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部材の声を聴く【詩的DIY】

この世界の物質には見えないエネルギーがいつも充満している。

ものを作ることで得られる歓びは、まさにそのエネルギーとの対話だ。

"木"そのものが持つ靭性や硬さ、分子の結合力に由来するその力、じゃあ分子の結合力は一体どこから生じるの…?

今僕が、コントロールできるエネルギーを操作して、ある構造物を構築する。

「ビス」は材料と材料を、強力な引きつけ力でつなぎ合わせる、ものすごい発明品だ。
ビスを真っ直ぐに打つのと少し角度をつけて打つことは全く意味が変わってくる。斜めに打つことで単なる固定だけではなく、構造の微妙な歪みの補正や、どうしても出てくる面のズレなどに影響を与えることができる。

ビスの引きつけ力は、木材が持つ"硬さ"に依存して、ビスと木材の間に発生する摩擦力に担保されている。

金物を使わない日本の伝統的な建築は、この「引きつけ力」に頼らない組み立て方といえる。

つまり、摩擦力と重力だけを頼りに構造を構築する。

綿密な精度で穿った凸凹を組み合わせ、木材の伸縮性などを頼りにしながら、摩擦力と重力で接合されていく。

このストイックなエネルギーとの対話は、日本人のスピリチュアルな神性や文化とも深く繋がっている。

構造物は、エネルギーの総和である。

組みあげてみるまでわからない、構造物の揺れやガタツキ、なんとなく感じるしっくり感など。

完成したものをじーっと眺める時間がとても豊かに感じる。

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