見出し画像

#09_VUCAの時代を生きる大人に必要な能動的変革モデル「CRADLE MODEL」とは

こんにちは、チェンジマネジメントコンサルタントの江田泰高です。

第6回のnoteでは、私が監修しているセルフコーチングアプリ「クレドル」を紹介しました。そのなかで、時代の変化に対応するためには、自ら考えて行動する、すなわち「自走」する能力を身につけることが重要だとお伝えしました。

アプリの名称である「クレドル」は、私(江田泰高)が提唱している能動的変革モデル「CRADLE MODEL(クレドルモデル)」から引用したものです。今回のnoteでは、この「CRADLE MODEL」について詳しく解説していきます。

CRADLEとは?

画像2

そもそもクレドルは、英語のcradle「ゆりかご」が語源です。

想像してみてください。

子どもの頃、私たちはゆりかごの中に入っていました。ゆりかごの中は安全に守られていて、あまり外が見えない状態です。そこから子どもは、徐々に外に出て、いろんなことを発見して、気づいて、ときには失敗をしながら、一つひとつ新しい経験をして、自分自身の力にしていきます。

私たちは無意識のうちに、トライアンドエラーを繰り返していました。「ここを歩いたら、転んでしまうから危ない」「これを触ったら、熱いから触らない」「お父さんに怒られてしまうから、いたずらはしない」などの学びは、実際に自分の経験に基づいて形成されます。

失敗を糧にして、行動を改めていく作業を繰り返していくことで、少しずつ大人へと成長していくのです。

さて「CRADLE MODEL」では、すべての大人に対して、もう一度子どもの視点に戻って、いろんな気付きや発見をすることによって、新しい自分を作っていくことを提唱しています。

今までいろんな経験をした結果として、今のあなた自身ができていると思います。でも、もし全く違う経験をしていたらどうでしょうか?

おそらく全く違う自分になっていたはずです。なぜなら、今の自分がいるのは今までの経験の積み重ねの結果だからです。もう一度、子どもに戻って、またいろんな経験をしながら、自分自身の手で新しい自分を作り出していく。それが能動的変革モデル「CRADLE MODEL」です。

このモデルは、すべての大人にとって必要な要素を含んでいます。正社員だから安定という時代は既に終わりました。VUCAの時代、変わらなくてもいいやと立ち止まっていると、いずれ仕事がなくなる可能性もあります。正社員、フリーランス、経営者など関係なく、能動的に自分自身の手で変わっていく力が求められているのです。

それでは、「CRADLE MODEL」について解説していきます。実は、CRADLEの頭文字にはすべて意味が込められています。

C:Connect<情報・人と繋がる>

画像2

まず、CはConnect。「繋がる」という意味です。ここでの「繋がり」とは、さまざまな人や情報との繋がりを指します。新しい経験や情報を得るためには、積極的に人と繋がらなければいけません。家に閉じこもっているだけ、または、会社の同僚・家族・親しい友人など、同じ人間と付き合っているのは、とても楽なことです。しかし限られた人とだけ付き合っていると、どうしても視野が狭くなってしまいます。

多面的な視野や、多様な考え方を理解するためには、人との交流が欠かせません。大人になると、自分の専門分野に関しては詳しくなりますが、一歩外れたところ、もしくは自分が得意ではないジャンルに関しては、無知になることが多々あります。一方で、今まで触れてこなかった情報に積極的に触れることによって、新たな考え方に気づくこともあります。だから、まずはいろんな人と繋がること、アンテナを高くすること、それによりたくさんの情報を得ていくことが大事です。

繋がり方には、さまざまな方法があります。たとえばTwitterでさまざまなジャンルの人をフォローしてみる。すると、いろんな人の考え方が見えてきます。ほかにも、知り合いの人を紹介してもらったり、本屋さんで自分が普段あまり読まないジャンルを読んでみたり、大学院に通ったりすることも、人や情報に繋がる手段の一つです。

まずは積極的に、能動的に自分が変わるために繋がる。繋がりはすべてのきっかけであることを覚えていただければと思います。

R:Realize<新しい視点を得る>

画像3

RはRealize。これは「気づく」という意味です。たくさんの情報や人に触れることによって、今までにない新しい視点に気づくことができます。

気づくことは、行動を変える第一歩です。

「○○さんはこう思うだろうなあ」「あの業界ではこんな取り組みをしていたな」「あんな失敗をしている人がいたな」という気づきから、自分の仕事の仕方を見直します。仕事だけではありません。たとえばママ友と子育ての話をして、自分の子どもとの接し方を見直すこともあります。

他の人の考えや情報に触れることによって、今まで自分が採用してきたアプローチとは違う方法があることに気づく。それが大事です。たとえ新しい人や情報と繫がっていても、気づきがなければ意味がありません。

とはいえ、繫がらなければ気づきを得られないのも事実です。1人でいると新しい発想は生まれづらいからです。まず繋がってそこから気づきを得るのが一連の流れです。ただ繫がるだけでなく、「自分にはない視点は何だろう」と考えることが重要です。

A:Adapt<新しい視点を取り入れる、適応する>

画像4

AはAdapt。「取り入れる」という意味です。

取り入れるとは、単に「そういう考え方もあるよね」「そういう視点もあるよね」と気づくだけではなく、気づいた上で試したり、行動に移すことです。これが実際に自分自身を変えていく土台になっていきます。

