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【銭湯】番外編 時を超えた湯けむり:太宰治の足跡を訪ねる、甲府の喜久乃湯さん


先日に引き続き、
甲府での銭湯体験をお届けします。
昨日訪ねた
喜久乃湯温泉(きくのゆおんせん)」さん
この銭湯は昭和元年に創業された歴史ある銭湯さんで、
① 銭湯なのに温泉です!
② 昭和元年ということは、97年目!(他の資料には昭和9年とも?)
③ な、なんと「太宰治」が通っていた銭湯!
だということ。
①は山梨県なので、温泉天国。
温泉が豊富な県、
例えば鹿児島県でも温泉源泉かけ流しという
贅沢な銭湯はございました。
②もかなりの凄さです。
他資料の昭和9年創業であっても、
90年近いということですね。
さらにすごいのは③ 。
実は太宰治の奥様は甲府出身の方でした。
昭和14年に新婚時代に
喜久乃湯さん近くに住んでいた太宰治は、常連さん。
太宰治の足跡を追いながら、
銭湯を訪れることができるなんて。

建物自体も、入ると昭和レトロ感満載。
下駄箱も木製で歴史を感じさせます。
扉を開けると広い脱衣所があり、
壁の上部にはなつかしい昭和的な看板がいくつも飾られています。

番台に座る奥様にお願いして、
看板を撮影させていただきました。
彼女に訊ねると、これらのお店の多くは今も営業しているとのこと。
「病院は息子さんが継いでいたりするから、
あの婦人科とあの外科は今もやっているわね。
それからお寿司屋さんも息子さんが継いだから、
今もありますよ」とのことで、
地域社会に深く根付いたお店が多いようです。
お話を聞いていると、
きっと広告料をいただいていないであろうことが
想像できます。

ヘアースタイルではなく「ヘヤースタイル」というのもオツです。

脱衣所のロッカーももちろん木製。
ご近所の方々は上部に鍵のない棚に
お荷物を入れていました。
昔ながらのアットホームな雰囲気が漂っています。

お風呂に入ると、浴槽は中央にひょうたん型が2つあり、
それぞれ熱めのバイブラ湯とバイブラナシのお風呂。
その奥には少しぬるいお湯(源泉を加温と書いてあります)の浴槽があり、
源泉と書かれた浴槽もあります。
その奥にドライサウナの扉がありました。
サウナ込みで430円。しかも温泉。
どの浴槽も源泉掛け流しで、泉質が実に心地よく
お風呂好き、温泉好き、サウナ好き、昭和好き
にはたまらない銭湯♨️。

特に源泉はちょっとひんやりする水風呂で、
サウナの後にはピッタリ。
ぬるいお湯は不感湯みたいな感じで、
とても身体に優しい感じがしました。

サウナは詰めたら10名は入れそうです。
ドアには3名までと書いてありましたが、
お伺いしたときは貸し切り状態でした。
サウナでしっかり汗を流した後、
源泉のお風呂でリフレッシュするのは格別の体験でした。

太宰治もこのお湯に浸かったのかと思うと、
なんだか不思議な気分に包まれます。
お湯のなめらかさと泉質の良さは、
訪れる価値があること間違いありません。
甲府での銭湯体験は、
歴史と温泉の魅力を感じる素晴らしい冒険。

2階の大広間も有料で利用できるようで、
持ち込み自由、何時間滞在もOK、
そしてまた温泉に入るのもOK
と、お風呂好きには一日過ごせる場所のようです。

帰りに、番台の奥様に
「維持も大変だと思いますが、頑張ってください」
とお伝えすると
「ぜひまたいらしてくださいね」
と笑顔で応えてくださいました。
100年を迎えてもらいたい、
そう思った温泉銭湯さんでした。

頂いたパンフレット
お風呂の様子
脱衣所の看板がレトロ
やまなし立ち寄り百名湯手帳より


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