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オオカミ村滞在記 ⑤ 〜 サウナ小屋作り 後編 〜

X(Twitter)で動画を上げているという話を前回はしたが、文章の好きなnoteファンにサウナ小屋作りの素晴らしさを文字で伝えたいと思う。

鍬で穴を掘り、束石を置く。

この基礎工事の基本中の基本。土木の教科書の1ページ目に載っている工程だが、簡単そうに見えて実は難しい。

まず束石をどのように配置するか、これが重要である。四隅は絶対必要だろう。

横273センチ、縦182センチの小屋を作る。

3尺ピッチというのが日本の建築の基本とするなら、横は後2個、縦は真ん中に1個置けばいい。これが2辺あるので束石は合計10個になる。

絵にすると簡単なのだが、文字だと分かりづらいのが建築である。ちなみに建築資材は今でも尺貫法を使っているので、このサイズで建てれば無駄が少ない。


束石の周りはバラスを敷いて固める。バラスとは砂利石のことで束を安定させるために敷く。

ここで大切なポイントは大体の高さを合わせることだ。鍬で穴を掘ってレベルを出すのは10センチ程の誤差を目安にすれば楽にできると思う。

ミリ単位でレベルを合わすのは、バタ角の束と2×4(ツーバイフォー)の大引きである。

専門的な用語で何言ってるのか分からない方は僕のTwitterを見て、いいねとフォロー宜しく🤲

サウナ小屋の基礎と床工事のさらに詳細を書こうと思ったが

「誰が興味あんねん!」

と突っ込まれそうなので、土建屋さんで仕事の休憩中に聞いた話を書きたい。

ある時、東吉野村に国の補助金を使って各民家の近くに外灯をつけることになった。

地元の人は喜んだが、移住してきた人の中には何故か反対する人がいるらしい。

「月が綺麗に見えなくなる」

これが反対する人の理由らしい。足元を明るくして転ぶことを防止する効果よりも、月を見上げて夜の風情を優先する様な人間は地元にはいない。

なんせ変わり者だと、馬鹿にされるだけではなく、地区内で真剣に議論して揉めにもめた。冗談では無く本当の話である。

さて、サウナ小屋の基礎の話をしよう。

バラスを束石の周りに敷き詰めるのは基礎束を安定させるだけではなく、小屋の足元から雑草が生えるのを防止する効果もある。

バラスというのは、『砕石』とも呼ばれ、線路などに敷いてあるグレーからやや黒みがかった砂利のことである。

ホームセンターで大量にそれを購入したことを土建屋の社長に話すと

「その半額の値段で、バラスを軽トラの荷台に積み上げてやるよ」

と言ってくれた。次からは、お願いしようと思う。


小屋の基礎の話など面白くないと思うので、水風呂の話をしたい。

サウナと言えば水風呂という人も多いのではないか。

ここ東吉野村では冷たい沢の水を使い放題である。もちろんタダ。

タダより高いものはないと思われるかもしれないが、湧き出ている沢にエンビのホースを突っ込みタンクで受ける。

そのタンクはホームセンターに売っている1番デカいやつを買ってきた。

500リットルの大容量のタンクを山の斜面に設置して、サウナ小屋の横にホースを引っ張る。

まだ、床しか出来上がっていない小屋の横で、はやる気持ちを抑えきれずに作った。

凄い水圧で冷たい水が出てきた時は、ウッドデッキにも満たない床だけの小屋の横で大はしゃぎした。

「捕らぬ狸の皮算用」

とはこのことか、妻から白い目で見られ

「水より先に壁を作ったら」

と言われているようで辛かった。次は壁の材料を買ってこよう。


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