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過去投稿からの進化・変化⑱エネルギー基本計画

以前にも下記のような、再エネ強化や脱炭素に関わる投稿を幾つかしてきました。(かなり長期戦で、難ありな点が多すぎる、という内容です)

また昨年から私も石炭火力の新設禁止など、日本のエネルギーミックスを考える上で重要な項目について書いてきましたし、同時にこの流れは2021年のエネルギー基本計画へ繋がっている、という点もご紹介しておりました。

そして去る7月下旬に経済産業省から2030年を見据えたエネルギー基本計画が出てきました。(下記リンクが同省による素案サマリー)

内容をどこまで読まれるか、にもよりますが、素人の私には、重要ポイントが多すぎる?というか、中身をどうしたいかまでが長い?というか、かなり重たい内容が多く書かれています。

一方素人の私でも疑問に思ったのが、いくら人口減や産業界の革新的な取り組みがあろうとも、2013年度対比で2030年度の電力需要が10%弱低下する、と書かれている点についてはかなり無理があるような気がしました。

他の専門家は下記のようにコメントされていました。

2030年度までにCO2排出量を46%削減するという政府目標を達成するための、数字合わせのような新しいエネルギー基本計画で、果たしてその実行可能性が11月のCOP26など国際社会の場で疑問視されることはないのか、石炭火力発電の利用継続の方針が国際社会の強い批判に晒されることがないのか。一方、原子力を用いた発電の拡大については、その安全性の観点から国内で強い反発を受けることが必至である。まさに「内患外憂」であり、日本の地球温暖化対策、エネルギー政策は、漂流し始めているようにも見える
エネルギー基本計画について議論してきた経産省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会で委員を務める国際大学副学長の橘川武郎氏は、「つじつま合わせとしか言えない内容で、多くの面でミスリードを生んでしまう。こうした電源構成なら策定する必要はない」と指摘する....エネルギー基本計画は近く取りまとめられ、閣議決定される見通しだ。橘川氏は「(素案のまま進めると)再エネと原子力で目標に対して約15%の未達になり、その分を火力が補う可能性が高い」とし、「46%目標も未達に終わり、(温室効果ガスの)排出権を他国から買うことになるだろう」と危惧する。では、どうすべきなのか。橘川氏は「電源構成を無理につくるのではなく、別のKPI(評価指標)を設定するべきだ」と主張する。あるべき姿を電源構成で示す手法だと、再エネ比率を上げれば何かの比率を下げなければならない。つまり、帳尻あわせが避けて通れない。

あまり芽が出ていない学生アスリートが次回のオリンピック出る!という野心的目標をもって練習や試合に臨むのは素晴らしいものの、オリンピック出場という目標達成にはやはりステップがあるわけで、そのステップをどれだけ早く、効率的に踏んでいけるかが重要です。

同じくエネルギー基本計画は政治色が強い為、CO2削減が46%(小泉大臣の浮かんできた数字ですね)や再エネ比率を高く、30%台にするという目標達成のため、逆に電力需要も大幅に減少させるなど、政府がコントロールできない項目が散りばめられていることに、やはりこのままでは目標さえ近づきもしないのでは、と素人でも感じるわけでした。

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