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高炉型製鉄の今後②

現状のままだと縮小均衡へ向かっている日本の鉄鋼業界ですが、その際に経営陣による取捨選択が出てくるわけで、例としてに下記のように神戸製鋼所は収益の出ている売却を進めています。

高炉型製鉄企業はグループ会社に電力、IT事業やエンジニアリング、不動産に加えて、鉄鋼商社事業、もしくは海外事業として鉄鋼関連の下工程の設備や鉱山の権益などを持っているケースが多く、その中では恒常的な黒字体質である事業も存在します。

難しさは今後も一部で事業売却はありえるものの、特に黒字ビジネス(もしくはCashcow)を売却しても、本丸の製鉄事業の悩みは消えず、製鉄事業の撤退も他事業とのシナジーを失うだけという、押しも引きもできにくい会社が多い、という点です。

GEのように、金融など非伝統的な事業で成長していた会社も2008年の金融危機もあり、原点回帰ということで製造業中心のビジネスモデルに転換(残りは電力、航空機、ヘルスケア、再エネ)しようとしていますが、株式市場の評価は右肩上がりの市場全体と対照的に、右肩下がりとなっています。(2020/5/14まで過去五年で80%近くの下落)

日本に目を向けても、様々な不祥事があった東芝でさえ、半導体事業の売却もありましたが、株価低下は過去五年で20%程度の下落、となっています(高炉型鉄鋼企業の株価は同期間で70%以上の下落)。その一方でソニーのように過去5年で70%以上の株価上昇を見せた総合企業もあります。

私は、一定の業界内の規模縮小が進んだのちには、業界内再編以上に、異業界との再編があると思っています。重工系や機械などの企業、ITや通信、航空・ロケットなどもあるのかもしれません。少なくとも、比較的大きなLeap Forwardが求められている気がします。

こちらにもつながっていますので、ご覧ください。

#COMEMO #NIKKEI

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