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多様性、ですか。

多様性(Diversity)は、昨今の会社や組織において、とても重要とされている価値の一つだと思います。日本では特に男女比率が注目されますが、それ以外にもバックグラインドや年齢層、国籍や民族の違いなど、多様性と言われる要素は多岐にわたると思います。私もその多様性という中で、色々経験をさせてもらった、恩恵を受けている側の一部でもあると思いますし、総論の概念に関しては賛成といえます。

ただ多様性が大きく叫ばれている米国や欧州は社会全般的に進んでいるかというと、そうでない部分も多いように個人的には感じます。(だから進めなくてよい、ということではないですが、ダブルスタンダード的なものが少し見える気がする、という程度です)

金融機関の全従業員に占める黒人の割合は13%で、マイノリティー(人種的少数派)のなかでは最多だ。ところが最上級の職位についてみると、07~18年の間に比率が下がった唯一のマイノリティーであることが調査で分かった。その比率は2.87%から2.62%に低下していた。金融各社がマイノリティーの人材発掘や訓練、指導を通じて、人種の多様性の推進に向け多角的な取り組みを進めるなかでの比率低下だ。...黒人の割合が大きく増えたのは金融業界の人員の42%を占める下位職だけであることを示している。黒人従業員が下位職に占める割合は、07年の17.4%から18.9%に増加している。

また直近では、コロナ禍のアメリカにおいて、トランプ前大統領の『中国ウイルス』の発言もあり、中国出身であっても、なくてもアジア人への差別が悪化している、と言われています。そしてアジア人に対する暴力やパワハラも起こっていると聞こえてきます。

もう少し東アジアの側面というと、米金融企業は比較的ダイバーシティが進んでいるセクターでは有るものの、企業トップにアジア人というのは本当に数名、いうレベル。GAFAMのような米系IT企業では、どちらかと言うと、インド系など南アジア系の方も多くリーダーになっている印象。下記記事には”Change-Agent(変革を起こす)”、という面では東アジアに帰ってくることが、と中華系教授がお話されていますが、本当にそういう理由だけなのかな、と感じるところもありました。

また国際的企業のみならず、日本人人材は国際機関でのリーダーにつきにくい、という状況も足元あるようです。国際機関ほど多様性が必然的に存在する組織の中で、政治的要因以外にも、適切な日本国籍の人材が出てこない、というのは人材育成ができていない、実務経験が少ない、英語という要素以外にも、異なる要因があるような気がします。(多様性が本当に問われているのか、という面も含めて考えても良いのかな、と感じます)

国際社会における重要な会議に個人として参画したり、国連機関トップの選挙で当選したりするためには、①英語で完璧に仕事ができること、②閣僚、または国際的な選挙で選ばれる組織の長の経験があること、③特定の専門分野に関する国際社会のインナーサークルにおいて個人名で認知されていること――、最低限以上3つの要素を有していることが必要条件となってきている。...特に、若くして①のような国際性を涵養し、③のように国際社会のインナーサークルに食い込むような経験を積むことは、日本のような年功序列・終身雇用の社会では難しい。

何かしらのきっかけになれば、と思います。








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