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【ご報告】株式会社千正組に新メンバーが加わりました。

4月1日に、株式会社千正組に新メンバー・西川貴清が加わりました。

西川は、僕からすると厚生労働省の後輩です。平成24年に入省してから、医療保険や薬事規制の制度改正や研究開発支援など医療分野を中心に活躍してきた若手課長補佐でした。

正直、霞が関の働き方改革の活動をしていて、若手の離職が増えている環境を改善したいと思い、活動してきた自分が、厚労省の後輩を雇うことには複雑な思いがありました。

僕自身は、厚労省にいた頃から若手が元気に働ける環境を作りたいと思っていて、今でもその気持ちは変わっていませんが、よく個々の後輩から仕事上の悩みや転職などの相談を受けることがありました。

その時は組織の側に立って引き留めるというよりも、まずは本人が考えていることを聴いて、その人の人生を考えた時に、どのような選択がよいかということを一緒に考えるというスタンスで話をしてきました。そういう中で、厚労省にとどまって頑張るという結論を出して今も頑張っている人もいますし、新天地に活躍の場を求めた人もいます。

今回、西川については、当初は転職を考えているという話を聞いていました。自分の医療分野を中心とした政策の知識、入省前の新聞記者の経験や現在のブログや本の執筆などの「伝える」活動、大学院で学んできたデータヘルス・統計の知識などの培ってきた特技を活かして、より広いフィールドで社会に貢献していきたいという思いを強く持っていました。

ただ、そういう思いを持つ彼からすると、特定の会社に転職するとその会社のための活動しかできない、厚労省職員としてずっと持ち続けてきた「社会のために働く」という思いを続けることができなくなるのではないかということに悩んでいました。

僕自身も、彼の想いはよく理解できます。彼が考えていることは、自分が独立して、株式会社千正組を立ち上げた思いとよく似ているからです。とはいえ、彼にとっては官僚・厚労省職員という立場や安定した待遇を手放す大きな決断ですし、家族もいるわけですから、まあ千正組に転職してくることはないだろうと思っていました。僕自身にとっても、そろそろ仲間がほしいなあという気持ちは芽生えていたものの、人を雇うのは会社にとっても僕にとってもものすごく大きな一歩で気軽に考えられることではありません。

自分のやりたいことに合う転職先が見つかるといいよねと言いながら、こういう会社があるかなあ、こういう分野なら西川の経験が活かせるんじゃないか、みたいな話をしていました。株式会社千正組…というか僕自身の活動は、おかげさまで会社を立ち上げてから1年くらい経って徐々に忙しくなってきましたし、西川が十二分な戦力になる人であることは分かっていたので、「転職先が兼業OKのところだったら、千正組には色んな仕事があるし西川がいたらできることもあるから手伝ってよ。」くらいのことを言っていました。

そんな感じで、時々話をしていました。また、直接話す以外にも彼は僕の活動をウォッチしてくれていたと思いますが、ある時「色々考えたけど、自分のやりたいことは千正組でしかできないと考えている。一緒に働かせてもらえないか。」と打ち明けられました。

正直、ちょっと驚きました。僕がやっていることを面白いと思う後輩はいても、大企業への転職ならともかく、国家公務員という安定した世界から千正組に飛び込んでくるやつはいないだろう、みたいなことを思っていたので。

後輩が、安定を捨てて僕と一緒にやりたいと思ってくれることは本当に嬉しいことでした。一方で、本当に前に進んでよいかということはかなり真剣に考えました。僕も西川も霞が関や厚労省に対しては、育ててもらった場所という思いを強く持っています。正直、西川が厚労省を離れることは、厚労省の戦力ダウンになることではあるので、そのことも僕をすごく悩ませました。

また、僕が一人で活動するのと、安定した生活や立場を捨ててくる後輩の人生や生活を背負いながら事業を広げていくのでは、全く重みや責任感が違うことです。

僕だけなら、多少売り上げが減ったりしても、生活レベルを落とすこともできますが、人を雇うからには、少なくとも国家公務員時代から収入を落とすわけにはいかないとも思います。彼には小さい子どももいます。

給料が払えたとしても、彼が活躍できる場がなければ彼にとっても僕にとっても意味がありません。

僕から見た西川は、仕事の能力も人柄もこの仕事を一緒にしていくために申し分ない素材ですが、どうやって彼ならではの仕事を増やすか、僕と西川で新しい価値を提供する新規事業を立ち上げられるかということを真剣に検討しました。

そして、そのようなことを色々考えた結果、

本人が、転職の意思が固いのであれば、そして、やりたいことが千正組にあるというのであれば、他のところに転職させるのではなく、僕と一緒に働くことで社会や政策をよくする活動に貢献してもらい、また、官民の橋渡しの機能も果たしてもらうことが、適切なのではないか、

僕が西川の能力を踏まえた提案、新規事業の立ち上げをすることで、彼の活躍の場を生み出し、同時に社会に新しい価値を提供できるのではないか、

と考えるに至りました。

そういうことを考えて、これならいけるという自信と後輩の人生をある程度背負う覚悟も決まったので、「よし、じゃあ一緒にやっていこう」と答えました。

既に、新しい仕事も増えていますし、新しい事業の立ち上げ準備もありますし、まだ入社数日ですが西川はフル回転しています。パートナーシップも全く問題ないですし、これならやっていけると僕自身も確信しています。

千正組の機能拡大や新規事業立ち上げについては、徐々にリリースしていきます。

最近、厚労省、霞が関も一部の人のよくない行動でニュースになることが多いですが、生活者、働く人、企業などこの国で暮らす全ての人たちのために、あるいは国際社会のために、とても大事な仕事をしているところです。ほとんどの人は必死に遅くまで社会のために頑張って働いています。かつての同僚たちや他省庁の仲間たちが元気に活躍できるように、そして彼らの頑張りが現場や生活者に届くように、引き続き応援していきます。

新メンバー・西川貴清を含め、これからも株式会社千正組をあたたかく見守っていただければと思います。何らかの形で一緒に活動して社会をよくする方々とさらに出会うことができればこの上ない喜びです。

どうぞよろしくお願いいたします。


                        2021年4月7日
                        株式会社千正組
                        代表取締役 千正康裕

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