CRADLE MODELは個人に重きを置いていますが、組織にも応用できます。「あの会社のDXで独特な取り組みをやっているみたいだ」と気づくだけでなく、「うちもやってみよう」と取り入れるのです。こうすることで組織はどんどん変わっていきます。

D:Develop<自分自身を発展させる>

画像5

DはDevelop。「発展させる」という意味です。

先ほど、Adaptで取り入れることが大事だとお伝えしました。しかし全く同じことをするだけでは成果はでません。自分の状況や、自分の置かれている組織の状況によって、アレンジすることが必要です。

アレンジする上で重要になるのは、「それを変えたことで、今後、自分や組織がどうなっていきたいのか」という視点です。そもそもAdaptするのは、自分自身に何か足りていないから。ではそれを取り入れたことで、「今後自分はどんな方向性に向かっていくのだろう」「どう自分を発展させていけばいいんだろう」と、将来像を描いていきます。

L:Lead<能動的に変革を引き起こす>

画像6

LはLead。「引っ張る」という意味です。ちなみにリーダーという言葉は、「引っ張る人」を指す言葉です。

発展させていくと、今までぼんやりとしていた「将来像」「理想像」「目指したいもの」が明確に見えてきます。今度はその目標に向かって、自分自身や回りを引っ張っていけるようになります。ここまで到達できれば、すでに「変化に対応できる人材」と呼べるでしょう。

E:Evolve<新しい自分に進化する>

画像7

最後のEは、Evolve。「進化する」という意味です。

自分自身で変革を繰り返すうちに、理想像が具体化し、リードできるようになります。しかし、そこに到達してゴールではありません。

それはまた始まりなのです。そこからまた人と繫がって、新しい視点に気づいて、それを取り入れて、自分自身を発展させて、そして能動的な変革を引き起こす。そして新しい自分、新しい組織に進化していきます。

すべてのきっかけは、繫がることから

画像8

重要なのは、全てのきっかけは最初のConnectからはじまることです。

いきなり自走できる人間や能動的に変革できる人間になれる人はいません。

だからこそ、まずは原点に返る。赤ちゃんの頃、ゆりかごに入っていた状態から、一歩踏み出してみましょう。一歩踏み出して、いろんな人、いろんな情報に意図的に手を伸ばしていきましょう。

現在は、インターネット上にたくさんの情報があります。SNSも発達し、LinkedInやFacebook、Twitterで興味がある人にはどんどんメッセージを打つことができます。するしないは別として、容易に繋がることができる時代です。

中には、「自分はSNSで他の人と繫がっているから大丈夫」と思う方もいるかもしれません。しかし、皆さんに注意していただきたいことがあります。例えばTwitterは、あなたの投稿やフォロワーの傾向から、「これはどうですか」と広告が出てきたり、フォロワーがいいねしている人の投稿が出てきます。それはTwitter全体でみると情報のごく一部にすぎません。自分が興味のある人たちが興味のある内容を強制的に表示するのです。すなわち、思考が同一化し、逆に視野がどんどん狭くなっていくのです。

だから、意図的に新しい世界に触れることが大事です。そうしなければ、新しい変化が訪れたとき、同一な考え方を持つ人間はどんどん淘汰されていきます。このVUCA時代に生き残るためには、進化しなければいけない。進化するためには、いろんな情報に触れなければいけない。それこそが「CRADLE MODEL」が提唱する考え方です。

いろんな情報に繋がって、気づいて、取り入れて、それから発展して、そこに向かってリードして、進化していく。これを繰り返すことが今の我々に求められる生き方なのです。

画像9

複数のコーチとつながり、新たな発見を

ここまで「CRADLE MODEL」を説明してきました。皆さんお気づきだと思いますが、第6回で紹介したセルフコーチングアプリ「クレドル」は、「CRADLE MODEL」に基づいたものです。私の今までコンサルタントや管理職の経験を踏まえて、協力していただいた方々と一緒に共同開発しました。コーチ、経営者、投資家、美肌コーチ、恋愛アドバイザーなどさまざまな40名以上の専門家にご協力いただいています。

仕組みとしては、定型文で毎日1つから2つ、登録しているユーザーさんが選んだプログラムに応じてメッセージが飛んできます。ぜひ複数のプログラムを実践していただきたいです。

コーチからの問いかけを毎日考えていただくこと、それはまさに新しい繋がり(Connect)です。専門的なコーチの方々から「こんなことを考えてみてください」と毎日アドバイスをもらう経験はなかなかないと思います。ぜひさまざまな考え方のコーチと繫がってみてください。共感する、間違っているなど、さまざまな感情を抱くかもしれません。その気づき(Realize) を取り入れるかどうかは、あなた次第です。自分に合ったものを吸収(Adapt)して、それを取り入れた上でどうなりたいかを考えて発展(Develop)させ、さらにはそのゴールに向かってリード(Lead)していく。そして進化(Evolve)する。そんなプロセスを広げるのは、あなた自身なのですから。


セルフコーチングアプリ「クレドル」は前半の「CRA」の部分にフォーカスしています。今の自分に限界や伸び悩みを感じている方、クレドルを使って新しい自分を探すきっかけと出会っていただけたら嬉しいです。

画像10

クレドルは、以下のリンクから無料でダウンロードできます。

https://cradle-app.net/

それでは、また次回お会いしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?