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「新しい時代のお金の教科書」|読書メモ

本を通じたアウトプット。誤読も含め、楽しんでいきたいです。

思想家・事業家である山口揚平さん(@yamaguchiyohei)が書かれた本です。
ここで語られているのは、「お金をどう貯めるか?」「投資方法は?」といったマネーリテラシー的な話ではなく、「お金の本質とは何か?」という骨太なテーマです。
正直、私はいままで「お金の本質とは?」と考えたことはありませんでした。今回この本を通じて感じたこと、考えたことについて触れてみたいと思います。

マイ・サマリー

◆お金の本質とは「信用」と「汎用」
◆自分軸で世の中に貢献して価値を創り、ネットワークを広げることが重要となっていく

ピカソはお金持ちだった

冒頭で触れられているのが、画家ピカソのお話です。ピカソが亡くなる時には7500億円もの資産を持っていたと言われているそうです。
ピカソがそのような資産を築くことができたのは、お金の本質を知っていたからだと著者は述べています。
・ピカソは物語とつながりを通してお金を得ていた
・ピカソは対価をワインで受け取った
・なぜピカソは小切手を使ったのか?

ピカソは一流の売り手でもありました。(中略)ピカソは絵を描き上げたら画商達を集めて、絵を見せる前に1時間くらい話をします。この絵にどのような背景があり、どのような心象風景を描いたものかを話すのです。(中略)人はモノを買うのではなく、物語を買う、それが彼には分っていたのです。そうやって絵の価値と価格を上げていったのです。(位置101)

またピカソは日常生活の少額の支払いであっても小切手で支払っていたそうです。普通、小切手はすぐに換金されます。しかし、ピカソの支払った小切手にはピカソのサインがあります。受け取ったお店の人は、ピカソのサインがあることで換金しないため、ピカソは支払いをしなくて済んだというお話です。
ピカソはお金の裏にある本質を見抜いていたと著者は述べています。物語がお金になる、サインがお金になると。なぜお金になるかといえば、お金の本質は「信用」であることを知っていたからです。ピカソは物語やサインが「信用」を作り出し、「信用」を広げていくこと=汎用化させていくことでお金を得ていたのです。

この本のメッセージ

正直、この本は奥行きが深く、簡単にまとめることは難しいですが、私が切り取ったメッセージは以下です。

・お金の本質とは、「信用」×「汎用」である
・貨幣の本質的な問題は、「文脈を毀損してしまう」こと
・お金は「稼ぐもの」ではなく「創るもの」である
・将来の究極的なお金の姿は、お金のやり取りすらなくなること
 家族間でお金をやり取りしないように、社会全体でお金をやり取りしない将来も考えられる

本を通じて語られているのは「信用」というキーワード。お金の歴史はこの「信用」というものを、いかに「汎用」にするかというものだったと述べられています。(贈与→個人間での記帳→兌換通貨の発行→不換通貨の発行)
そして未来はどうなっていくのか?お金の本質を「信用」と「汎用」と考えると、テクノロジーの発展とともに新しい世界を想像したくなります。

この本をどう生かしていくか

世の中にはモノサシで計れるものと計れないものがあります。計れるものとしては数字。収入額、資産額、株価、偏差値、フォロワー数などなど。数字には魔力があって、数字をどんどん増やしていきたいという欲求にかられます。ともすると、数字のために他人に評価してもらいたいという道にはまってしまう危険もあります。
しかし本来「信用」というものは数字というものでは計れないものです。自分の軸で、自分ができることで社会に貢献していく。その中で目に見えない「信用」が貯まっていく。自分も含め、目に見えるわかりやすいモノサシを基準にしてしまいがちですが、「信用」というものに着目するのではあれば、やはりこの目に見えないモノサシを意識していくべきなのではと考えました。
例えば仕事でも、自分のミッションに直接関係する目に見えやすい成果を求めていきがちです。もちろん成果を出していくことは必要ですが、この目に見えないモノサシを意識すると、仕事に対するマインドも変わってくる気がします。
また社会に対して何か貢献したいという意識も持つことができます。自分の軸を見つめなおし、自分の好きなこと、得意なことは何かを考えてみる。そしてその自分なりの軸で、数字にならなくても貢献できそうなことにチャレンジしてみる。そのような活動の中で「信用」を創り、貢献のネットワークを広げていく、そのようなマインドになることができました。

お金の本質から考える「信用」。これからの未来も想像する壮大な1冊です。







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