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政策人材のための教科書 ~現場の声を政策につなげるために~

こんにちは。

株式会社千正組の千正康裕&西川貴清です。

このたび、政策に関心を持つ方に、知っておいていただきたい政策のつくり方、働きかけ方のコツなどをお伝えするための、定期購読マガジンをスタートしました。

1.僕たちのノウハウと活動


千正は20年近く、西川は10年近く、それぞれ厚生労働省を中心に、官僚として様々な政策を作ってきました。

当事者として、多くの制度設計や意思決定プロセスを進めていた経験に加えて、現役の官僚時代から、秘書官として政治サイドの目線で政策を見てきたり、外国政府へのロビイングにより日系企業のために規制を変えてもらったりといった仕事をしてきました。

また、本業以外でも、国内の民間団体や企業の皆さんたちと政策について、意見交換をしたり、現場を訪問させていただいたり、ということを続けてきました。

さらに、よい政策をつくるためには、政策の内容やつくるプロセスの情報が政策のプロでない人も含めて多くの人に、分かりやすく伝わらないといけないということを強く感じて、千正は2011年から、西川は2019年から、それぞれ実名・肩書付のブログでの発信や、書籍などの執筆活動や講演などもしてきました。

つまり、官僚、政治家、関係団体、メディアなどの政策のプロの人たちとコミュニケーションをとりながら、自分たちもプロとして政策をつくりながら、一方でプロでない人たちにどのように伝えていったらよいかという試行錯誤を続けてきました。

このような官僚としての本業と、本業をよりよくするための課外活動としてやっていたことが高じて、官僚を辞めた後、株式会社千正組を立ち上げて、政策に関係する活動をしている民間団体や企業などのコンサルティングや、メディア出演や執筆活動、講演、企業研修、大学での講義などの「伝える」活動をしています。


2.政策の霞が関の独占と官民の情報格差


民間の方々と、直接、色々なお話をさせていただく機会をいただければ、先方のやりたいことや課題などをお聞きしながら、カスタマイズした個別具体的な助言をすることが可能です。

例えば、実現したいことや課題をお聞きしながら、政策情報を把握したり、戦略を一緒に考えたり、行政やNPOなどとの連携を進めたり、社会的によい話であれば政府等へのコミュニケーションのお手伝いするなどといったことを、カスタマイズした形で提供していますが、強く感じているのは、官民の政策に関する基本的な情報の格差です。

よいか悪いかは別として、日本では長く霞が関が政策をつくるという活動を独占してきました。だから、霞が関で長く政策をつくる仕事をしてきた私たちからすると、当然知っていることが、多くの皆さんに知られていないということです。

よくお聞きするのは、こんな声です。
■ 報道で、政策に関する情報を見ても、どのように活用できるのかわからない
■ 役所が情報を公表していても、どこに必要な情報があるのか見つけられない
■ 公表資料にアクセスできても、その内容をうまく読み解けない
■ 政策がどういうスケジュールでできているのかよく分からない
■ 結論だけ見ても、意思決定プロセスがわからない
■ 情報収集が後追いになって、自社の戦略の検討が後手に回りがち
■ 自分たちの活動を広げるために、どのような内容の政策提案がベストかわからない
■ どの省庁と話をしたらよいのかわからない
■ 国と県と市とどこに言ったらよいのかわからない
■ ネットワークのつくり方がわかならい
■ 官僚の思考回路がわからない、一度冷たくされたからもう会いたくない
■ 政治家には簡単に会えない
■ どうやって伝えたらよいかわからない
■ 規制がハッキリしない時など、そもそも要望した方がよいのかどうかわからない

3.教科書がないなら作ろう


そして、政策について関心の高い方や、仕事で関わっている方からは、政策ができあがるプロセスについて、ちゃんと学ぶためのコンテンツがないという声をお聞きします。

私たちも、確かにその通りだなと感じます。政治評論みたいなものは、世の中にたくさんあります。また、政策の中身について学ぶものも学術書や初学者向けの分かりやすいものなどもあります。ただ、プロセスについての本は多くありません。政治学や行政学などの学術的な本はあって、もちろん有益だと思いますが、やはり学問的な本が多いので、研究者でない方々が実践的に学ぶためのものとしては、ちょっと違うように思います。また、学術的な本を読むためには、ある程度基礎知識が必要なので、ハードルも高いです。

