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XENO公国

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xenoカードの世界観を冒険ファンタジーの私小説にしてみました。
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2020年5月の記事一覧

XENO公国 No.70

XENO公国 No.70

0070〜二人の皇帝"な、なにごとだ!"
マジェラはあわてて兵士に問いつめた。
"ミジェラ殿がこちらに向かってきている模様です!"
"なぜだ?城門の外にいるはずのヤツが城内に入ってきた?"
不思議がっているのも無理はない。マコトはミジェラを城内に誘導しつつ城からは死角になるように計算していたのだ。
"ほらほら、こっちこっち"
マコトはミジェラにささやくように誘導していた。
すると、どこからかモメる

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XENO公国 No.69

XENO公国 No.69

0069〜二人の皇帝"こ、これ以上の侵入は禁する!で、出てゆけっ!"
兵士たちはマコトを見るも及び腰で包囲していた。
"皇帝と話がしたい。お前たちでは相手にならない。相手になってもいいけどな"
マコトは兵士たちを挑発する。
"ええい!なにを怯えているんだ!相手は子ども一人だぞっ!"
兵士の一人が叫んだ。
"だったらアンタが来なよ"
マコトは言った。
"なにを!おのれっ!"
一人の兵士がマコトに襲い

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XENO公国 No.68

XENO公国 No.68

0068〜二人の皇帝"ゴンゾさんはやさしかったんだ。結局いつも寄り添ってくれてた。それなのにオレをかばって死んでしまったんだ!"
マコトはくやしげに言った。
"なるほどね。確かにアンタがすべきことはゴンゾの分まで生きることさ。ワタシだって辛いさ。けどね、ダンチを失ってあの貴族門番を倒してくれたのはアンタたちだよ!ゴンゾに希望を与えてくれたんだ。もちろんワタシら城下町の住人にもね。そのアンタが自暴自

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XENO公国 No.67

XENO公国 No.67

0067〜二人の皇帝マコトはいらだっていた。
・・・・・・
いつまでたっても両親に会えやしない。なんなんだ!迎え撃ってばかりじゃないか!オレは強い。結局、城から来た暗者だかなんだかしれないがやっつけた。今のオレに敵う者なんてない!今のオレが最強だ。皇帝すらやっつけてこの国ごと変えちゃえばいいんだ。そうして両親を呼び寄せて、家族で城で暮らせばいいんじゃないか!そうだ!このかついだ二人を皇帝の前にみせ

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XENO公国 No.66

XENO公国 No.66

0066〜二人の皇帝"メジェラさまたちがやられました!"
兵士が皇帝に伝えた。
"な、なに?三人ともやられたのか!"
マジェラはビックリした。
"そうです!なんでも、たった一人の少年にやられてしまったようです"
"して、その少年は今どこにいるのだ?"
皇帝は問いつめた。
"メジェラとモジェラをかついでこちらに向かっているようです"
"皇帝陛下、ミジェラを行かせてよろしいですか?"
マジェラは皇帝に

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XENO公国 No.65

XENO公国 No.65

0065〜二人の皇帝"マコトを追いかけるんじゃったら、せめて上位カードは必須じゃ。北の鬼山のさらに北に雪で閉ざされた洞窟がある。そこに住む兄弟がめっぽう強いと聞いたことがある。ゼクノライトを使った研究もしていると聞く。そこで一つ勝負を挑んでみたらどうじゃな?"
"やられたら死んじゃうのかな?"
マヒルは不安気に言った。
"う〜ん。どうじゃろ。皇帝じゃあるまいし、この国を支配することに興味はないと思

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XENO公国 No.64

XENO公国 No.64

0064〜二人の皇帝"あ、あれ?"
マヒルがビックリして言った。
"おーお、よく来たな。ご苦労様じゃったな"
ゲン爺はあっけらかんと言った。
"ゲン爺さん!ゴンゾさんがやられて死んじゃったんだよ!"
"うむ。ゴンゾの魂がこっちに来てな、詳しいことは聞いた。マコトは救えなかったんじゃな"
"ゴンゾさんが来たの?"
マヒルはよく分かっていないようだった。
"ワシの能力じゃよ。ワシの加護を受けた者は死ぬ

