映るか?でした。ですが、これからの幸せは「発見型の幸せ」だとおっしゃっています。

これまで幸せとは所有だと考えられていた。権力や地位、家。しかし、何かを所有することを幸福の条件とする生き方は変えた方がよい。幸せや生きがいは、見せびらかすものではない。
これから必要なのは、発見型の幸せだ。周囲の評価に惑わされず、自らの切なるものを求める。コロナ禍で再評価された精神科医、神谷美恵子は主著「生きがいについて」(1966年)で次のような言葉を残した。「生きがい」とは「それぞれのひとの内奥にあるほんとうの自分にぴったりしたもの、その自分そのままの表現であるものでなくてはならない」と。
日本経済新聞 2022年1月24日
コロナ禍の思想① 若松英輔氏

そして私が「新生のリーダー像」が描かれていると思った箇所がここです。

当たり前だと以前は思っていた日常が、いかに幸せだったか感じる瞬間があったはずだ。(中略)
コロナは人間の無力さや社会の脆弱さを浮き彫りにした。その現実を生きる上で大切なのは強くあることではない。むしろ弱さだ。弱くなったときにこそ、多くの人に助らえれていたと気付くことができる。
誰もが命の危機にさらされた状態で、助けてもらわなくては生きていけない現実を突きつけられた。(中略)「私」で生きてきたのではなく、「私たち」で生きてきたことを思い知った。新生のカギは弱さの奥底にこそある。自らの弱さに気付くことは他人を思う心を持つことでもある。
日本経済新聞 2022年1月24日
コロナ禍の思想① 若松英輔氏

「自らの弱さに気付くことは他人を思う心を持つこと」
リーダーは周りや仲間をリードする人なのですから、自らの信念を強く持つ事や周りをエンゲージする事は、もちろん必要です。ですが、リーダーはチームやメンバーがいるからリーダーなのです。「私」ではないのです。「私たち」ですし「私たち」が一緒に物事をすすめていくのです。リーダーは強くある事ではないのです。弱くていいのです。それを自ら認める事、多くのメンバーや他人を思う心を持つこと。新生リーダーに最も必要な素質って、実はここなのではないかと思いました。


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