直接お話をさせていただく方々からは、もっと政策の基本的なことなども教えてほしいという声もいただきますし、政策人材の育成をどうしたらよいかという課題を抱える企業の方の声をお聞きすることもあります。

私たちとしても、多くの方々に政策の基本的なことを知っていただければ、皆さんの事業や活動がもっとよくなると思いますし、圧倒的に仕事の効率も上がります。そして、政策をつくる側の立場に立った時に、政策をつくるための最初のステップは「課題の把握」です。この課題についての情報は、霞が関にはありません。常に、現場にあります。

それを、知りたくて、官僚時代に現場訪問や民間の方々との意見交換をライフワークのように行ってきましたが、一番情報を持っている民間の方々が、政策をつくっている人たちに伝えるのが上手になれば、この国の政策は間違いなくよくなります。

そのためには、直接お会いする方々にカスタマイズしたサポートをしているだけでは、限界があります。教科書がないなら、作ろう。政策を読み解いたり、働きかけたりしたい人たちにとって、実践的で、前提知識がなくても理解できて、退屈でないもの、そういう教科書を作ることを決めました。

実は、去年から、この構想はありましたが、千正ひとりの活動では、どうしても時間的な制約があって、体系的な教科書をつくることに取り組めずにいました。

2021年4月から、千正と同じように政策を多くの人に伝えることを続けてきた西川貴清が千正組に加わりました。【ご報告】株式会社千正組に新メンバーが加わりました。|千正 康裕@千正組|note

「政策人材のための教科書」を作るなら、今しかないと思いました。


4.こんな方々に読んでほしい


政策そのものについて、多くの方に関心を持っていただきたいという思いは常に持ち続けていますので、読み物として面白いものは無料部分で広く読んでいただけるようにしていこうと思います。

有料部分については、私たちの経験を生かしつつ実践的な情報やノウハウをまとめていきます。真剣に政策について学びたい方のためのクオリティの高いものにしています。

なので、こんな方々に読んでいただけると、とても嬉しいです。
■ 企業やNPOなど民間団体で官庁や政策にかかわる仕事をしている方
■ 公務員や議員など、政策をつくる仕事をしている方々
■ 将来、政策をつくる仕事をしたい方
■ 政策について高い関心を持たれているすべての方

5.今後の執筆予定


 第1回目の記事は「そもそも「政策」とはなにか」です。第2回以降のすべての記事の大前提として、知っておいていただきたいことをまとめています。
第2回目は「成長戦略とは何か」、第3回目は「骨太の方針とは何か」です。成長戦略や骨太の方針について、政府内の調整の裏側や、進めたい政策について記載してもらう方法について詳しく説明します。
今後、約1年間をかけて、政策を実現するために必要な知識や方法について共有していきます。例えば、ですが、
・予算が出来上がるプロセス(いつ働きかけるべきか)
・官僚に響く伝え方の秘訣
・政治家への伝え方の秘訣
・ネットワークのつくり方
・政府の会議の委員になるための方法
といったテーマについて執筆する予定です。

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たとえばこんな悩みごとが解決します。 1) 政策をどのように活用できるのかわからない 2) どこに必要な情報があるのか見つけられない、その内容を読み解けない 3) 政策というのがどういうスケジュールでできているのか分からない 4)意思決定プロセスがわからない 5)情報収集が後追いになって、自社の戦略の検討が後手に回りがち 6)自分たちの活動を広げるために、どのような政策を提案したらよいかわからない 7)ネットワークのつくり方がわからない 8)官僚の思考回路がわからない

元官僚で千正組の千正康裕と西川貴清の「政策のつくり方」「民間からの政策提言のコツ」を学ぶための定期購読マガジンです(月3本)。こんな方々に…

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