王国/中村文則 読了
本作は私の大好きな中村文則の作品・掏摸の続きとなる物語だ。
主人公・ゆりかは子供時代を施設で過ごした。大人になってから出会った友人の死後、その息子が同じ施設に通いだし、その子供を愛し、病から助けるために、闇へと沈んで金を稼ぎはじめる。
この闇に潜む男が格好良い。
掏摸の時は、自分もスリに手を染めたい衝動を抑えるのが大変だった。とにかく格好良い。この本を薦めた友人は、目の前で男性(友人)の文庫本をポケットから掏ろうとしていた。
今回は、闇の世界に対する羨望が止まらない。
魅力的に書かれているし、すごいと思うが、作者よ、どうしてくれる。
主人公の話の裏で、政治家や表の経済に影響が出る。
こんな組織本当にあったら、と思ってしまう。
どうしてくれるんだ作者!
今回も理性で繋ぎ止めるとする。
たかほ
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