見出し画像

XENO公国 No.67

0067〜二人の皇帝

マコトはいらだっていた。
・・・・・・
いつまでたっても両親に会えやしない。なんなんだ!迎え撃ってばかりじゃないか!オレは強い。結局、城から来た暗者だかなんだかしれないがやっつけた。今のオレに敵う者なんてない!今のオレが最強だ。皇帝すらやっつけてこの国ごと変えちゃえばいいんだ。そうして両親を呼び寄せて、家族で城で暮らせばいいんじゃないか!そうだ!このかついだ二人を皇帝の前にみせれば、両親を取り返せるぞ。逆らったらやっつけるまでだ!なんだなんだ?まわりの人たちがオレを見ているぞ。不思議がっているな。恐いのか?確かにこんな大男を二人もかついだ子どもなんて不気味だよな。これが皇帝のチカラってやつか。そのうち城を支配したらオレに従うんだな。腹へったな。どこかで飯でも食べるか?
・・・・・・
"アンタ、お腹すいてるんじゃないのかい?"
マコトが目を向けると女が立っていた。
"これから皇帝に会いに行くんだけど、なにか食べさせてくれないか"
マコトは言った。
"いいよ。ただしそのかついだモノは置いてっておくれよ。臭くてたまらないからね"
女はぶっきらぼうに言った。
"いいよ"
マコトはかついだ二人をおろすと女について行った。
"みんなオレを避けるけど、アンタはオレが怖くないのかい?"
マコトは不思議がった。
"お腹がすいてんだろ。食べたら出てってもらうよ。アンタが暴れたらこの街が壊れそうだ"
"なるほどね。食べたら出ていくよ"
マコトがついていくと小さなバーがあり、女はそこに入っていった。どうやらそこの店主のようだ。
"臭くてたまらないね。ご飯作っておくから、奥の風呂場で身体を洗っておいで"
"うん"
マコトは風呂場で身体を洗いさっぱりしてから身支度を整えて料理の待つ部屋に入った。
"おやおや、男前になったね。うちには娘しかいないからオンナ物の服しかないけど、気に入った物があったら着ていいからね"
''なんでこんなに親切にしてくれるの?"
マコトは素朴な疑問を聞いた。
"ワタシがゴンゾの嫁だからさ"
"ええっ!"
マコトはビックリした。

#XENO公国

西野亮廣さんのモノマネみたいに夢が広がってゆけばいいなと信じてやってゆくよ!