見出し画像

トランプが懐かしい?

米国のバイデン政権が始まって、約2か月。前回投稿のように、昔の西側諸国による対中政策が多く出てきたような気もします。

特に先週米国のブリンケン国務長官は、日本・韓国をオースティン国防長官と共に歴訪、両国で外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開き、その後自国のアラスカ州に戻り、米中トップ会談が2日間に渡り開かれたが、トランプ前政権時代のやり取りとは違う次元へ外交交渉が動くのでは、と垣間見えた。

ブリンケン米国務長官は「新疆ウイグル、香港、台湾。米国へのサイバー攻撃と同盟国への経済的な強制行為を含む、中国の行動に対する私たちの深い懸念を提議したい」と切り出した。「どれも世界の安定を保つルールに基づく秩序を脅かし、単なる内政問題ではない」と、米中関係史に残る応酬の口火を切った。「中国には中国式の民主主義がある」「米国民の多くは民主主義への信頼を失っている」。中国外交トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員は報道陣のカメラの前でまくしたてた。トランプ前政権の対中圧力は2国間の経済取引だった。高い関税や中国製のハイテク部品排除などをちらつかせ、貿易合意や農産物購入で譲歩を迫った。バイデン政権は米中2国間の取引でなく、同盟国や友好国との協調で仲間を増やし、中国を囲い込んで圧力をかける手法をとる。ウイグルやチベットでの人権侵害や香港、台湾の民主主義への圧迫など、中国の政治体制に踏み込む覚悟を見せる。...「あなた方は中国にそのようなことを言う資格はない!」。中国の官製メディアはブリンケン氏に怒りをぶつける楊氏を英雄のように扱った映像をさかんに流す。
ブリンケン氏は記者団に「イランや北朝鮮、アフガニスタン、気候変動では利害が重なる部分もあった」と説明した。特定地域の安定を巡る課題で中国が貢献するなら歩み寄りもありうることを示唆している。気候変動問題も協力が期待できる数少ない分野だ。...中国は先に2035年までに国力を引き上げ、中等レベルの先進国にする長期展望を示した。…米国超えを狙う国家戦略が明らかで、中長期的な覇権争いも絡むだけに対立緩和は容易ではない。中国が高い関心を示す貿易問題の先送りも厳しさを象徴している。

経済的なメリットを優先して貿易制限や米上場廃止などのハードルを駆使して交渉していたトランプ前政権と、経済以外の面での協調を推し進めるバイデン政権。貿易問題がこのまま継続となると、中国側からしたら、トランプ大統領の方が話やすかった、懐かしい?なんて思うのだろうか。

またこの会談後に下記決定が発動された。米国でのファーウエイ禁止に対する反撃、とも取られるかと思いますが。

人民解放軍の複数の部隊が19日、所属する軍人にテスラを利用して軍事施設や駐屯地などに乗り入れることを禁じた。全方位カメラや超音波センサーから位置情報などの軍事機密が漏洩する恐れがあるとしている。

そういえば、テスラのイーロンマスク氏は民主党支持だったから、別にトランプ前大統領をすごく懐かしむこともないのか...


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?