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基礎音楽理論のお話④【Chromatic Mediant】

最近凄く暑いですよね(現在LA最高気温33℃)。さて、今回の基礎音楽理論トピックはChromatic Mediant(クロマティックミディアント)です。

Chromatic Mediantとは

前回まででモーダルインターチェンジに関して色々書いていきました。それと同様基本的には部分転調の仕方の一つです。音楽理論とは雑に言っちゃえば音の使い方を言語化したものですよね?物事には名称がつけられます。この技法は転調の仕方のうちの一つであり、モーダルインターチェンジもその一つです。

どんな時に使われるの?

その強烈でドラマティックな響きから主に映画音楽等で頻繁に使われています。また、フュージョンやポップスにも使われています。が、アレンジ次第ではただ単に不安定なサウンドになったりおかしなサウンドになったりしますので用法容量は守って正しく使いましょう。でも不安定なサウンドもおかしなサウンドも僕は大好きです。用法容量を守っても正しく使う必要はありません。極悪サウンドになっても要は『聴いてそれを良いと思ったらそれが正解』です。それをみんなが好きになるとは限りませんが。

ではChromatic Mediantって実際どういうものなの?

さて、実は今回のトピック、僕がnoteを始めようと思ったきっかけでもあります。この技法を勉強していてこれをなんとかしてみんなに伝えたいって思ったんですよね。そこでnoteに出会ったわけです。でも基礎理論とはいえやっぱりいきなりこの話をしてもみんな???ってなっちゃうと思ったんで手頃なモーダルインターチェンジからやらせていただいたわけです。Anyway、さっそく見ていきましょう。

まずこの技法、端的に言うと3度転調です。M3rd↑、m3rd↑、M3rd↓、m3rd↓の動きをまず頭に入れておいてください。それから、共通音の数がキーです。

ところで同主調と平行調は皆さんお判りでしょうか?同主調は名前の通り同じ主音なので例えばキーがCメジャーだったら同主調はCマイナーキーになります。平行調は調音記号上では同じまま、つまり平行のまま調の名前が変わります。Cメジャーキーでは中身の音の同じAマイナーキーという感じですね。平行調は正直キーそのものが変わるというよりそのキーの名前が変わるだけなのであまり気にしなくても大丈夫です。でも名前と意味合いだけは覚えておきましょうね、混合してしまう人もいるので。

今回のトピックではこの二つが重要なカギになりますので頭にいれておいてくださいね。ちなみに英語では同主調はパラレルキー(Parallel Keys)、平行調はリラティブキー(Relative Keys)といいます。

さて、ここからが面白くなってきますよ。これから画像でまとめたものを貼りますね。

画像1

わかりやすくなるように色々調整しようと思ったんですが.txtでは限界が...

とにかく今貼り付けたこの画像、どういうことかというと上半分がCメジャーからのChromatic Mediant、下半分がCマイナーからのChromatic Mediantということになります。左はコード名、真ん中がそのコードの構成音、右が元になるコードと共通する音とその数です。強調しました。重要ってことですね。

3つの括りの名称

まず基本的にこのChromatic Mediant、長3度上と短3度上、長3度下と短3度下のメジャーコードとマイナーコードに動かすというのが大まかな内容です。メジャーからとマイナーからを含めて合計16個になります。が、実際この16個の中で括りが3つに分かれます。共通音の数が2つのものをダイアトニックミディアント(Diatonic Mediant)、共通音の数が1つのものをクロマティックミディアント(Chromatic Mediant)、共通音の数が0のものをダブルクロマティックミディアント(Double Chromatic Mediant)と呼びます。

ダイアトニックミディアント(Diatonic Mediant)はその名の通りダイアトニックコードです。同じキーのダイアトニックコードに入るので転調もしてないです。

クロマティックミディアント(Chromatic Mediant)は今回の題材です。共通音は1つ、またわかりやすい特徴として必ずコードの機能が同じになります。
例えばCmajならクロマティックミディアントはEmaj、Ebmaj、Amaj、Abmajです。CminならクロマティックミディアントはEmin、Ebmin、Amin、Abminです。

ダブルクロマティックミディアント(Double Chromatic Mediant)は共通音が無く、響きも強烈ですがこれも映画音楽等では頻繁に使われています。それから必ずコードの機能は逆になります。が、ダイアトニックミディアントも機能は逆になります。なので混合しないためにもダイアトニックコードは必ず把握しておいてください。

実際に響きを聴いてみる

ではいくつか例をMIDIで打ち込んでみたので一緒に貼るコード進行と照らし合わせて響きを確かめてみましょう。なお、インヴァージョンを含めてますのでいくつかの共通音を確かめるためにもヘッドホンの使用をお勧めします!

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まずこれはCmajから短3度上、長3度下、短3度下、長3度上に移動してます。全部同じ機能のコードなので全部クロマティックミディアントですね

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これも全部クロマティックミディアントです。動き方はCmから長3度下、短3度下、長3度上、短3度上です。

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これは色々ミックスしてみました。

Cmajから長3度下のクロマティックミディアント、短3度下のマイナー平行調、短3度下のクロマティックミディアント、短3度上のダブルクロマティックミディアント、長3度上のクロマティックミディアント、同主調のマイナー、長3度上のクロマティックミディアント、短3度上のダブルクロマティックミディアント、短3度下のクロマティックミディアントになります。


さて、今回結構長くなってしまいましたがここまでにしておきましょうかね。長すぎてもまとまらなくなっちゃいますし。

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