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オオカミ村滞在記 ② 〜 古道作り 中編 〜

古道作りというか登山道の修復する工程を書こうと思う。

家から200メートルほど激坂の登山道を上るとなだらかな横道に変わる。そしてT字路にぶつかる。

北に行けば村役場、南に行けばどこまで行くのか。捜索3日目にして「吉野フォレストヒルズ 花ごころ」通称、わらび園という所にたどり着いた。

途中、道が崩れている所や、風倒木が何ヶ所もあり、迂回したり倒れている木を潜ってようやくたどり着く。

そこは東吉野村と川上村を結ぶ林道武木線が通っており、久々にアスファルトの道に出た。ここまで家から5キロ程で、なだらかな上り坂が続いていた。

話は少し逸れるが、屋久島の縄文杉を見に行ったことがある。荒川登山口から2時間くらいアップダウンの少ないトロッコ道をひたすら歩く。

トロッコ道の終点からは激坂が続くのだが、東吉野村で見つけた道はそのトロッコ道のように、なだらかな上り坂で普通に歩けば息は上がらない。

「トレイルランができる道が欲しい」

と東吉野村に引越して、思っていた事の1つが実現しそうだ。ホームセンターでクワを買ってきて崩れた道を直す。

基本的に砕石が多い地質の所が崩れる場合が多く、山側を少しクワで削って道を作る。砂や土が剥き出しになり、大雨が降ればまた崩れる可能性があるので、大きめの石を置いたりした。

あと、ノコギリで切れる範囲の風倒木は撤去したり、落ちている枝をひたすら拾っては谷側に捨てることを繰り返した。

この道作りを40日程かけて障害物はだいぶ少なくなった。僕は、

「車と競走したら勝てるのでは?」

と思えてきた。ある日、わらび園の駐車場まで車で妻と一緒に来て、帰り道を競走する事にした。僕は、

「役場の駐車場まで勝負や」

と地下足袋を履いて走った。18分そこそこで役場の駐車場まで走り、地下足袋の勝利。30秒くらい遅れて妻の軽四が戻ってきた。まあ、妻の運転は未熟であるが距離にして倍以上の差がある。

もう少し古道を直して、風倒木を除けることが出来れば、F1ドライバーのアイルトンセナにでも勝てそうな気がした。

わらび園から先の道を探すのに苦労するのだが、今回も猪木の言葉で締めたい。

「道、この道はどうなるものか、行けばわかるさ、迷わず行けよ。ありがとう!」


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