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XENO公国 No.63

XENO公国 No.63

0063〜第二の皇帝ゴンゾの周りでマナカ、マヒル、ヤギリが泣いていた。
"おにいちゃん、どうなっちゃうんだろう"
マヒルが言った。
"マコトはゴンゾさんをお兄ちゃんみたいに慕ってたわ。私たちは頼れるお兄ちゃんがいるけど、マコトなりにいっぱいいっぱいだったんだわ"
マナカは想いを口にした。
"マコトくんは行ってしまった。ボクたちがマコトくんを止めるより、ゲン爺さんと一緒にマコトくんを説得しに行かない

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XENO公国 No.62

XENO公国 No.62

0062〜三つ巴の交戦マコトがゴンゾに駆けよった。
"ふふっ、しくったな。"
ゴンゾは力なく言った。
"ゴンゾさん!ゴンゾさん!"
マコトは気が動転している。
"いいか?お前は強いがココロがついてきてない。一回ゲン爺会ってお前はお前自身を見つけるんだ。いいな!"
ゴンゾはこの言葉を後に動かなくなった。
"なんだなんだ。コイツ、ヘコんでんのか?モジェラよ。一気にたたんじまうぞ!"
"おう!"
ムジェ

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XENO公国 No.61

XENO公国 No.61

0061〜三つ巴の交戦マコトの動きが研ぎ澄まされて、モジェラは捕らえることができずにいた。ただそのことはマコトが自分を制御出来なくなる予兆でもあった。
モジェラは渾身の一撃を加えるものの、マコトにはかすることすらない。
"マコトよ。その強さ、惜しくはないのか?皇帝はそのチカラを望んでおるぞ。そなたなら両親すら解放してこの国をお前の望むように出来るのだぞ!"
モジェラは諭した。
"う、うるさいな!お

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XENO公国 No.60

XENO公国 No.60

0060〜三つ巴の交戦"あっ、ヤギリ!こんなのに大丈夫なの?"
マナカは不思議そうだった。
"ああ、これね。確かに一筋縄ではいかないけど、これも効果の発動なんだよね。まずマヒル!これ、守護の効果で守れるよ"
"えっ!そうなんだ?よし"
マヒルは乙女のカードを使い、守護の効果を発動した。
"これでよし。これからなんだけど、これを渡すからモジェラの足下にあるゼクノライトを無効化してほしいんだ。直接当て

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XENO公国 No.59

XENO公国 No.59

0059〜三つ巴の交戦"コイツらやたらと闘いを熟知してやがる。ムジェラ!早めに勝負をかけるぞ!"
"分かった"
するとモジェラは懐から黄色と赤のゼクノライトを取り出し足元にまいた。
ムジェラは同じように自分の懐から青のゼクノライトをまいた。
するとモジェラの周りに煙のようなものが立ち込めてモジェラごと覆いつくしたのだ。
"ふははっは。見るがいい。これが有色ゼクノライトの威力だ!"
モジェラの身

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XENO公国 No.58

XENO公国 No.58

0058〜三つ巴の交戦"これだけ増えてくると正体をつかみにくいわ!
どこかに本体がいると思うの。結界をまず解くのよ!"
マナカは分析した。
"ボクがやってみるね"
マヒルがメジェラの足元を見まわすと、キラキラ光る石の破片が散らばっていることに気づいた。そこで皇帝の杖をつかって風をおこした。
マヒルのレベルでは竜巻まではおこせなかったが、足元の石を散らばせるには十分の風だった。
メジェラの周りのキラ

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XENO公国 No.57

XENO公国 No.57

0057〜三つ巴の交戦準備はできていた。すでにヤギリ以外のメンバーは三の橋でマコトとゴンゾに合流し、一通りの策は練っていた。
それでも暗者たちの侵入手段を妨げることはできなかった。
すでに女装したモジェラは商いの男に取り込み
貴族たちを迎え入れる側にいたし、ムジェラは北の城門の門番になりすましていた。
ただ一人メジェラだけが皇帝からの使い番として馬を引き連れて三の橋に向かった。
"ご機嫌よう!反乱

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