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スエズ運河の座礁、徐々に影響ありか

私の投稿の中で一番の閲覧数を頂いているのが海運業界に関する下記記事です。また2021年初にはコンテナ船不足も話題となりました。

そして現在コロナ禍において、ワクチン等も広まりながら、世界経済が回復し始める段階で、グローバル貿易に影響を及ぼしそうな、エジプトのスエズ運河で大型船が座礁して、3月23日の事件発生から既に数日間、ずっと解決できずに引っかかっております。

大型コンテナ船の座礁で塞がれたエジプトのスエズ運河は、地中海と紅海をつなぐエジプト・スエズ地峡に整備された世界最大級の人工運河だ。通過する船は世界貿易量の約1割を占める。北から南へ向かう貨物の6割が日本を含むアジア向けで、極東向けは5年前から倍増した。…1869年に全長164㌔㍍で開通し、当時の最大積載重量は5000㌧だった。世界の海上輸送量の増加や船の大型化に伴い、複数回にわたって水路の拡張を繰り返した。現在は全長193.3㌔㍍に伸び、最大積載重量24万㌧までの船が通航可能だ。
事故から2日近くたった25日午前4時すぎには、画像上部の湖や下部の紅海側の入り口周辺で、船の密集度が高まっている。船が渋滞しているとみられ、貨物船やタンカーも数十隻単位で含まれる。23日朝に座礁したのは台湾のエバーグリーン・マリンが運航するコンテナ船「エバーギブン」(22万4千トン)。…座礁船を所有する今治造船グループの正栄汽船(愛媛県今治市)が25日に発表したコメントの中で「困難を極めている状況」と厳しい認識を示した。事態が長期化すれば、船主の正栄汽船は運河庁から収入の損失補償や他の船舶からも賠償を請求される可能性がある。…自動車船大手の日本郵船や商船三井、川崎汽船は現状で大きな遅れは出ていないとする。

また満潮を利用して離礁を目指していたが、どうもうまくいっていない模様。そして船主の正栄汽船は、船に関する保険に入っているものの、座礁によるコンテナ船からの請求やエジプト現地の法律との関わりに関して、今後の対応はこれから、とったようなコメントをしている。

荷主などから(賠償などの)請求の動きは…今のところは特にきてない。まずは(運河の)復旧を優先し、損害額の請求が来ればその後からの交渉になる。船体保険は日本の保険会社3社、賠償責任保険は海外のものに入っている

そして影響は既に出始めているようで、IKEAはこれ以上座礁による遅延が起こると、サプライチェーンへ影響があると公表。加えて座礁からの遅延により生じたコンテナ製品へのコストは、毎時4億米ドル程度かかると推定されており、既に数兆円レベルのコストとなっている模様。この損害賠償が船主を含めて負担する必要があるのかわかりませんが、保険会社が払うにしても、かなりの損失になりそう。。

The Suez blockage costs approximately $400 million per hour in delayed goods, according to an estimate from Lloyd's List. As of Saturday, the canal has been blocked for over 72 hours, costing companies approximately $29 billion.

すぐにはわからないものの、特にコンテナ船で運ばれる日常製品や家具、機械・自動車などへ、時間をかけて影響が出てくるのでしょう。


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