ブランド価値へのアップデート

ブランドは無形資産の典型であり、資産自体は目に見えないものの、人々がお金を使う先、とでもいえようか。またそのブランド価値は一般的に『稼げる力』で図られ、私の印象では、投資を例えしたとしても、将来どれだけそのブランド価値が『儲かるか』というのは、その後のキャッシュフローに依存し、予知しにくいのでは、と感じる。そこで2つ、現在ブランド価値が問われている企業を例に書いてみたい。

1つ目は浜崎あゆみやTRFが所属している、エイベックスという音楽や映像事業を行っているエンターテインメントの会社。コロナ禍で音楽ライブなどが開催できなくなり業績悪化、希望退職者を募っているいる一方で、社長さんが多額の株式を売却したとかしなかったとか。社内要因も大きいようだが、同社の構造改革の一環で上記記事のように、南青山の本社ビル売却を検討している、と書かれている。

映像とか音楽ってコロナ禍だから、自粛中で業績がよくなっているのかな、と思いきや、その逆にようで。90年代から2000年代の有名アーティストは多かったものの、その後の人材やデジタル市場への投資、詰まるところ、ブランド価値持続、というところで出遅れてしまったことが、このような虎の子資産売却に至らないといけない理由の一つでもあるのかな、と感じた。

もう一つは、銀座や六本木、新宿にもありますが、北京ダックの老舗チェーン『全聚徳』が既に倒産手前、という話。老舗であるが故に、もあるでしょうが、中国国内の同業他社の北京ダックよりも高価格でありながら、評判がすごく高い、ということでもなかった模様。また最近中国では官僚に対する接待などが厳しくなる、といった外部的要因もあり、収益が落ち込んでいたところに、コロナ禍の影響が加わり、過去三年間の利益を2020年の1-9月で使い果たしてしまった、ということ。

この全聚徳の例から見ると、価格だけでなく、味やサービスなど、老舗と言えど変化に対応していかないとブランド価値は低下し、生き残れなくなる、といった感じか。ビジネスの持続性の難しさを感じる次第である。



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